Webアクセスの半数はJPEG対応機──iモード画像もGIFからJPEGへiモードの画像はGIF……という状況が変わりつつある。既にiモードサイトにアクセスしてきた端末の半数以上はJPEG対応。JPEGフォーマットにはメリットも多いだけに,対応が進むもようだ。
iモードサイトの画像,といえば,これまでGIFが標準だった。しかしJPEG対応機の増加によって,「GIFでなくてはいけない」という状況は変わりつつある。 月間350万ページビューを持つiモードポータルサイトのソフトバンクVとイーシーリサーチの調べによると,iモードサイトへのアクセスの5割以上がJPEG対応端末からのものだった。
JPEG対応に積極的なのは,多くのシェアを持つNEC製端末と松下製端末。「N503i」や「P503i」ではJPEG表示に対応しており(2001年5月の記事参照),最近では「N211i」「P211i」といった端末もJPEGを表示できるようになった(1月10日の記事参照)。 壁紙などのコンテンツを提供しているプロバイダーでも,「JPEG画像を用意しても,NEC,松下端末向け,と銘打てば一定の需要が見込めるようになった」(ソフトバンクV)という。
ドコモの最新端末のJPEG対応状況。最新機種では半数程度がJPEGに対応してきている。504iシリーズでは全機種対応になるともいわれている
流れはGIFからJPEGへ一般的に考えれば,GIFに対して,JPEGのメリットは数多い。 256色しか表示できないGIF(用語)に対して,1600万色表示が可能なJPEG用語は,自然画などで圧倒的に美しい。しかも画像のサイズもGIFに比べて小さくなる。
今後は,JPEGが携帯画像のフォーマットでも主流になっていくだろう。その理由はいくつかある。 1つは,多色表示可能なカラーディスプレイの普及だ。既に,普及機でも256色以上のカラーディスプレイは当たり前で,上位機種では「1600万色相当」をうたうものまで登場してきている。GIF画像の再生だけならオーバースペックだ。 2つ目は,カメラ付き端末の増加。既にJ-フォンだけでも400万台を超えるカメラ付き端末が稼働しており(3月18日の記事参照),この数はさらに増えると予想されている。カメラ付き端末で撮影した画像は基本的にJPEGであり,カメラ付き端末以外でも,閲覧するにはJPEGに対応していたほうが具合がいい。 3つ目は,端末の処理能力の向上だ。第3世代携帯電話では“ツインCPU”の採用が叫ばれるなど(3月18日の記事参照),通信以外の処理速度を重視している。これはJavaまで動作するようになった第2世代端末でも同様だ。そんな中で,「JPEG表示は処理が重い」ということはなくなってきた。 4つ目は,ライセンスの問題だ。ドコモでは「インターネットの標準がGIFだったから」(同社iモード企画部長の夏野剛氏)という理由で,GIFを採用したという。しかしGIFの利用には米UNISYSの特許に絡むライセンス料が発生する。ドコモは端末ごとにライセンス料を支払っているというが,問題はコンテンツ供給側でも発生している。近年コンテンツ変換ソフトなどが花盛りだが,そこで問題になるのがGIFの処理だ。変換ソフトメーカーは口をそろえて「GIFに関するライセンス料が発生するのをクリアするのが難しい」と語る。画像フォーマットがJPEGに移行すれば,この問題も解決する。 これまで,iモードはGIF,J-スカイはPNG,EZwebはBMP/PNGを標準としてきた。しかしJ-フォンでは写メール対応機当たりからJPEG対応を進め,既に対応機は34機種以上に達している。au端末でも,A5000/3000/1000,C5000/3000などがJPEG対応だ。ドコモもJPEG対応を進めることで,携帯の画像フォーマットはJPEGが標準的になっていくだろう。
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