ケータイのデザインはどこへ向かう?──S0503iのデザイン,あなたはどう思いますか?

斬新なボディデザインで話題になった「SO503i」。一方カバーパネルの取り替えにより個性が出せると注目されるauの「C406S」。みんなと同じはイヤ……というユーザーの気持ちを反映して,各メーカーとも工夫の跡がみてとれる。でも本当にユーザーのハートをソソるポイントを突いているのか?

【国内記事】 2001年4月11日更新

春だからケータイを買い換えたい

 平日の昼下がり山手線に乗ったところ,2人組の若い男性の会話が聞くともなく耳に飛びこんできた。見たところ,まだ2人ともほやほやの新入社員といった感じ。まだまだスーツの着こなしがしっくりいっていないところがなんとも初々しい。なんとなく「ビジネスマン」というよりは「成人式」っぽいんだもの。新入社員クンだってこと,すぐ分かる。

「俺さぁー,今のケータイもう古いじゃん? iモードもできないし。で,503iちゅーヤツ?に買い換えようと思うんだけどさ。でもさ,フォーマだっけ?新しいの出るじゃん? それ待ったほうがいいのかなぁ…?」

 確かに,彼のスーツの胸ポケットからのぞいているケータイは「P207」。

 中学生でも当たり前のようにiモードケータイを振り回している昨今,社会人になったのを機に新しいケータイを欲しいと思うのはトーゼンだよね。

 「D503i」の発売により,ラインアップがそろった感のあるiモード携帯503iシリーズだが,実売価格は軒並み3万円前後と,まだ気軽にホイホイ買い換えるには高いという声が聞かれる。買ったはいいけど,不具合→交換……というニュースも503iの購入をためらわせる一因になっている模様。

 でも,最近の若者にとってケータイはもはやなくてはならない必須アイテム。仲間から遅れたくはない,最新の情報を知っていたいと,関心は高い。新入学,就職を機に気分一新,ケータイを買い換えたくなる季節なのかもしれない。

おすすめケータイどれ? と聞かれても……

 その後,彼らの話はiモードのケータイを買うならどの機種がいいか……という流れになってきた。

 私はパソコン誌などでiモードを中心とした携帯電話の記事を書くことが多いので,まわりの友人によく購入相談をされる。「で,どれがいいの?」「今買うならズバリ,どれがおすすめ?」

 ……実はコレ,とっても困る相談なのだ。

 機能的にはできることにそう大差はない。となると後はデザインや操作性が選択のポイントになるわけだが,ボタンを押した時の感触,ストレートタイプがいいのか,折り畳み式が好きか? 色は? ……人によって好みはマチマチ。

 私がイイと思うものが,その人にとってベストチョイスとは限らない。なまじ友人たちが私を「その道のプロ」だと思っているだけに,なんか素晴らしいアドバイスがもらえると,目を輝かせて聞いてくださるのにホント申しわけないと思うのだが,無責任とは思いながら「人それぞれ,好きずきだから…」としか答えられないのである。

 特にデザインに関しては,本当に好き嫌いが分かれてしまう。私がええぇ?と思うデザインにも,もちろん好きだという人はいるわけで,個人的には「変なデザイン!」とこきおろしていた「SO503i」,意外にもまわりで愛用者急増中なのである。

石鹸箱? カブトガニ? SO503i ちまたの評判

 SO503iは,根強いファンを持つジョグダイヤル搭載,また「何はなくともやっぱりSONY」なヒトにとっては,発売が待たれた端末だった。

 Dのメタリックルージュ,Pのサイバーレッドなど,よくいえば斬新,悪くいえば「げ?悪趣味……」(あくまでも個人的な感想です。念のため)なカラーが多かった503iのラインアップの中でもひときわ異彩を放ったのが,SO503iのキャンディオレンジではないだろうか?

 「石鹸箱」「カブトガニ」「生まれたての子豚みたいな色だよね」「なんかねぇ…夜中にこっそり動いていそう。生き物っぽい」と,円味を帯びたデザイン,生暖かいオレンジ色には拒否反応を示した人が多かったようだ。

左がチタンブラック。右がキャンディオレンジ。“オレンジ”というよりも,実物はピンク色に近い

 私のまわりでも,「チタンブラックならね。いいんだけど」と,キャンディオレンジはイマイチ評判が悪い。

 ソニー事情に詳しい関係者にそっと探りを入れてみたところ,「ハーフスケルトン」というコンセプトで開発を進めるうちに自然とあの色に落ち着いたとのこと。

 だいたい各社3色を発売する中,1色は女性向けを意識しているようだが,例にもれずSO503iのキャンディオレンジも女性ユーザー受けを視野に入れてはいるようだ。しかし「女性でも敬遠する層があるはず。ただし,男性でも購入しているという事実もある」というコメントをいただいた。

 結局は好きキライによる……ということなのだが,あれを「好き!」と言うのはかなり勇気ある行為ではないかと思ってしまうのだ。

 しかし,私の知人のある編集者は奥さんのバースディプレゼントにアレをあげ,見事奥さんに気に入ってもらい,そのスキに自宅にADSLを導入する約束を取り付けたそう。ツボにはまる人にはたまらない……のかもしれない。

ケータイに求めるデザイン・色とは?

 現状,メーカーが用意する中から選ぶしかないケータイの色。

 もちろん後でペインティングする……という手もなくはないけど,万が一の故障の時にペインティングしてある端末は,修理担当者に「改造してますね……」などとイヤミをいわれたりすることも。

 機能が成熟してきた今,auの「C406S」のように着がえさせられる端末も登場するなど,デザイン面でも「みんなとは違う」個性が求められるようになると思われる。キャンペーンとしてデザイナーや各界の著名人がデザインしたオリジナルパネルプレゼントも実施中だ(KDDIニュースリリース)。

 ツーカーセルラーはフェラーリモデルや,「あゆ」こと浜崎あゆみデザインのヒョウ柄ケータイなど,限定ではあるが冒険的なものも出している。

 どんどん選択肢が広がるのは,ユーザーにとってはウェルカムだ。ファッションを選ぶように,自分好みのケータイを選びたいのは当然のニーズなのだから。

 それに引き換え,どうもドコモは慎重なように感じる。J-フォンで出したときには,鮮やかなオレンジがストリート派を中心に大人気になったノキアの「DP154-EX」も,なぜか地味めというか保守的というか……ダサめの色合いで「NM157」として出してしまった。

左がJ-フォンのDP154-EX。右がNTTドコモのNM157。実はNTTドコモはデザインに慎重?

 端末を開発するメーカーもさることながら,最終的に判断を下すドコモ側の判断がどうもイマイチあか抜けない。今回のSO503iのキャンディオレンジにしても,意欲は分かるものの全体に色のチョイスが泥臭い……と思ってしまうのは私だけ? なのだろうか。

関連記事
▼ SO503i,3月9日発売──24和音,6万色TFT液晶
▼ 買いか?待ちか?──503i購入タイミングを考える
▼ あなたの好みはストレート? 折りたたみ? フリップ? それぞれにメリットを持つケータイのボディスタイル

[いちばゆみ,ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!