Webアクセスの半数はJPEG対応機──iモード画像もGIFからJPEGへ

iモードの画像はGIF……という状況が変わりつつある。既にiモードサイトにアクセスしてきた端末の半数以上はJPEG対応。JPEGフォーマットにはメリットも多いだけに,対応が進むもようだ。

【国内記事】 2002年4月12日更新

 iモードサイトの画像,といえば,これまでGIFが標準だった。しかしJPEG対応機の増加によって,「GIFでなくてはいけない」という状況は変わりつつある。

 月間350万ページビューを持つiモードポータルサイトのソフトバンクVイーシーリサーチの調べによると,iモードサイトへのアクセスの5割以上がJPEG対応端末からのものだった。


ソフトバンクVによる,3月度のアクセスデータからJPEG対応端末とGIFのみに対応した端末の比率を算出したもの。アクセス数で見れば,既に半数以上がJPEG対応端末となっている

 JPEG対応に積極的なのは,多くのシェアを持つNEC製端末と松下製端末。「N503i」や「P503i」ではJPEG表示に対応しており(2001年5月の記事参照),最近では「N211i」「P211i」といった端末もJPEGを表示できるようになった(1月10日の記事参照)。

 壁紙などのコンテンツを提供しているプロバイダーでも,「JPEG画像を用意しても,NEC,松下端末向け,と銘打てば一定の需要が見込めるようになった」(ソフトバンクV)という。

機種JPEG対応機種JPEG対応
R211iSO211i
D211i×F211i×
N211iP211i
D503iS×F503iS×
N503iSP503iS
SO503iS×各FOMA

ドコモの最新端末のJPEG対応状況。最新機種では半数程度がJPEGに対応してきている。504iシリーズでは全機種対応になるともいわれている

流れはGIFからJPEGへ

 一般的に考えれば,GIFに対して,JPEGのメリットは数多い。

 256色しか表示できないGIF(用語)に対して,1600万色表示が可能なJPEG用語は,自然画などで圧倒的に美しい。しかも画像のサイズもGIFに比べて小さくなる。


左がJPEG画像。右がGIF画像。それぞれ200%程度に拡大してある。見て分かる通り,GIFでは色数が少ないため,グラデーションの再現が難しい。顔の部分や膝掛けの色がうまく表現されていないのが分かる。しかも,GIFが14Kバイトなのに対して,JPEGのほうは9Kバイトとファイルサイズも小さい

 今後は,JPEGが携帯画像のフォーマットでも主流になっていくだろう。その理由はいくつかある。

 1つは,多色表示可能なカラーディスプレイの普及だ。既に,普及機でも256色以上のカラーディスプレイは当たり前で,上位機種では「1600万色相当」をうたうものまで登場してきている。GIF画像の再生だけならオーバースペックだ。

 2つ目は,カメラ付き端末の増加。既にJ-フォンだけでも400万台を超えるカメラ付き端末が稼働しており(3月18日の記事参照),この数はさらに増えると予想されている。カメラ付き端末で撮影した画像は基本的にJPEGであり,カメラ付き端末以外でも,閲覧するにはJPEGに対応していたほうが具合がいい。

 3つ目は,端末の処理能力の向上だ。第3世代携帯電話では“ツインCPU”の採用が叫ばれるなど(3月18日の記事参照),通信以外の処理速度を重視している。これはJavaまで動作するようになった第2世代端末でも同様だ。そんな中で,「JPEG表示は処理が重い」ということはなくなってきた。

 4つ目は,ライセンスの問題だ。ドコモでは「インターネットの標準がGIFだったから」(同社iモード企画部長の夏野剛氏)という理由で,GIFを採用したという。しかしGIFの利用には米UNISYSの特許に絡むライセンス料が発生する。ドコモは端末ごとにライセンス料を支払っているというが,問題はコンテンツ供給側でも発生している。近年コンテンツ変換ソフトなどが花盛りだが,そこで問題になるのがGIFの処理だ。変換ソフトメーカーは口をそろえて「GIFに関するライセンス料が発生するのをクリアするのが難しい」と語る。画像フォーマットがJPEGに移行すれば,この問題も解決する。

 これまで,iモードはGIF,J-スカイはPNG,EZwebはBMP/PNGを標準としてきた。しかしJ-フォンでは写メール対応機当たりからJPEG対応を進め,既に対応機は34機種以上に達している。au端末でも,A5000/3000/1000,C5000/3000などがJPEG対応だ。ドコモもJPEG対応を進めることで,携帯の画像フォーマットはJPEGが標準的になっていくだろう。

GIF画像が同時に扱える色数は256色ですが,その256色は1600万色の中から選びます。そのため,ディスプレイに表示可能な色数が増えるに従い,GIF画像の表示能力も増していきます。その意味では,JPEGが表示できなくてもディスプレイの表示可能色数を増やすことは意味があるといえます。ご指摘,ありがとうございました。

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[斎藤健二,ITmedia]

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