Mobile&Movie 第7回:
世界の涯てに「ビンゴ!見つけたぞ!」

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”ご紹介する「Mobile&Movie」。第6回は,リー・チー・ガイ監督の「世界の涯てに」。携帯電話が出会いのきっかけを演出する心温まる人間ドラマ。

【国内記事】 2002年3月29日更新

作品名世界の涯てに(LOST AND FOUND)
監督リー・チー・ガイ
制作年・製作国1986年香港作品


 携帯電話の普及率が,80%近いという香港。これはアジアでは台湾に次いで2位の数字で,ちなみに日本は3位となっています。今回ご紹介する香港映画「世界の涯てに」でも,携帯電話がきっかけとなる出会いの場面から物語は始まります。

「ビンゴ!見つけたぞ!」

 携帯を肩に挟みながら,ゴミ箱を漁る男,ナー。

 それを怪訝な表情で見つめる女,ラム。

「客に見つけたと伝えてくれ。僕は一息ついてから戻る」

 ゴミ箱から財布を取り出し中身を確認した時に,携帯電話をゴミ箱の上に置き忘れてしまうナー。ラムはその携帯を手に取り,ナーのあとを追いかけます。

 ゴミ箱を漁っていたナーの仕事は,遺失物の捜索。「捜し物なら任せてくれ」というナーに,ラムは「希望を見つけられる?」と尋ねます。

 ラムは,数カ月前に自分が不治の病に冒されていることを知りました。父親の海運会社で倒れた時に助けてくれたのがスコットランド人の船乗りテッドでした。ラムとテッドは言葉を交わすようになります。テッドは,自分の故郷の伝説をラムに話しました。

「スコットランドには,死者の魂が帰って行く“世界の涯て”と呼ばれる場所がある」

 “世界の涯て”が,特別な場所であると感じたラム。テッドと会うことを楽しみに港へ通っていたある日,テッドが旅立ってしまったことを知ります。

 ラムはナーにテッドを捜してくれるよう頼みます。捜索主任の経験とカンから,ナーは苦労しつつもテッドを見つけ出します。再会を喜ぶ2人を,ナーは優しい眼差しで見守ります。

 そして,テッドは故郷に戻り,ラムはナーの仕事の手伝いを始めます。

 野生のカモを探して,花の咲かないバラ園に蕾をつけること。

 死んでしまった奥さんを探し続けているふりをすること。

 人々との出会いの中で,ラムは生きる喜びを見つけ始めますが,同時に自分の病気が悪化していることに気付きます。

 テッドが教えてくれた“世界の涯て”の島のことが忘れられないラム。もう一度希望を探しに,スコットランドへ旅立ちました。テッドと過ごす生活の中で,ラムが見つけたものは,故郷への思いと自分にとって本当に一番大切なもの。

「この世の中で,何かを捜すのは本当に難しい。だけど僕は楽天家。いつも心に希望を抱いている」

 ナーの言葉は,ラムを勇気づけます。

「この世に失くなる物などない」

 死者の魂が集まる“世界の涯て”の伝説は,スコットランドに実際にあるセント・キルダ島に由来するものだそうです。海に向かって建てられた墓地は,暖流と寒流が入れ代わるという幻想的な場所。香港の雑踏とスコットランドの広大な自然の中で,限られた生を受け入れ精一杯生きるラムの姿と,どこまでも心優しいナーに胸が暖かくなる1本です。

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[本田亜友子,ITmedia]

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