4月1日発売のCDMA2000 1x端末を事前チェックする（1/2）

KDDIが満を持して発売する第3世代携帯電話「CDMA2000 1x」シリーズ。ただし第3世代といっても，ネットワーク上は正常進化という位置づけだ。大きく進化したのは，折りたたみを取りそろえた端末群である。

【国内記事】

2002年3月29日更新

　4月1日，KDDIの第3世代携帯電話「CDMA2000 1x」対応機種が4機種登場する。KDDIは昨年末から端末の種類を絞ってきただけに，ユーザーにとっては心待ちにしていた新端末群だ。

　この4機種，いずれも折りたたみ型で背面液晶搭載。なかなかデザイン以外には違いを見分けにくい。既にスペックなどは簡単に紹介してきたが（3月11日の記事参照），ここで発売前の最終チェックをしておこう。

機能を比較する

　4機種は，それぞれ利用できる機能に差がある。

機種	GPS	WAP2.0	ezplus	カメラ	EZweb速度
A1011ST	×	×	×	×	14.4Kbps
A1012K	×	×	×	×	14.4Kbps
A3011SA	○	○	○	×	144Kbps
A3012CA	○	○	○	○	144Kbps

　基本的な違いは，GPSが使えるかどうかとカメラを内蔵しているかどうかだ。「GPSは必要ない」という人も，EZwebの速度が異なるのには注意。スペック上だが，実にダウンロード速度で10倍の開きがある。また，画像などを添付したときにはメールの送信速度も気になるポイント。「A3011SA」「A3012CA」は上りも64Kbpsで通信可能だ。

　データ通信ケーブルを使ってPCと接続しない限り，A1000シリーズの通信速度はcdmaOne端末と変わりない。第3世代といっても，必ずしも高速ではない。

機種	液晶種類	色数	液晶サイズ
A1011ST	GF液晶	6万5536色	2インチ
A1012K	反射型TFT液晶	6万5536色	2インチ
A3011SA	TFT液晶	6万5536色	2.1インチ
A3012CA	Crystal Fine液晶	26万色相当	2インチ

　液晶は，どれも最新機種だけあってかなりのクオリティも持っている。シャープ製のGF液晶は発色はいいが，STNベースのため反応速度はTFTほど高速ではない。またA1012Kの反射型TFTは，明るいところでも暗いところでも良い視認性を発揮するが，純粋に屋内で画像を見た場合，やはり半透過型のものにかなわない。

　A3011SAは，TFT液晶とはいうもののツーカーの「TS11」やJ-フォンの「J-SA04」のように，少々暗い印象も受ける。Crystal Fine液晶は，セイコーエプソン製のTFD液晶の1種。TFDといえば，「N503i」や「D503i」にも採用されていたが，Crystal Fine液晶ではソフトウェア処理により26万色相当を実現している（2001年4月の記事参照）。また，左右の額縁を均等化し，液晶が中央に来るようになった。

機種	音源	日本語入力システム
A1011ST	FM音源16和音	ATOK for au
A1012K	FM音源32和音＋WabeTable8和音	モバイルWnn V2
A3011SA	FM音源16和音	モバイルWnn V2
A3012CA	FM音源32和音＋WabeTable8和音	ATOK for au

　着信メロディと日本語入力システムに関しても，A1000シリーズとA3000シリーズで2パターンずつある。「A1012K」と「A3012CA」は，ヤマハのMA-3チップを使った40和音だ（3月6日の記事参照）。

　日本語入力システムは，「ATOK for au」と「モバイルWnn V2」にきれいに分かれた。ただし，両者共に辞書はメーカーが自由に選択でき，ユーザーインタフェースも機種ごとに作り込まれている。そのため，変換のしやすさも登録されている単語についても，さらには予測変換をどこまで重視しているかも端末によって異なる。同じモバイルWnnでも，ほとんど別物と思ったほうがいいかもしれない。

　A1012KのモバイルWnnでは，京セラのサイトから辞書をダウンロードして追加することが可能（3月19日の記事参照）。自分に必要な辞書だけを追加することで，容量を節約しながら賢い変換を可能にしている。

機種	データフォルダ	本体重量
A1011ST	800Kバイト	99グラム
A1012K	800Kバイト	93グラム
A3011SA	1.5Mバイト	97グラム
A3012CA	12.8Mバイト	106グラム

　データフォルダの容量は，A3012CAが圧倒的な12.8Mバイト。これは，携帯史上最大容量ではないだろうか。何しろ昨年末の段階でも，各端末は1Mバイトで“大容量”を謳っていたのだ。これはJ-フォンの最新端末「J-K51」の3Mバイトという容量の約4倍。保存容量で悩むことは，しばらくの間ないだろう。

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[斎藤健二，ITmedia]

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