手のひらサイズのWindows XPマシン「バイオU」速攻&徹底検証:
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【国内記事】 | 2002年4月30日更新 |
ところで,バイオUのスペックを見て「モデムがない」ことに気づいた人もいるだろう。最近のバイオノートはBluetoothや無線LANなども搭載している製品が多いが,こうしたものもない。バイオUで通信機能と呼べるものは100BASE-TX対応のEthernetだけなのである。
では,Ethernet以外の通信機能はどのように使うのかいうと,PCカードスロットやUSBポートに通信機能を持つカードやケーブルを増設すればよい。このあたりはほかのノートPCと同様だ。
ちなみに,最近ソニーのCLIEで使えるメモリースティック型のBluetoothモジュールなどがリリースされたが,これはバイオUのメモリースティックスロットでは使えない。
メモリースティック型Bluetoothモジュール「PEGA-MSB1」を差し込んでみたが反応なし。アップデータなどで対応できるかどうかも不明とのことだ
実際にPCカードスロットに無線LANや携帯/PHS,Bluetoothなどを増設して使ってみたところ,カードによっては持った状態だと大変使いにくくなることが分かった。PCカードスロットは左側面の手前のほうにあるのだが,ここに出っ張る部分の大きいカードを入れると,カードが邪魔になって本体をしっかり支えられなくなり,また左手で行うマウスボタン操作やThumbPhraseの操作にまで影響を及ぼすのである。
メルコの無線LANカード「WLI-PCM-L11」。出っ張りが大きく,かなり邪魔。ソニーから出ている「PCWA-C150S」のようなカードを用意する必要があるかもしれない
3COMのBluetoothカード「Bluetooth Wireless PC Card(3CRWB6096)」はアンテナが邪魔になる。XJackタイプのモデムなどでも同様の現象が起こりそうだ
屋外利用で考えられるPHSカードも,さきの無線LANよりはマシだが,「スンナリ持てる」とは言いにくい。写真はAirH"カード「CFE-02&CFE-02-ADP」
BluetoothならUSBポートに装着できるモジュールのほうがいいかもしれない。MITSUMIの「WIL-0402C」ならば邪魔になることなく使える
PHSもUSBケーブルを使うという手もあるが,持って使うときは端末を支えてなければならないので邪魔になりやすい
モデムを使うしかないケースも皆無ではないので,モデム非搭載について簡単に「構わない」とは言えないのだが,それでも代替策はあるので我慢できる。
無線LANやBluetoothも本当は標準搭載してほしいところだが,第2世代に期待したい。無線LANやBluetoothを内蔵するとバッテリーの持ちが悪くなるという声もあるが,個々にスイッチでオン/オフできれば問題はない。PCカードスロットに装着する場合も同じようにバッテリーは消費するのだ。
しかし,こうして我慢してPCカードスロットへの増設を行ったにもかかわらず「カードが邪魔になって本体の操作性が悪くなってしまう」という事態を招くのは問題だ。スペースの問題からPCカードスロットはこの位置にしか搭載できなかったのだろうが,使う側にしてみれば「かなり大きな設計ミス」と感じてしまう。
バッテリーを装着しなくてもACアダプタをつなげれば本体の駆動は可能だ。
ACアダプタを使えばバッテリーなしでも動作可能
ポートは背面左端に
モバイル環境で利用するときは,当然バッテリーを使うことになるわけだが,バイオUのバッテリーは本体底面の奥側に装着する。本体の底面積内に収まるように設計された結果,装着すると本体底面の奥側に大きな出っ張りができる形になった。
この出っ張りは少々格好悪くみえるのだが,それによって使用感が悪くなるということはなかった。テーブルに置いて使う際にはキーボードの傾斜になり,持って使うときはグリップ感の強化に,たたんで持ち運ぶときも掴みやすい厚みを持たせることになるからだ。
かなりの角度の傾斜。やや傾斜がキツイと感じる人もいるかもしれないが,その場合は底面手前側に冊子などを挟むという手も
この出っ張りが逆に持ちやすさにつながる
なお,バッテリーは別売りでも用意される。「PCGA-BP1U」という型番で,これはバイオUに付属してくるものと同じものだ。また,バイオUの底面をよく見ると,バッテリーを固定する溝と同じようなものが底面手前のほうにもあり,底面全部に装着できるようなバッテリーの登場も予感させる。ただしこれについては発売の予定や時期も明らかになっていない。
底面に発見できた溝。赤い丸が標準バッテリーの固定に使われる溝なのだが,下(手前)のほうにも同様の溝(青い丸)がある。Lサイズバッテリー登場の予感
バッテリーによる駆動時間は「約2.5〜4時間(JEITAバッテリー動作時間測定法だと約3時間)」が公称値となっている。こうした値はたいてい割り引いて見ておいたほうがいいのだが,バイオUの標準設定(「PowerPanel」を「スタミナ」にする)で「無線LANカードを使いながらインターネットに接続したりテキストを書いたり」という使い方で2時間弱は駆動した。
この「実測で2時間,公称でも最大4時間」という数字からも,バイオUをPDAのように電源から離れっぱなしの状態で使うのは難しいことがわかる。「可搬性は大きめのPDAとは同程度かもしれないが,電源がまったくない状態では使い続けられない。しかし,PDAにはできない,ノートPCと同じことができる」というバイオUの位置づけが徐々に見えてきたのではなかろうか。
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[濱田宏貴,ITmedia]
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