もはや呼び出し音ではない?──“新たな音楽スタイル”へ進化する着メロ

今年,着信メロディは32音まで進化する。そんな中,着メロは単なる呼び出し音ではなく,さまざまな役割を担うようになってきた。

【国内記事】 2002年1月23日更新

 「お知らせ機能から,新たな音楽スタイルへ」。モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)主催のセミナーで1月23日,講演に立ったミュージックエアポートの斉藤豊プロデューサーは,着信メロディの進化をこう表現する。


有力着信メロディサービス業者として有名な第一興商の,着メロの技術面を担当するミュージックエアポート,斉藤豊プロデューサー

着メロは,もはや呼び出し音ではない

 単音から3音,4音,そして16音に。携帯電話の着信メロディが技術的に進化すると共に,その使い方も変化してきた。

 もともとは“呼び出し音”として使われた着メロだが,「普段は携帯をバイブレーションにしている。なのに着メロサービスに入っており,(ダウンロードしたメロディを)暇なときに聞いたり,寝る前に聞いたりしている」というユーザー像が,ミュージックエアポートの調査で浮かび上がってきた。

 そんな使い方に合わせて,着メロ自体も「2極化している」(斉藤氏)。

 1つは,“着メロっぽく使いたい”というニーズに合わせた「オルゴールなどベル系の音」(斉藤氏)。もう1つは音楽自体を楽しむための着メロだ。本来着信メロディは楽曲のサビの部分が十数秒あれば役を果たせるはず。しかし「1分以上にしてほしい。1コーラス以上の長さにしてほしいというユーザーからの要望が多い」と斉藤氏は語る。

 最近では音楽情報メディアとしての役割を,着メロサイトが担う場合さえある。“今流行っている曲は何なのか?”“どんなアーティストが新曲を出したのか”という問いへの回答を,着メロサイトが果たしている。「忙しくて音楽番組を見られれないユーザーが着メロサイトを覗いて,新曲の発表を知るということも多い」(斉藤氏)

 着メロサイト側でも,友人にグリーティングカードと一緒にメロディを贈れる,第一興商のメロDAM「メロディ♪カード」のように,着信メロディの活用が進んでいる。さらには,「着メロを使って踊る人もいる」と斉藤氏。


斉藤氏は着信メロディの将来像として,各ユーザーが持っている着メロの情報を相互に交換して,“自分に近い趣味のユーザーがどのような楽曲をダウンロードしているのか”をチェックできる世界を示した。もちろん,互いに交換するのは楽曲タイトルの情報で,楽曲自体はこの仕組みを用意したサイトから有料でダウンロードする

 このように,着メロは単なる“呼び出し音”から,新しい音遊びとしての要素が強くなってきているようだ。

32音,ステレオ……進化を続ける着メロ

 2002年は着メロはさらに進化する。まず同時発音数は32音以上に増え,楽曲データはステレオが標準になるようだ(2001年10月の記事参照)。

 特に,ヤマハが発表した音源チップ「MA3」(2001年12月の記事参照)は,従来の16音音源チップ「MA2」の後継チップとしてドコモのNEC端末や富士通端末への搭載が予想されている。

 サンプリング音を再生できる最大8音同時発音のWabe Table音源が内蔵されているなど,表現力が大幅に向上しているが,「サンプリングを活かすためにも,(着メロのダウンロード)ファイルサイズの拡大が望ましい」と斉藤氏は言う。


ミュージックエアポートが提示した,音楽機能に関するロードマップ

 また,PHSで提供されている音楽配信サービス「M-stage music」やFOMAのように,MIDIベースではなくストリームファイルを配信する環境も整ってきている。

 しかし「“遊び”としての音楽は,ストリームよりも着メロのほうがデフォルメされていて,いいのではないだろうか」と斉藤氏は語った。

 着メロは今後,Javaなどのアプリケーションやゲームなどでの利用も盛んになると見られている。また電子透かしや,携帯機器向けの標準MIDIフォーマット「General MIDI Light」などが採用されれば(2001年5月の記事参照),さらに応用範囲は広がるだろう。

 着メロの進化は,今後も止まりそうにない。

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[斎藤健二,ITmedia]

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