折りたたみ式でキーボード付きの新CLIE「CLIE NRシリーズ」徹底レビュー:
(6)まとめ

ユニークな本体とさまざまな機能を持つCLIE NRシリーズ。しかしこの製品の評価は難しかった。1カ月かけて,ネックになるといわれる大きさや,初の装備となる縦長液晶やキーボードについて検証,考察した結論をお伝えしよう。

【国内記事】 2002年4月22日更新

NRシリーズは決して大きくない

 CLIE NRシリーズを評価する上で難しいポイントとなるのが「大きすぎないか」「キーボードは本当に使いやすいのか」という点だ。

 まず,大きさについてだが,スペックが示す通り,重量(200グラム)と縦幅(136ミリ)はPalmデバイス史上最大である。この数字のインパクトは小さなものではなく,結果として「大きい」と感じる人もいるだろう。

 しかし,横幅や厚みに関してはほかのPalmデバイスと比べても大きいことはない。厚みについてはCLIE Nシリーズと同じ,Palm m10xシリーズやVisor Deluxeよりは薄く,横幅は(CLIE全般で)Palmデバイスとしてもっとも狭いものとなっている。

※ほかのPalmデバイスのスペックについては12月21日の記事12月17日の記事を参照。

 ネックストラップを使って本体を首にかけたり,Yシャツの胸ポケットに入れたりすると,ほかの軽量自慢のPalmデバイスより重さを感じるが,鞄やジャケットのポケットに入れたり,手に持って操作したり(横幅が比較的狭いデザインであるため,握りやすく,重さを感じさせにくい)しているときは,さほどの重量感はない。

 確かに,現在の主流PalmデバイスであるCLIE Tシリーズやパーム コンピューティング製m500シリーズと比べれば,大きく,重い。しかし,Tシリーズやm500シリーズがあらゆるPDAの中では小さいほうであることを忘れてはならない。NRシリーズはPDAはもちろんPalmデバイスとしても平均的な大きさであり,逆にNRシリーズの性能や機能を考慮すれば,サイズ的にも誉められるレベルにある。

Palmデバイス第1弾のキーボードとしては及第点の出来映え

 これまでさまざまな小さいキーボードを検証してきた筆者としては,このサイズでこのクオリティのキーボードを搭載したことを高く評価したい。記号や数字が操作しにくい(コンビネーションキーとの同時押しが必要)という問題もあるが,連続した日本語入力時にはGraffiti入力以上の快適な入力環境を提供してくれる。

 ただ,「本当にこれでよかったのか?」という思いも残る。NRシリーズのキーボードはPC用キーボードのキー配列に似せて作られているが,PC用キーボードのあの大きさとキーの数があるからこそこのキー配列は使いやすいのであり,PDAに搭載して十分な使い勝手を実現するのは難しい。

 いっそ,まったく新しい片手入力デバイスのような仕組みを採用してもよかったのかもしれない。例えば,テンキーを左右に2つ並べ,左側は携帯電話のようなスタイル(バイオUシリーズの「ThumbPhrase」のような感じでいいだろう)で,右側は数字専用のテンキーのように使えたりするのはどうだろう。NRキーボード操作を学ばなければならないのであれば,このくらい変化があってもよさそうだ。このあたりはPDA業界全体の課題として今後に期待したい。

 NRシリーズのキーボードについては,その出来映えだけでなく,存在意義を問う声すら耳にする。ただ,こうした声の多くは,Graffiti入力をマスターしていたり,こうした小さなキーボードをパソコンで使っているキーボードと同一視しているユーザーからの声がほとんどであり,あまり参考にはならない。もちろん,キーボードがないモデルの登場にも期待したいが,「Graffiti文字を覚えなければならない」というPalmデバイス初心者にとっての敷居を低くする一策として,キーボード搭載は歓迎すべき要素である。

多少大きくても,機能の多彩さは魅力

 大きさやキーボードのほかに忘れてならないのが,「縦長ハイレゾ液晶」と「高性能なCPUとDSP」のよさである。1.5倍に広がった画面はテキストもグラフィックも高い視認性を実現している。また,パフォーマンスの高速化を図り,音楽だけでなく画像でも使えるようになったチップからは恩恵を受けるシーンが増している。これらはジョグダイヤルやメモリースティックスロットのように,今後のCLIEラインナップで標準搭載してほしい機能だ。

 PEG-NR70はこの縦長ハイレゾ液晶と高性能チップを搭載して4万9800円。同様に音楽再生機能があったPEG-N750Cと比べて,多少大きくなりはしたものの性能や機能の向上を考えればコストパフォーマンスは同等といえる。PEG-NR70Vはさらに「内蔵カメラ」が搭載されて5万9800円。内蔵カメラは本特集でも検証したようにように,あまりクオリティの高いものではないが,活用できるシーンは多く,値段分の利用価値はある。

 Tシリーズの“スタンダードPalmデバイス”に対して,NRシリーズはNシリーズの“エンタテインメントPalmデバイス”の後継という位置づけとなる。「多少大きくてもさまざまな機能を楽しめるPalmデバイス」を望むユーザーにとっては,最有力の候補といえる。

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[濱田宏貴,ITmedia]

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