次世代のキラーアプリケーションは“メール”〜KDDIKDDIがメインターゲットとするのは、10代〜30代の“携帯電話にお金をかける”層。そのためのアプリケーションとしては、テキストに加え、地図や静止画・動画を盛り込んだ次世代メールを想定する。4月からスタートした第3世代携帯電話CDMA2000 1xは好調で、今後3Gのブランディングにも力を入れていく
KDDIは5月16日、2002年3月期の決算を発表した。その中では今後のau事業の展開について、「次世代のキラーアプリケーションは、次世代メールや、1対nのコミュニケーション」とうたっている。
第3世代携帯電話「CDMA2000 1x」(用語)を導入することで、4月のKDDIは好調だった(5月9日の記事参照)。KDDIは資料の中で「1xの導入を機にauの純増シェアが拡大。関東エリアでの純増数ではauがトップ」としている。また第3世代携帯電話では、サービス開始からわずか1カ月で先行していたFOMAを抜き、累積シェア76%を獲得した(5月9日の記事参照)。 4月の加入者を分析すると、販売台数95万8000台のうち、CDMA2000 1xは35%に当たる33万4000台。1x端末の70%がGPSケータイだったという。
KDDIの4月度加入者分析。1xのうち、GPS機能を搭載したA3000シリーズは70%、普及型のA1000シリーズは30%だった。1xユーザーの年齢構成では、20代が32%と高く、KDDIは「20代ユーザーからの評価が高い」としている また次世代のアプリケーションとしては、コミュニケーションを強く打ち出す。“次世代のキラーアプリケーションは次世代メール”という構想のもと、テキストに加えて地図、動画像・静止画像を盛り込んでいく。GPS機能に加え、動画・静止画カメラや高性能液晶を搭載した高機能1x端末を投入し、他社との明確な差別化を図っていく構えだ。 今後はPDCの早期巻き取りを進めると共に、「3Gブランディング」により3Gトップブランドを確立。既存のPDCユーザーには通信速度の面で、FOMAユーザーには端末価格の面で、乗り換えを促していく戦略を採っていく。 CDMA2000 1xの次に来るのは、データ専用ネットワークであるCDMA2000 1xEV-DOだ(2001年7月の記事参照)。cdmaOneから第3世代の1xに完全に移行したKDDIは、1xの上のハイエンド向けとして1xとEV-DOのデュアルも検討している(5月10日の記事参照)。
今後KDDIが目指していく方向性の1つは、“高ARPU”というものだ。ARPU:Average Revenue Per Userとはユーザー当たり月間平均収益の意。ユーザーが1カ月間にどれだけ携帯料金を支払っているかを表している。 今回公開されたKDDIグループ各社のARPUは、以下の表の通り。NTTドコモの携帯電話ARPUが8480円(2002年度予測は8030円)と比較すると少な目なのが分かる。特に、ドコモのiモードARPUが1540円なのに対して(5月8日の記事参照)、auのデータARPUは890円とふるわない。
今後、音声ARPUの減少をデータARPUの増加で補おうと考えているのはどのキャリアも同じだ。auの場合、データARPUを現在の890円から2002年度には1200円まで増加させる方針。 その手段としてKDDIは、10代〜30代を中心ターゲットとする。KDDIによると、10代〜30代は高ARPUなのが特徴。さらに高度なサービスに対して感応度が高いという。メールなどの高機能化を図るKDDIには最適な組み合わせといえるだろう。
KDDIが推計した世代別の携帯稼働状況。KDDIはARPUが相対的に高い10代〜30代を狙っていく
関連記事 GPSケータイが100万台突破 KDDI、第3世代に不安なし。再び2位に──4月事業者別契約者速報 KDDI、2003年4月よりCDMA2000 1xEV‐DOの試験サービスを開始 2002年、携帯電話収入は減少と予測──ドコモ 関連リンク KDDI [斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新スペック搭載ゲームパソコン
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
FEED BACK |