カードや重要書類の発送には欠かせない――佐川急便「受取人確認配達サービス」高いセキュリティで確実に受取人へお届け

クレジットカードやキャッシュカードなど、確実に受取人本人に届けなくてはならない品物を発送する企業を中心に、最近採用が増えているのが佐川急便の「受取人確認配達サービス」だ。犯罪収益移転防止法に完全対応した、本サービスのポイントとは?

» 2009年10月19日 08時00分 公開
[PR/Business Media 誠]
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 2008年に本格スタートして、2009年9月現在の取扱件数は月間約6万件。順調に伸びている新サービスが、佐川急便の「受取人確認配達サービス」だ。

 受取人確認配達サービスとはその名称の通り、宅配便の配達時に、荷物を受け取る人が間違いなく送り状に名前・住所が記載された本人かどうかを確認してから荷物を手渡すサービスである。

「犯罪収益移転防止法」に完全準拠

佐川急便 営業戦略部 営業企画担当 課長 黒川泰之氏

 荷物を送る際、受け取る人を確認しなければならないニーズとは、どのような場合に出てくるのだろうか。

 もともとこのサービスは、あるネットオークション事業者からの依頼を受けて開発したものだった。ネットオークションが盛んになるにつれ、犯罪に使われるような品物の取引が行われていないか、架空の口座や二重口座が利用されていないか、といった指導が警察から入るようになり、何らかの確認行為や防止策をとる必要が出てきたことが発端だったという。このオークション事業者では、ユーザーの会員登録を必須とし、会員証を受取人確認配達サービスで送ることによって本人確認を行い、会員証を受け取った人のみがオークションに出品できるようにした。

 類似するサービスは他社にもあるが、「佐川急便の受取人確認配達サービスは、2008年から施行された『犯罪収益移転防止法』に完全準拠しているのがポイント」と語るのは、本サービスを開発した佐川急便の黒川泰之氏だ。

 上述のように、もともと受取人確認配達サービスはネットオークション事業者からの依頼を受けて開発したものだったが、2008年3月から犯罪収益移転防止法が施行されたことを受け、犯罪収益移転防止法に完全準拠する形でリニューアル。佐川急便ではこのサービスを、確実に受取人へ荷物を送りたいというニーズを持つ法人ユーザー全般に対して展開することとした。


受取人確認配達サービスで、公的証書の記号・番号やパスワード入力に用いる決済端末。e-コレクトで利用しているものと共通だ

 佐川急便では、荷物の配達時に玄関先で、現金のほかクレジットカードや電子マネー、デビットカードでも支払える代金引換サービス「e-コレクト」の決済システムをすでに構築済みだった。このe-コレクトのシステムを元に開発したため、受取人確認配達サービスを短い期間でサービスインすることができたのだ。

 宅配便の通常の運賃+200円(1個あたり)で利用でき、確実に受取人本人に荷物を届けられる受取人確認配達サービスは、現在クレジットカードなどの配送を中心に、約30社で利用されている。

犯罪収益移転防止法とは?

 犯罪収益移転防止法とは、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するため、法令で定められた一定の取引を行う場合、事業者に本人確認を義務化したもので、2008年3月1日から施行されている。例えば、金融機関で預貯金の口座を開設したり、クレジットカードを発行したりする場合や、司法書士・公認会計士・税理士などが宅地・建物の売買手続や、会社設立などに関する手続などを代理・代行する場合には本人確認が必要になった(表参照)。

犯罪収益移転防止法で定められた、本人確認が必要な事業者と取引(警視庁のパンフレットより引用)

 この法律では本人を確認するために、氏名、住所、生年月日の3項目を確認しなくてはならない、としている。本人確認に必要な書類として定められている公的証書は、運転免許証、各種健康保険証、旅券(パスポート)、各種年金手帳ならびに年金証書、外国人登録証明書など9種類だ。

 対面で確認する場合は、上記の書類を提示してもらった上で、氏名・住所・生年月日の3点を確認すればよい。

 佐川急便の受取人確認配達サービスでも、セールスドライバーは氏名・住所・生年月日の3点を確認する。受取人を確認する公的証書は、運転免許証、各種健康保険証、旅券(パスポート)、各種年金手帳ならびに年金証書、外国人登録証明書の5種類のうちいずれか1点。これら5種類はすべて、犯罪収益移転防止法が本人確認に必要な書類と定める9種類の中に含まれている。また、このサービスを取り扱えるのは、佐川急便が社内で定めた資格を持っているセールスドライバーのみとなっている。

受取人確認配達サービスを扱えるのは、社内で定めた資格を持っているセールスドライバーのみ

 ネットでの取引など、非対面で本人確認を行う場合は、本人確認書類(写しでも可)を送付した上、そこに記載された住所に必要な書類を送り、その住所に本人がいることを確認してようやく本人確認が完了する。つまり、対面に比べて、非対面での本人確認は書類のやりとりが1往復発生し、時間と手間が余計にかかってしまうのだ。

 しかしネットでの取引の場合でも、受取人確認配達サービスを利用すれば、犯罪収益移転防止法で定めた「対面取引における本人確認」を行える(佐川急便に代行してもらえる)ことになる。

 本人確認を代行するためには、公的書類に記載された記号・番号と氏名、誰がいつ荷物を配達・本人確認を行ったかを、荷物を送付する依頼主にフィードバックする必要がある。受取人確認配達サービスでは、e-コレクトと共通の決済端末を用いて、この3点のフィードバックを即日行っている。

導入事例:ネットオフ・マーケティング「宅オク」の場合

ネットオフ・マーケティングの中村俊夫氏

 ネットオフ・マーケティングの「宅オク」は、ブランド品・カメラ・楽器・スポーツ用品・ホビー用品などを中心にネットオークションへの出品代行や買取を行うサービスだ。

 ブランド品やカメラなどをリサイクルショップに持って行っても、買取価格は非常に安い。オークションに出品すればもっと高く売れるだろうが、高く売れるような文章を考えたり、写真を撮ったりするのは面倒――という人を対象に、Yahoo! オークションへの出品を代行している。「出品手数料は成果報酬。売れたら落札金額の28%を手数料として受け取る」という“おまかせコース”を中心に、取り扱い件数を伸ばしている。

 宅オクではネット上でユーザーからの申し込みを受け付けると、出品する品物を入れるための宅配キットを受取人確認配達サービスでユーザー宅に送付する。ここで受取人が出品者本人であることを確認する。ユーザーはその宅配キットに出品を希望する品物を入れて宅オクへ送り、出品に必要な作業を宅オクが代行する――という仕組みを採用している。

 「弊社のように、実店舗ではなくネット上で宅配買取を行う会社が委託販売を行う場合、『古物営業法』で定める本人確認を行わなくてはならないのです」と話すのは、宅オクの事業責任者であるネットオフ・マーケティングの中村俊夫氏。

 「従来は、身分証のコピーと出品を希望する品物を一緒に送っていただき、身分証の住所宛に配達記録郵便を送付して本人確認を実施、確認が取れたお客様から商品を出品していました。しかし、個人情報に対する意識の高まりから、身分証のコピーを送付することに抵抗感を示す方が増加し、顧客サービスの改善が課題となっていました。

 受取人確認配達サービスでは、佐川急便のセールスドライバーにお客様が身分証を提示し、本人確認を実施していただけます。導入により、従来と比較し利便性が高まりキャンセル率が低減しました。また、タイムロスなくスピーディーに確認できる点にメリットを感じております」

「宅オク」サービスの流れ。宅配キットを出品者に送る時に、佐川急便の受取人確認配達サービスを利用。出品者の本人確認を行っている

用途に合わせて「公的証書確認」「パスワード確認」を選べる

受取人の確認方法は2種類から選べる。左から「公的証書確認」用、「パスワード確認」用のステッカー

 佐川急便の受取人確認配達サービスは、「公的証書確認」「パスワード確認」の2種類から選べるようになっている。

 公的証書確認は、犯罪収益移転防止法に完全準拠しているため、クレジットカードやキャッシュカードなどの送付を中心に利用されている。パスワード確認は、「より確実に受取人本人に届けたい」というニーズに応えるものだ。例えばオークションで落札した品物や、オンラインショップで購入した商品を、確実に申込者本人に配送する、といった使い方にマッチしている。


荷物を手渡すとき、佐川急便のセールスドライバーが運転免許証などを目視、さらに受取人が端末に事前に設定したパスワードを入力して本人確認を行う(パスワード確認の場合)

 このサービスでは、以下のような手順で受取人を確認する。公的証書確認の場合、佐川急便のセールスドライバーが荷物を届ける際、受取人に公的証書の提示を求め、そこに記載された記号・番号と、生年月日を端末に入力、送信する。

 パスワード確認の場合は、荷物の送り元と届け先の間で事前にパスワードを登録しておく。荷物を届ける際、セールスドライバーは公的証書を目視し、送り状に記載された名前・住所と一致していることを確認。受取人はパスワードをセールスドライバーの端末に入力し、パスワードが正しいかどうかを照合する。

 公的証書の提示がなかったり、パスワードが事前に登録したものと一致しなかったり(パスワード確認の場合)して、受取人の確認ができなかった場合は、セールスドライバーは荷物を持ち帰る。

 確認する公的証書は、運転免許証、各種健康保険証、旅券(パスポート)、各種年金手帳ならびに年金証書、外国人登録証明書の5種類のうちいずれか1点。有効期限内の原本のみで、期限が切れたものやコピーは不可となっている。

受取人確認配達サービスの流れ

セキュリティ意識の高まりの中で、さらにニーズは増えていく

 佐川急便は特定信書便に参入したことにより、今後、各種証明書、納品書、請求書など信書に含まれる書類も配送できるようになる。特定信書便と受取人確認配達サービスを組み合わせれば、重要書類を特定個人に配送することも可能になる。

 セキュリティ意識の高まり、犯罪収益移転防止法などの法令施行の中で、確実に受取人に届けなくてはならない重要な荷物は年々増えている。受取人確認配達サービスは、今後さらに利用の増加が見込まれる新しい配送サービスといえるだろう。

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提供:佐川急便株式会社
アイティメディア営業企画/制作:Business Media 誠 編集部/掲載内容有効期限:2009年11月19日