PDA型携帯FOMA「SH2101V」ショートインプレッション(2/2)
インターネット端末としてはブラウジング、Eメールの送受信が可能だ。標準でISPとしてmoperaを利用してのパケット通信、64Kbps通信が設定済みなので、Eメールの設定さえ行えばブラウジングもEメール送受信もすぐに始められる。 ブラウザはフォントサイズが3段階、さらに画面全体を縮小する機能を持っており、画面サイズの割には実用的にホームページをブラウズできる。[CTRL]+[W]、[CTRL]+[F]といったキー操作で縮小のオン/オフ、フォントサイズの変更ができる点も便利だ。処理速度も十分。
EメールはPOP3、STMPプロトコルでの送受信が可能。ただし1つのインターネット接続についてメール設定は1つとなっており、複数のアドレスのメールを送受信したい場合にはインターネット接続設定も複数設定する必要がある。これは少々煩わしい。筆者ならインターネット接続はmoperaだけで構わないが、3つくらいのメールアドレスでメールは送受信したいからだ。
不満点を上げるとすれば検索機能がないことだろう。受信できるメールの通数も多く、メーラーとしても使いやすいだけにもったいない部分だ。 SH2101Vは静止画、動画の撮影機能も持つ。カメラ内蔵端末が増えている現状では“PDA型ならでは……”という機能ではないが、見やすいサムネイルでの一覧表示や静止画にスタイラスで文字を書込めるといった点はPDA型であるメリット。静止画は31万画素で最大640×480ピクセルとスナップ程度になら必要十分な解像度で、動画はASF形式で176×144ピクセルが最大となる。 シリコンオーディオプレイヤーとしても利用できる。MP3/WMA形式に対応し、ワイヤレスヘッドセットはリモコン代わりになる。こちらにヘッドホンが接続できると便利そうだが、実際にはPDA側にしか接続できない。
結局のところFOMAならではの魅力があると同時に、現時点ではFOMAであることが本製品の足を引っ張っているともいえる。少なくとも通信機能内蔵のPDAとしての出来は悪くないので、もう少し柔軟にデュアルネットワークサービスやPHSといった自社のインフラを活用可能にしたほうが、FOMAとしてもより多くの人に利用してもらえるのではないだろうか。 例えばCFスロットを備え「P-in memory」のようなPHS一体型通信カードでのデータ通信も併用できれば、PDAとしての価値は大分違う。またケーブル接続でDoPaでのデータ通信も可能にし、デュアルネットワークサービスを有効に活用できるようにする程度の配慮はしてほしかったと思う。 電池の持ちの悪さ、という問題も残る。待ち受け時間は60時間でしかなく、ある程度通話やインターネット接続などを利用すると、せいぜい2日程度しか充電なしで利用できない。1日に1度は充電するという利用スタイルが前提になるだろう。 この待ち受け時間を考慮するとPDAとしての利用も控えめになってしまいそうだし、動画や静止画を頻繁に撮影するといった使い方にも不安を覚える。サイズ的にもPDA部は身に着けるというよりはカバンに放り込む人が多いだろうから、ラージバッテリという選択肢があってもよいのではないだろうか。 長旅となれば、純正のお世辞にもコンパクトとはいえない充電器を持ち歩くしかない。さらにワイヤレスハンドセットのほうは充電用のコネクタを持たないので(充電器との接点のみ)、今後サードパーティからコンパクトなACアダプタが登場する可能性も薄い。 本製品の店頭価格は10万円を超える。テレビ電話機能をもったFOMA端末+PDAと思えば妥当と思えない価格ではないが、新し物好きでもおいそれと手を出せる価格ではない。例えばPocket PC+α程度の価格になり、なおかつFOMAのサービスエリアが充実すれば本製品の魅力はぐっと増すだろう。 関連記事 ドコモのPDA型FOMA「SH2101V」、新規価格は12万円 FOMA内蔵PDAの謎を解く ドコモ、テレビ電話も可能なPDA型FOMA「SH2101V」発表 アプリックス「JBlend」がドコモ「FOMA SH2101V」に搭載 PDA型FOMA「SH2101V」がWMAを採用 [坪山博貴, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. 前のページ | 2/2 | 最初のページ モバイルショップ
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