ATRAC3【あとらっくすりー】
ATRAC3(Adaptive TRansform Acoustic Coding 3)は,ソニーが開発したオーディオ圧縮技術の1つ。MD(ミニディスク)に採用されているATRAC方式に比べ,約2倍の圧縮性能を高音質で実現する技術だ。音楽CDのデータを品質をあまり落とさず約10分の1にまで圧縮することができる。 また圧縮率は可変のため,4分の1〜20分の1までの圧縮が可能。エンコーダ・デコーダを1チップで実現できることから,携帯機器への採用に最適とされている。ソニーではメモリースティックウォークマンやネットワークウォークマン,携帯電話の「C404S」「SO502iWM」が採用している。 ATARAC3の技術的なポイントは2つあり,圧縮の際に人の耳に聞こえにくい成分や大きな音の前後のデータを間引いて,元の音質をそれほど損なうことなくデータサイズを小さくできること。そして,音の波形パターンを周波数帯域で区切り,2種類の成分に分類してそれぞれを別々に圧縮し,やはり高音質のままデータサイズを小さくできることとなっている。 また,ATRAC3はインターネットからの音楽配信サービスを意識しており,米RealNetworksの音楽配信システム「RealSystem8」への組み込みなどのほか,音楽配信会社やレコード会社などにライセンス供与されている。
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