カタログには載っていない「J-SH09」情報
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![]() | J-SH09に付属するQRコード(2次元バーコード) のサンプル。カメラで認識させると 記号絵文字などを入手できる |
最大10秒の動画が撮影できる「アクションスナップモード」は、ムービー写メールと同じくオフィスノアのNancyコーデックを利用する。動画およびVGAサイズの静止画はメールに添付できないが、近日中にシャープから提供予定のソフトによってPCに転送することが可能。
転送は、市販のケーブルによってJ-SH09とPCを接続し、専用ソフトで行う。Windows用ソフトウェアで、シャープのWebページから無償ダウンロードできるようになる。同社によると、動作確認の取れている接続ケーブルはアイ・オー・データ機器のUSBタイプのケーブル「USB-PDC2」だという。それぞれ機能の概略については8月5日の記事を参照してほしい。
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シャープはお試し版という形で、PCへの転送ソフト「グラフィックスマネージャー」を公開した。同社のWebページからダウンロードできる。
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非パケット対応端末ながら、動画撮影(左、中)、VGAサイズの静止画撮影(右)に対応した。残り何枚撮れるかが表示される(上部のステータス欄。写真では残り61枚)のもうれしい

シャッターチャンスを逃さない連写機能。連写して撮った画像は画面左のように4枚がまとめて表示されるが、個別の画像として保存し直すこともできる
カメラ機能にこだわったJ-SH09だが、撮影した画像の取り扱いはそれほど便利とはいえない。画像のフォルダ分けは可能になったものの、サムネイル表示はサポートされず、検索性は今ひとつ(7月8日の記事参照)。位置情報なども記録されていない。5Mバイトという大容量のメモリを搭載し、静止画の保存件数「最大1000枚」をうたっているだけに、もう少し検索性を考慮してほしかったところだ。

サムネイル表示は行えないが、フォルダ分けや画像サイズの変更、保存形式の変換が行える。画像ファイルを選択すると、右ソフトキーが「添付」になり、メール添付が簡単に行える

絵日記機能。動画なども登録できる。ただし、使い勝手には少々疑問も残る
これは便利だ! スポットライト
アイデア賞もののJ-SH09の機能が、スポットライト。撮影用のライトを“手元を照らせるライト”としても活用しよう、というものだ。ボディを閉じたままでも、側面のボタンのダブルクリックで点灯できる。明るさは、いわゆるペンライト以上で手元、足下、さまざまなところを照らし出せる。
J-SH09には、電波を遮断する「オフラインモード」が搭載されているが、オフラインモード中はこのランプが間欠点灯するのも細かな心配りだ。要するに、ランプが点滅していれば“この携帯は電波を切ってあります”ということが周りから分かるというものだ。オフラインモードなら電車の中や病院でも利用できるはずだが、周りから見るとオンラインかオフラインかが分からないのが欠点だった。J-SH09のような周囲へアピールする機能を、携帯統一の仕様として搭載してきてほしいものだ。
強化されたかな漢字変換機能
試作機に触れた際に「大きく変わっていない」と書いた(8月5日の記事参照)、かな漢字変換機能だが、実機では大きく強化されていた。
一度変換した単語は、次回以降、頭の1文字を入力しただけで変換できる「学習一文字変換機能」に加え(2月1日の記事参照)、「推測頭出し変換機能」「ワンタッチ変換機能」が搭載された。
シャープ製端末は「音訓」の単漢字変換や、カタカナや英字、数字がモードの切り替えなしに入力できる「カナ英数変換」機能も持っているなど、多彩な変換機能を持っているが、さらにバリエーションが加わったことになる。
推測頭出し変換機能は、入力された1文字から時間帯にあった変換候補を表示するもの。例えば「こ」と打って、十字キーの上を押すと、「買い物いこう」「カフェ」「キャンセルします」「急用あり」などの候補が表示される。
ワンタッチ変換機能は、「T9」に似た機能で(8月21日の記事参照)、文字を予測して変換候補を表示するものだ。例えば「かあたあだわわ」と入力して上を押すと、「携帯電話」が候補に表示される。T9ではひらがなを確定してから漢字に変換するが、ワンタッチ変換機能ではいきなり漢字の候補が表示されるのが異なる部分だ。

「たあかあや」と入力して十字キーの上を押すと、この文字の取り得る組み合わせから漢字の候補がずらりと並ぶ。1文字だけ入力して上を押すと、時間予測変換が行われる。「か」を入力して上を押したら、画面右のような候補が表示された。カナ英数変換は、モードを切り替えることなくカタカナや英字、数字を入力する機能。「れさひしや」は、「93638」「ZDNET]などに変換される(画面下)
もっとも、両機能共に新たに搭載されたもので、T9ほどはこなれていない。ワンタッチ変換機能では、単語のあとに付属語「てにおは」が付いた場合、変換がうまくいかない場合が多いし、辞書の登録数もそれほど多くない。特に動詞に弱く、基本的には1単語の名詞を変換する機能だと考えたほうがいい。
また基本的な文字入力に関しては、大文字/小文字変換機能はあるが、入力の逆トグルボタンは搭載されていない。そろそろこちらの機能も盛り込んでほしいところだ。
完成度の高い部分と、さらなる改良が期待される部分
J-SH09のアドレス帳は、500件すべてに電話番号3件、メールアドレス3件を登録できるもの。「パーソナルデータ」というメモ欄も設けられている。アドレス帳から、着信音の鳴り分け(電話/メール)設定や、着信時に表示する画像の登録、メールの振り分け先も設定でき、分かりやすい。

アドレスごとに、着信音の鳴り分けを設定できる。メロディの種類だけでなくバイブやランプも個別に設定可能
メールの振り分けのほうは、登録したアドレスからのメールを振り分けられるのみで、そろそろもう1段階上の改良を期待したい。メールの件名に含まれる文字列による振り分けや、アドレス帳に登録されていないメールアドレスからのメールを振り分ける機能などだ。
メール操作が煩雑なのも課題の1つだろう。新規で作成するのに、「メールボタン」−「ロングメール」−「宛先」−「E-mail」−「1番」−「TO」−「アドレス入力」−「完了」……と、どうもJ-SH09のメール作成は手数が多い。複数人にメールを送ったり、CCでメールを送るのは希なのだから、毎回選択する仕様はやめてほしいし、“返信”をいちいちメニューの中から選ばなくてはならないのも手間だ。
待ち受け画面から着信履歴をボタン1つで表示できないのも辛い。着信履歴やリダイヤルの一覧性の悪さも、気にかかる。
6万5536色の背面液晶やカメラ関係の機能など、豪華なハードウェアに対して、ソフトウェアの機能強化のほうは少々歩みが遅い印象も受ける。特に、ユーザビリティについては練られているとはいえず、そのために携帯操作に慣れている人以外にはお勧めしにくい。筆者の母親は「J-SH07」ユーザーだが、メールメニューを開いたときに出てくるさまざまなメールの種類に戸惑いを隠せないでいる。そろそろ利用頻度に基づいて、メニューの見せ方を工夫してほしいところだ。
全体としてみれば、J-SH09は素晴らしい写メール端末といえるだろう。価格的にも手頃で、カメラ機能は現時点で最高クラス。ユーザーインタフェースで改善の余地はあるものの、豊富な機能を求めるJ-フォンユーザーには最良の選択肢となるだろう。
[九条誠二, ITmedia]
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