プレイステーション並の3Dが携帯に〜エイチアイの新3Dエンジンエイチアイが公開した携帯向け「Mascot Capsule」のバージョン3は、フルソフトウェアながら「プレイステーションレベル」の3D表現を可能とする。まずはアプリケーションプロセッサを中心に実装され、mobidecではデモンストレーションも行われた
ドコモの「504i」シリーズやJ-フォンに3D描画エンジンを提供しているエイチアイの川端一生社長が8月30日、mobidec2002で講演、3Dエンジンの次期バージョンを紹介した。 エイチアイの3Dエンジン「Mascot Capsule」は、当初の“3Dが映る”レベルだったバージョン1から、“リアルタイムでシェーディング”を行うバージョン2へと順調な進化を遂げてきた。 今回登場したバージョン3は、「ソフトウェアだけでプレイステーションレベルの3D表現が可能になる」(川端氏)エンジンだ。既に各種アプリケーションプロセッサや、ズコット・ワイヤレスのJavaプロセッサ「Xpresso」へ移植が完了しており、今後携帯電話を含めたさまざまな端末への実装が予定されている。
「非常にプロセッサが速くなった」(川端氏)のが、バージョン3の表現力が向上した理由。バージョン2まではプロセッサパワーに合わせて表現力を落としていたが、今回一気にプレイステーションレベルまで引き上げた。 バージョン3では空間表現が可能になった。バージョン2までは2Dの背景の上で3Dのキャラクターが動作するものだったが、今回は「奥行き──Z軸を定義し、空間そのものも3Dになった」(同氏)。
バージョン3から、これまで未公開だったローレベルAPIも公開され、ゲームを作成しやすい環境が整った。ポイントスプライト、モーフィングなどが可能になり、「プレイステーションの3Dゲームのサブセットが動作するようになる」という。 「ゲームを本気でやる人は使っていただきたい。プリミティブなものであれば、プログラムで記述して3Dデータを起こすこともできる」(川端氏)。
高性能なアプリケーションプロセッサを中心に移植されたバージョン3だが、ミドルレンジを含めた幅広い携帯電話をターゲットとしていくと川端氏。「カラー液晶を搭載している端末であれば、すべてに3Dを搭載したい」(同氏)。 最近、携帯に向けた3Dチップの開発表明や発表も相次いでいるが、川端氏は「それらのハードウェアの上で動くMascot Capsuleを用意していきたい」と語る。実質的に、携帯3DのスタンダードであるMascot Capsuleとしては、「Mascot Capsule 3Dに対応したコンテンツを用意しておけば、(どんな3Dチップが登場しても)大丈夫と思われるようにしたい」(同氏)と今後の方向性を示した。
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