周りを巻き込むための“3つのルール”必須スキル“巻き込み力”向上演習2008

「以心伝心」を期待していないか? 自分の事ばかり話していないか? みんなは石を運んでいるのか、城を造っているのか? 巻き込み力を発揮するために気をつけたい3つのポイントとは?

» 2008年04月01日 10時00分 公開
[PR/Business Media 誠]
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 大きな仕事を任されたあなた。非常にやりがいのある仕事だが、しかし1人で取り組むにはあまりに荷が重い。「こんなに大変な仕事を、自分1人で回せるだろうか」――そんなときこそ、周りの人たちを巻き込もう。1人の力は限られている。得意なことも人それぞれ違う。だからこそ、ほかの人を巻き込み、複数名でその仕事に取り組むことにより、大きな成果を挙げることができるのだ。

 最近では雇用が多様化し、いろいろな働き方をする人が増えてきた。また連載第1回にも書いたように、“社内の上司・部下”という人間関係だけでなく、社内外から適切なメンバーを集めて、プロジェクトを回していく必要性が年々増してきている。

 しかし、ほかの人と一緒に上手にプロジェクトを進めるのは簡単なことではない。ちょっと周りを見渡してみよう。人と一緒に働くのが上手な人と、そうでない人がいることに気付かないだろうか? まわりを巻き込める人と、巻き込めない人はどこが違うのだろう。“巻き込み力”を高めるための3つのルールをマスターしよう。

まわりを巻き込むための“3つの力”

  1. 伝える力──自分がやりたいことについて、適切に相手に“伝える”
  2. 共感させる力──相手が「そうだね、それは大事だ!」と共感する
  3. イメージさせる力──ゴールとなるイメージを共有する

「以心伝心」は忘れてください──伝える力

 「以心伝心」という言葉を、日本人は心のどこかで信じている。しかし、仕事においてはその言葉は忘れよう。まずはあなたから話しかけ、相手に伝えなくては何も始まらない。

 そう、大切なのはあなたから話しかけることだ。こちらから話しかけるのはちょっと勇気が必要かもしれないが、「話しかけるんだ」という信念で、意識的に巻き込みたい相手に話しかけてみよう。

 返事がこなかったらどうしよう? 心配する必要はない。ビジネスパーソンとして適切な身なりをしていること(洋服だけではなく、清潔にしているとか、髪型もきちんとしているとか)、そして相手に聞こえる声で、伝わるような話し方をすれば、まず8割の人はちゃんと答えてくれる。

“伝える力”を発揮するルール

  1. 自分から話しかけてみよう
  2. 相手に聞こえるように話そう
  3. きちんとした身なりをしよう
  4. 返事が返ってくるまで話しかけよう

自分の言いたいことばかりを主張してしまうワナ──共感させる力

 巻き込みたい相手とのコミュニケーションが始まったら、次は自分がやりたいことを説明し、相手に“共感”してもらうステップだ。

 できるだけ具体的に、くわしく自分の仕事や目的を説明していこう。このときに陥りがちなのが、「自分の言いたいことばかりを主張してしまう」というワナである。

 例えば、他社との共同商品を開発したいとする。「○年○月までに、こんな商品を作りたいので、一緒に組んでいただけませんか。この商品を作ると、弊社の持っていないこんなユーザーを獲得でき、××円くらいの売り上げが見込めて……」といった説明をする人がいる。話の主語がすべて「自分(の会社)」なのだ。

 仕事のことばかり考えていると、自己中心的になりがちな人は多い(ほら、あなたの周りにも!)。しかしほかの人と組むのであれば、“その仕事に加わることが、その人にとってどういうメリットになるのか”を、伝わるように話すことが大切だ。相手の立場に立って分かるように翻訳すること。これで相手の理解を得やすくなる。

 特に初めて会う人の共感を得るときには、こんなことを心がけてみよう。相手の立場を最も端的に示すのは、名刺に書かれた役職だ。会社を訪問して初めて会う人と話す場合は、相手の肩書や所属部署が大きなヒントになる。例えば相手が営業担当であれば、「このプロジェクトによって、御社の売上が上がります」、広報担当であれば「これが取り上げられることによって、御社の知名度が上がります」、経営者であれば「御社の経営戦略の、この部分に効果があるのです」といった説明をするのだ。

 自分の言いたいことを具体的に説明し、相手にも興味を持ってもらい、“共感”してもらうこと。共感を得られないと、手伝ってもらう約束をしても、どこかひとごとになってしまいがち。人を強く巻き込むためのポイントが、この“共感”なのである。

“共感する力”を発揮するルール

  1. まずは大枠を説明して相手の理解を得、詳細はできるだけ具体的に説明する
  2. 自己中心的にならないように。相手にとってのメリットを意識して話そう
  3. 相手の立場に立ち、その人にとって魅力的な提案をする
  4. 初めて話す相手なら、名刺の肩書や部署名に着目しよう

石を運んでいるのではなく、橋を造っている──“イメージさせる力”

 相手に話しかけ、共感してもらった。自分も周りもやる気はある。皆努力しているのに、しかしなぜかうまくいかない――そんなときは、自分と周りが“同じイメージを共有できているか”考えてみてほしい。各人の力やがんばりがなぜ必要なのか、あらためて話し合い、同じゴールを夢見るのだ。

 このときポイントとなるのが、「目標を理解した上で、各人の作業にかかること」。こんな逸話がある。

 3人の男が同じ作業をしていた。何をしているの? と尋ねると、1人は「石を運んでいるところだよ」と言い、2人目は「柱を立てているんだよ」と話した。そして最後の1人は「橋を造っているんです」と答えた。自分の仕事が、立派な橋を作るためにどう役立っているのかが分かっているかどうかで、打ち込み方も変わるというわけだ。

 皆が努力しているのにうまくいっていない場合、ゴールが共有できていないことが多い。そもそもの目的を忘れたり、そこからずれてメンバーが違う方向に向いて進もうとしても、努力は空回りするだけだ。

“イメージする力”を発揮するルール

  1. まわりの人には「やってほしいこと」だけでなく「なぜそれが必要なのか」を伝えよう
  2. プロジェクトのゴールは何かを明確にしよう
  3. 成功の暁には誰がどんな役割と責任を果たしたのかがイメージできればなお良し


 ここまでまわりの人を巻き込むために必要な3つのルールを挙げた。1人でできる仕事は限られている。まわりの人を巻き込んでこそ、よりよい仕事ができる。人の能力とやる気をどう引き出すか――それは、プロジェクトの成功を左右するとともに、リーダーとなるための重要な訓練にもなるのだ。

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提供:株式会社社員教育研究所
企画:アイティメディア営業本部/制作:Business Media 誠 編集部/掲載内容有効期限:2008年12月31日