パケット通信料金に変化の兆し──KDDI,HDRで定額制も。FOMAは?KDDIは,高速データ通信方式HDRにおいて料金定額制も検討している。1カ月後にはFOMAの料金体系も明らかになる。通信速度の大幅な向上はデータ通信料金にどんな影響を及ぼすのだろう?
iモード,EZwebなどのパケット料金が高額なのは,携帯電話でコンテンツサービスを利用している人なら誰もが感じているはずだ。 もともと“文字が主体”という触れ込みで始まったiモードも,いまやカラー画像,着信メロディとさまざまな“重い”マルチメディアコンテンツを提供している。この傾向は,通信速度が何十倍にも高速化するIMT-2000では,より顕著になってくる。 動画や音楽など,いわゆるリッチなコンテンツをダウンロードした場合,現行のパケット料金体系では通信費が法外な価格になってしまう(2月23日の記事参照)。 ここにきて,各社はデータ通信料金の見直しに着手してきているようだ。 最高の2.4MbpsのHDRでは定額制もKDDIの移動体技術本部モバイルIT部長である安田豊氏は2月29日,日本能率協会が主催した「2001情報家電産業総合会議」の講演で,「HDR方式を採用した場合,定額料金になる可能性がある」と語った。 HDRとは別名1X EV-DOとも呼ばれ,データ専用に特化して下り最大2.4Mbpsの転送速度を持つ通信方式(用語)。KDDIでは,採用を決定してはいないものの,2003年頃の導入に向けて試験を重ねている。 HDRは,電波状況などによって通信速度が変化するベストエフォート方式のため,時間課金やデータ量課金にするのが難しいという判断によるという。 FOMAの料金体系,4月末を目処に明らかにまた,同じく3月29日に講演に立ったNTTドコモのIMT営業推進室企画担当部長である須藤章二氏は,5月に予定されているFOMAに関して,「パケット料金は値下げの方向で検討中」だと語った。 端末も含め,料金体系などFOMAの詳細は,総務省への申請もあるため,「公開できるのはサービス開始1カ月前」だと須藤氏は言う。 FOMAの音声通話料金に関しては「現行と同程度」,パケット料金に関しては「ぎりぎりまで社内で検討を行う」(須藤氏)と,データ通信料金の位置付けが難航していることがうかがえる。 また,サービスエリアの狭さが指摘されることの多いFOMAだが,PDCとのデュアル端末は現在予定されていない。「(デュアル端末は)検討中であり,ユーザーのニーズしだい」(須藤氏) また,須藤氏はFOMAに搭載されるICカード「FOMAカード」(UIMカード)についても触れた。FOMAでは,FOMAカードを差し替えることで,複数の端末を同一の電話番号で利用することが可能になる予定だ。 FOMAカードはGSMで利用されている「SIMカード」をベースとしている。しかしSIMカードでは,キャリアと端末の組み合わせに制限がなく,ユーザーが自由に選択できる仕組みが提供されている。ただし,キャリアの意向によって制限をかける「SIMロック」と呼ばれる機能も搭載されている。FOMAでも,似たようなロック機構は搭載される可能性が高いと須藤氏は言う。 FOMAカードの主なファイルは以下の通り。 オペレータ関連
ユーザー関連
パケット料金の見直しは急務FOMAのサービス開始が目前に迫り,各地でIMT-2000の話題を耳にする。「通信速度が384Kbpsにまで上がって,動画などが見られるらしい」,この言葉は,一面の真実しか伝えていない。 FOMAでもテレビ電話などのサービスは64Kbpsの回線交換方式で提供される。最大384Kbpsのスピードが出せるのはパケット通信方式だ。通信料金を見直さない限り,“高いパケット料のために,動画などのリッチコンテンツ市場が立ち上がらない”という事態に陥る可能性すらある。 関連記事 [九条誠二,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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