「iアプリはゲームのためにあるのではない」──ドコモ「503i」で動くJavaアプリケーション「iアプリ」のコンテンツは現状はゲームが目立つ。しかしiアプリは最終的には企業向けだとドコモは言う。
2月8日,都内で開かれた「BUSINESS MOBILE FORUM 21」では,NTTドコモのゲートウェイビジネス部,ビジネス推進担当部長である夏野剛氏がiモードのビジネス向け戦略を語った。 プラットフォームだけが先に進んではいけない夏野氏は,iモードをビジネスに活用するに当たり,まずはイントラネット,エクストラネットへの応用が考えられるという。「難しく考えず,社員が頻繁に利用するものを出すべき」(夏野氏)。 IDやパスワード,暗号化でセキュリティが確保され,社内の複雑なデータベースにアクセスできるものを作っても,ユーザーは利用してくれないかもしれない。技術的に優れたものではなく,ユーザーのニーズを汲み上げたことをやるべきだという。「もしかしたら社内の内線表や,予定表をiモードで見たいというニーズが最も高いのかもしれない」(夏野氏) iモードでも,この考え方は同じだったと夏野氏は言う。技術的に優れたものを次々と導入しても,ユーザーはついてきてくれない。コンテンツの内容,ソリューション,プラットフォームが同じスピードで進化しなくてはいけないのだという。そうすれば次第にユーザーも慣れて,順次新しい技術を受け入れてくれる。 実際,iモード端末の進化は,ほかのキャリアと比べると“ゆっくりとしていた”といわざるを得ない。他社の端末がすべてカラー液晶になっても,iモードはモノクロが残っていたし,12和音,16和音を採用する端末が増えてきても,iモード端末はかたくなに3和音,4和音から変えていなかった。 しかし一方で,着信メロディなどを提供するあるコンテンツ会社は,「これまでと互換性のない16和音を導入されても困る」と,技術だけが先行することに懸念を抱いている。iモードの強さは,コンテンツ,ソリューションの進化まで念頭に置いてスペックを決定しているところにある。 iアプリは最終的には企業向け先日発表されたiモード端末「503i」シリーズで動作するJavaのアプリケーション「iアプリ」についても,「かわいい名前だがゲームのためにあるのではない。最終的には企業寄り」と夏野氏は説明する。 実際,ドリームアーツはグループウェア「INSUITE One」のiアプリ版試作版をデモ。「10Kバイトの制限には正直苦労したが,メニューが出るなど表示能力だけをとっても大きな進化」(ドリームアーツ社長の山本孝昭氏)
iアプリのロゴにあるαは,追加機能の意味だ。「501iでブラウザという形で画面をユーザーやコンテンツプロバイダーに開放し,502iでC-MIDIによって音楽を開放した。503iではソフトウェアの一部を開放する」と,夏野氏はiモードの進化は,機能開放の歴史だったと言う。 503iから搭載されたSSLも,ドコモが間に入らなくてもエンド・ツー・エンドでセキュリティを確保できるようにするためのものだ。 iモードは今後ますますビジネス向けに進化していく。来月には,ソニーのPlayStationとの連携が実現する。専用のCD-ROMと携帯電話との接続ケーブルが発売され,iモードをテレビの画面で見ることができるようになるという。「iモードでキャラクターを鍛え,家に戻ってPlayStationで対戦することもできるようになる」(夏野氏) 夏野氏は,これだけ広く普及したPlayStationはビジネスのプラットフォームとしても利用できるはずだと語る。さらにローソンとの提携についても,「iモードからローソン店舗のキオスク端末でプリントアウトすることを考えている」という。 関連記事 [斎藤健二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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