Mobile:NEWS 2002年5月16日 00:02 AM 更新

次世代のキラーアプリケーションは“メール”〜KDDI

KDDIがメインターゲットとするのは、10代〜30代の“携帯電話にお金をかける”層。そのためのアプリケーションとしては、テキストに加え、地図や静止画・動画を盛り込んだ次世代メールを想定する。4月からスタートした第3世代携帯電話CDMA2000 1xは好調で、今後3Gのブランディングにも力を入れていく

 KDDIは5月16日、2002年3月期の決算を発表した。その中では今後のau事業の展開について、「次世代のキラーアプリケーションは、次世代メールや、1対nのコミュニケーション」とうたっている。

1xの成功を誇るKDDI──今後は「3Gのブランディングへ」

 第3世代携帯電話「CDMA2000 1x」(用語)を導入することで、4月のKDDIは好調だった(5月9日の記事参照)。KDDIは資料の中で「1xの導入を機にauの純増シェアが拡大。関東エリアでの純増数ではauがトップ」としている。また第3世代携帯電話では、サービス開始からわずか1カ月で先行していたFOMAを抜き、累積シェア76%を獲得した(5月9日の記事参照)。

 4月の加入者を分析すると、販売台数95万8000台のうち、CDMA2000 1xは35%に当たる33万4000台。1x端末の70%がGPSケータイだったという。


KDDIの4月度加入者分析。1xのうち、GPS機能を搭載したA3000シリーズは70%、普及型のA1000シリーズは30%だった。1xユーザーの年齢構成では、20代が32%と高く、KDDIは「20代ユーザーからの評価が高い」としている

 また次世代のアプリケーションとしては、コミュニケーションを強く打ち出す。“次世代のキラーアプリケーションは次世代メール”という構想のもと、テキストに加えて地図、動画像・静止画像を盛り込んでいく。GPS機能に加え、動画・静止画カメラや高性能液晶を搭載した高機能1x端末を投入し、他社との明確な差別化を図っていく構えだ。

 今後はPDCの早期巻き取りを進めると共に、「3Gブランディング」により3Gトップブランドを確立。既存のPDCユーザーには通信速度の面で、FOMAユーザーには端末価格の面で、乗り換えを促していく戦略を採っていく。

 CDMA2000 1xの次に来るのは、データ専用ネットワークであるCDMA2000 1xEV-DOだ(2001年7月の記事参照)。cdmaOneから第3世代の1xに完全に移行したKDDIは、1xの上のハイエンド向けとして1xとEV-DOのデュアルも検討している(5月10日の記事参照)。

方式北海道東北関東中部北陸関西中国四国九州沖縄
1x172412840747239309
FOMA2187415311-
KDDI資料より。単位は千。第3世代携帯電話の累計稼働台数。エリアが限られるFOMAは関東地区以外では数が少ない。また関東地区でも1xがFOMAを上回った。全体では第3世代携帯の76%が1xに


時期1xEV-DOの状況
2002年5月1日EV-DO推進室設置
2002年5月10日2GHz帯EV-DO申請
2003年春2GHz帯EV-DO試験サービス
2003年秋EV-DO本格サービス、800MHz&2GHz帯検討

若年層=高ARPUをターゲットに

 今後KDDIが目指していく方向性の1つは、“高ARPU”というものだ。ARPU:Average Revenue Per Userとはユーザー当たり月間平均収益の意。ユーザーが1カ月間にどれだけ携帯料金を支払っているかを表している。

 今回公開されたKDDIグループ各社のARPUは、以下の表の通り。NTTドコモの携帯電話ARPUが8480円(2002年度予測は8030円)と比較すると少な目なのが分かる。特に、ドコモのiモードARPUが1540円なのに対して(5月8日の記事参照)、auのデータARPUは890円とふるわない。

キャリア2000年度2001年度2002年度(予測)
au トータル8030円8080円7900円
au 音声7600円7190円6700円
au データ430円890円1200円
ツーカー6270円5790円5740円
DDIポケット5910円5330円4850円
2001年度のauとツーカーのARPUはMMアクセスチャージ化による増分、au:670円、ツーカー:460円を含む

 今後、音声ARPUの減少をデータARPUの増加で補おうと考えているのはどのキャリアも同じだ。auの場合、データARPUを現在の890円から2002年度には1200円まで増加させる方針。

 その手段としてKDDIは、10代〜30代を中心ターゲットとする。KDDIによると、10代〜30代は高ARPUなのが特徴。さらに高度なサービスに対して感応度が高いという。メールなどの高機能化を図るKDDIには最適な組み合わせといえるだろう。


KDDIが推計した世代別の携帯稼働状況。KDDIはARPUが相対的に高い10代〜30代を狙っていく

cdmaOneのARPU10代20代30代40代50代60以上
トータル9612496827967
データ20111467372013
ARPU加重平均値を100とした相対値

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▼ KDDI

[斎藤健二, ITmedia]

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