「とりあえず資格取っとけ」の落とし穴――自己投資のススメ '07“誠”のビジネスパーソンを目指せ!

ビジネスパーソンにとって自己投資は必須です。でも、ちょっと待って! 「何かしなくちゃ」という不安から、ありふれたセミナーや資格に投資していませんか?

» 2007年07月02日 10時00分 公開
[PR/Business Media 誠]
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 みなさんは“自己投資”していますか? え、異業種飲み会で人脈を広げているし、英会話も学んでいる──。なるほどなるほど。では、その自己投資、本当に効果が出ていますか? きっといつか役に立つ、そうかもしれないですね。

 今回は、“誠(まこと)のビジネスパーソン”になるための自己投資を、確信を持って行うためのヒントをお伝えしていきます。キーワードは「利回り」。資産運用でも会社のビジネスプランでも避けて通れない利回りをキーワードに、効率的な自己投資を考えてみましょう。

 難しそうに思う必要は全くありません。今まで何となく行ってきた“意思決定”が、利回りを意識するだけでロジカルに行えるようになるはずです。

「何かしなくちゃ」という不安から資格に走る罠

 あーあ。もう2年も給料上がっていないし、このまま今の仕事を続けていても先が見えないなぁ。え、花子さん、英会話やってるの? 太郎君も簿記始めたって? 僕も何かしなくては……。

 自己投資と聞いて、すぐに思いつくのは習い事です。しかもその多くが、周りに遅れてはならない、とにかく何かスキルアップ:技量や技能を幅広くスキルと呼ぶ。本来であれば「読書」などもスキルアップにつながるが、多くの場合は転職時や昇進に際して、「スキルが足りないので、スキルアップしなければ……」といった使われ方をする。スキルアップを手がけないと──といった不安から発する勉強です。ところが、こうした「何とかしなくちゃ」を出発点とした勉強は、なかなか身に付かないのです。

 「不安から発する“サバイバル系”の勉強はペイしない」と話すのは、投資教育に携わる山口揚平さんです。

 え、山口さん、それはどうしてですか? 「できる人はたいていEXIT(イグジット)指向。目的から手段を考えるんです。昨今、株式市場を騒がせている外資系投資ファンドを見ても、最初に誰にどうやって売るかを考えてから株を買っていますよね。自己投資も、EXIT指向が重要です」

 うーん。みんなにつられて始めた英会話も、確かに途中で何となくフェードアウトして止めちゃったなぁ……。でも英語って、ビジネスパーソンの必須スキルでしょう?

 もちろん、英語を学ぶこと自体は立派な自己投資です。英会話スクールに行くことも、漢字検定を受けることもスキルアップ:技量や技能を幅広くスキルと呼ぶ。本来であれば「読書」などもスキルアップにつながるが、多くの場合は転職時や昇進に際して、「スキルが足りないので、スキルアップしなければ……」といった使われ方をする。スキルアップには欠かせないですね。ただし効果のある自己投資をするためには、EXIT指向が重要になります。先に目的を置いて、そのために自己投資するという考え方です。

自己投資も資産運用と同じ“利回り”で考える

 じゃあ“目的って何?”という疑問はひとまず置いて、EXIT指向で自己投資を考えるとどうなるでしょう。ポイントは「利回り」です。

 利回りとは、投入したお金に対していくら戻ってくるかを年率で表したものです。例えば、100万円を投資して、1年後に110万円になって戻ってくれば利回りは10%になります。自己投資も同じように考えることで、本当に効果のある投資かどうかを見極めることができるのです。

 例えばビジネスパーソンの自己投資の中でも最大級といえる、MBA留学を考えてみましょう。

 MBA留学には平均して1000万円級の留学費用と、勉強に費やす4年間、その期間中の給料という機会コストがかかります。一方で、MBAを取得して戻ってくると、600万〜800万円だった年収が、だいたい1200万円になると考えます。

 もろもろの留学コストが合計3000万としても、4年後に、年収が2倍になり昇給率5%としてそれが20年続くとすると、利回り(内部収益率)は20%になります。

 アジア圏では10%の金利で借金してでもMBA留学に行くという人が多いですが、この利回りを考えると納得ですね。

 つまり自己投資であっても、しっかりと投資コストと回収額を計算しているのです。こんな「そろばんを弾く力が重要」だと山口さんはいいます。

 「本当に優秀な人は、ざっくり計算して素早く判断します。意思決定のためなので、詳細な数字を持っても仕方ないんです」(山口さん)

 実際のところ、利回りを細かく計算する必要はありません。大事なのは、EXITを意識して、コストと期間に見合う結果が得られるのかどうかを考えるということなのです。実際のビジネスの現場でも、将来は不確定であまり詳細に計算してもその通りにはなりません。目的に対して、このコストは妥当なのか、この期間をかけていいのか──その意識が重要だということです。

 自己投資の場合は、「何年勉強して、収入が何倍になったかを計算することで、利回りが出る」(山口さん)という簡単な計算をしてみましょう。

で、利回り何パーセントなら合格?

 利回りを考えるといっても、では利回りが何パーセントあればOKなのか、その判断に苦しむかもしれません。銀行預金の利回りなんて、さすがに参考になりませんしね。そこで、実際の投資の現場では、どんな場合にどのくらいの利回りがあればいいと考えているのか、山口さんに教えてもらいました。

投資先 例えば…… 必要な利回り
何も分からない ベンチャー企業への投資 20%
よく分からない 自己投資 10%
名前が付いている 株式投資など 6%
確実なもの 国債など 3%

 例えば株式投資なら6%の利回りが期待できればOKですが、ベンチャー投資なら期待利回りが20%を超えないとリスクが大きいということです。

 自己投資の場合、その結果がよく分からなかったり、何も分からなかったりするものが多いです。だから、利回りは10%〜20%を基準とします。


資産運用と自己投資の違い

 さて、利回りで考えてみようと言うと、自己投資よりも資産運用だよ! 株だよ! という方もいらっしゃるかもしれません。しかしここは冷静になって、どちらのほうが“利回りが高い”か、考えてみましょう

 1つは伸び率です。「例えばテストで40点の人が80点取るのは難しくない。しかし80点の人が90点にするのはたいへん難しい。伸び率が高いものを選んだほうが投資効率がいい」(山口さん)。つまり、100万円を資産運用に回すよりも、その額を自己投資して給料を上げていくほうが利回りが高いんじゃないか──ということです。あくせくデイトレードを行う時間で自己投資をすれば、給料の上がり幅のほうが大きい可能性は大です。

 自分の給料の上がり幅と、資産額を天秤にかけて、どっちに力を入れるほうが“利回りがいいか”考えてみましょう。

 また、資産運用にせよ自己投資にせよ、投資のための予算をしっかり確保することが重要です。「ポイントは予算指向でポケットを分けるということです。例えば、最低、年収の10%を投資に使わなくてはいけないという仕組みにすることで、使い方の効率性追求につながります」(山口さん)

 これは昨今の先進IT起業が取り入れている、勤務時間の20%程度を自由な研究や開発に当てていい、というルールと同じだともいえますね。「ポケットを分けるというのは、米Googleの20%ルールも同じですね。つまり、自己投資というのは自己のR&Dなのです」

自己投資もEXIT指向で考える

 それでは改めて自己投資の“目的”について考えてみましょう。でも「何のために自己投資したいのか分からない……」という人、多くありませんか? そんな人は、まず「給料を増やす」ことを自己投資の目標としてみましょう。これなら(考えることは)簡単です。

 「給料アップのための自己投資」と目的を決めれば、あとはある程度そろばんを弾けます。ポイントはEXIT指向です。例えば、外資系企業で働いていたらTOEICなどの英語のスキルが、昇進に直結している場合が多いですね。

 自己投資の中には結果として得られるものが見えにくいものもあります。例えば読書がそうですね。「本は利回りが最も高いのではないでしょうか。投資に対して50倍くらいのリターンのイメージです」(山口さん)

仕事のスキルと併せて重要なヒューマンスキル

 では自分の仕事の内容、あるいは将来やりたい仕事の内容を想像して、目的から自己投資を考えましょう。最初に考えたいのは、現在の仕事に直結する勉強、資格などへの投資です。いまの職種が経理ならば、税理士や公認会計士を目指して勉強してみるのもいいでしょう。不動産関係なら宅建ですね。専門的な仕事になるほど、キャリアアップに直結する勉強があるものです。

 では営業職など一般的な職種の場合は、どうすればいいのでしょうか。英会話? もし利回りを考えてペイするのであれば、ぜひ。でも、もしちょっと割が合わないなぁと思うのであれば、誰もが身につける価値があるものがあります。“ヒューマンスキル:コンピュータプログラミングができる、Excelの操作が得意などをテクニカルスキルというのに対し、良好な対人関係を構築するために、コミュニケーション、マネジメント、プレゼンテーション、協調性などをヒューマンスキルと呼ぶヒューマンスキル”です。

 コミュニケーション能力:ヒューマンスキルの中でも、相手の伝えたいことを正しく受け取り、自分の伝えたいことをうまく伝える能力を指す。コミュニケーション能力のある人は、マネジメントやプレゼン能力もあることが普通。コミュニケーション能力や統率力はビジネスでは必須のもの。それがヒューマンスキルと呼ばれるものです。

 自分は仕事ができるのに、なかなか昇進できない──そんなふうに思っているなら、もしかしたら “ヒューマンスキル:コンピュータプログラミングができる、Excelの操作が得意などをテクニカルスキルというのに対し、良好な対人関係を構築するために、コミュニケーション、マネジメント、プレゼンテーション、協調性などをヒューマンスキルと呼ぶヒューマンスキル”が足りていないのかもしれません。

 例えば、部下の数と年収は比例します。部下を持つには業務に対するスキルも重要ですが、多くの部下を掌握するコミュニケーション能力:ヒューマンスキルの中でも、相手の伝えたいことを正しく受け取り、自分の伝えたいことをうまく伝える能力を指す。コミュニケーション能力のある人は、マネジメントやプレゼン能力もあることが普通。コミュニケーション能力──つまり“ヒューマンスキル”が求められます。管理職には、自らが仕事を行うことよりも部下の力を引き出して統制していくことが求められることもあり、ヒューマンスキルのあるなしが大きく影響するのです。

 ちなみに、部長職の平均月例賃金は56万円。以下、課長で43万円、係長で34万円、大卒初任給で20.4万円という平均額だそうです(財団法人社会経済生産性本部による調査より)。係長から課長になると26%アップ、課長から部長になると30%アップというわけです。こうした収入アップを、ヒューマンスキル向上:コミュニケーション能力やマネジメント能力をアップさせていくこと。組織の中にいても、フリーランスでも必須のスキルだが、なかなか独学では難しく、セミナーなどへの参加が望ましい。ヒューマンスキル向上のためのコストで割ってみれば利回りが出ます。例えば2年をヒューマンスキルの向上に費やして、課長から部長になれたなら利回りはざっくりと11%にものぼるわけです。

 誠のビジネスパーソンを目指すには必須の自己投資。ただし何に投資するかは、しっかり利回りを計算して。そして投資先として、自分へのヒューマンスキル向上:コミュニケーション能力やマネジメント能力をアップさせていくこと。組織の中にいても、フリーランスでも必須のスキルだが、なかなか独学では難しく、セミナーなどへの参加が望ましい。ヒューマンスキル向上をお勧めします。

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アイティメディア営業企画/制作:Business Media 誠 編集部/掲載内容有効期限:2007年8月31日