Mobile:NEWS 2002年12月13日 03:56 AM 更新

この冬話題のiショット端末、カメラ機能のベストチョイスは?(3/3)


前のページ

基本的な使い勝手をチェック

 実のところ一番大事なのはこの項目。さくっと取り出してさくっと撮ってさくっと送る──それがケータイデジカメの基本である。

 そうした意味ではSH251iSがトップ。理由は簡単だ。カメラ専用のボタンがあってボタン一発でカメラが起動する。閉じたままでもボタンを長押しするとカメラとして使える。この2つが大きい。

 撮ったあとも、画像一覧モードで9個のサムネイルがずらっと並ぶので、目的の画像を選びやすいのである。そこから画像を選んで「iショット送信」をすればいい。このあたりの操作も十字キー中心でさくさくできて分かりやすい。

 カメラモードでメニューを表示させると、その中にカメラ画像表示機能があるのも便利だ。撮った画像をすぐ送るときに役立つ。

 ただ速度は並。画像の記録や再生時の画像展開はあまり速くないのだ。そこが残念な点である。

 次点はN504iS。カメラ起動はメニューからカメラを選択するか、デスクトップにカメラアイコンを貼り付けておいてショートカットで起動するか、側面のボタンを長押しするかで起動できる。どれを使うにしろ、そう手間はかからない。

 画像閲覧も一度に4枚分がサムネイル表示され、吹き出し式でファイル名や撮影画像サイズが表示されるのも、表示がやたら遅いのを除けば悪くない。

 しかしN504iSは、iショットメールを送信するのがややこしい。メール画面から添付画像を指定するのはサブメニューから行えるのでいいのだが、アルバム画面から「この画像をメールしたい」というときの制限がキツいのだ。撮った画像を見るにはメニューの、「カメラ」-「アルバム」、「マルチメディア」-「マイピクチャ」、「ユーザーデータ」-「アルバム」の3つの入り口があるのだが、画像一覧から直接メールを送れるのは「ユーザーデータ」-「アルバム」で閲覧したときだけなのだ。まったくもってナゾの仕様である。わざと意地悪されてるんじゃないかと思ったくらいだ。

 VGAで撮った画像をほかのサイズにリサイズする機能がないのもちょっと困る。例えば、気に入ったものを見つけて、自分用にはあとでPCに吸い上げるから解像度の高いVGAで撮影して、その場で友達にはiショットメールで送りたい──と思ったら2回撮らなきゃいけないのである。それはなにかムダな感じだ。

 SH251iSもVGA撮影モードを備えてはいるが、その画像を画像編集機能で縮小してメール送信できる。そのくらいはあって当然だろう。本来なら、VGA画像をメール送信しようとしたら自動的にiショット用にリサイズして送ってくれるくらいはしてしかるべきところだ。

 P504iSはカメラボタンがないのでメニューからカメラを選ぶ必要がある。そのとき、カメラ機能はメニューの左下斜めの位置にあるので十字キーを↓→と押さねばならないのが少々面倒。

 「P504iS」にはなんとサムネイル表示がない。画像を閲覧するにはファイル名のリストを見て選ぶか、全画面表示をして1枚ずつめくって探さねばならないのが今風じゃない。それでも画像を表示させてしまえば、その状態から直接メールを送ったり、新規メール作成から添付ファイルを選ぶという操作は簡単。少ないステップですむ。

 カメラモードの中に画像閲覧がないので、撮ってすぐ送るときでもいったんメインメニューに戻って「マイピクチャ」表示を呼び出さねばならないが、撮影した直後のプレビュー中にメールボタンを長押しするといきなりメール送信モードになるというショートカットがあるので(P504iSはその手のショートカットが多く、取扱説明書を見てそれを覚えるのが必須かもしれない)、それを使えばさっと送れる。

そのほかの特殊機能を見てみると

 特殊機能といえばSH251iS。マクロ撮影機能とピクチャーライトだ。


SH251iSで撮影。左はマクロモードで撮影、右はピクチャーライトの色の効果を反映させたもの

 マクロは屋外で撮影してみた。近距離でマクロで撮るとかなりきれいに撮影でき、背景もボケる。往々にしてこの手の小さなデジカメはマクロのほうが得意なのだが、SH251iSもその例にもれないわけだ。

 ピクチャーライトの特徴は7色から好きな色を選べること。そこで自分撮りモードにして猫を撮ってみた。色が分かりやすいように明るさを「−2」にしてある。

 N504iSは本体にマクロ撮影は備えていないものの、標準でマクロ撮影用のレンズが付いてくる。磁石でレンズ部にくっつくというユニークなものだ。


N504iSにマクロ撮影用レンズを付けて撮影

 これをつけるとムチャクチャ近くまで寄れる。というか、数センチの距離じゃないとピントが合わないくらい。ちょっと面白い。

 P504iSの特徴はカメラが2つあること。自分撮り用のカメラの方がやや画角が広めで広い範囲が写る。要するにツーショットで撮影した場合に2人の顔が入るようにという暖かい配慮だ。


P504iSで撮影。右は「くっきりモード」で撮影

 もうひとつP504iSには「くっきりモード」という機能がある。マクロ撮影とは明記されていないが、近距離撮影の際にきれいに撮るためのモードなのでマクロモードと思って使ってよさそうだ。たしかに近距離撮影時はこのモードを使った方がいい。

ケータイのカメラも進歩してきたが

 トータルで見るとカメラとして一番よくまとまってるのがSH251iSだ。画質は屋外でも室内でもそこそこきれいに撮影でき、けっこう暗くても問題ない。ピクチャーライトをうまく使えばいろいろと遊べるし、マクロモードへもワンタッチで切り替えられる。さすがシャープ、さすが31万画素CCDというところか。カメラ機能重視ならこれに決まりだ。

 N504iSは惜しい。屋外ではディテールが甘いものの、とてもきれいな発色を見せてくれた。しかし暗いところではノイズが急にわいて出てくる。こういう機種こそピクチャーライトのようなしかけがほしいところ。

 P504iSはカメラが2つあるのはいいけれども、それよりカメラとしての基本性能をもう少しがんばってほしい。発色や色の鮮やかさが1世代前のケータイカメラレベルにとどまっているのだ。残念である。

 あと、SH251iSは、カメラ起動時にメニューから「オートリセット」を選択、オフにすると撮影品質の設定が保存される仕様になっていたが、「N504iS」と「P504iS」は、カメラモードにすると設定が「iショット(S)」の「ノーマル画質」に戻ってしまう。撮影するたびに「iショット(L)」の「ファイン」に設定し直さねばならなかったのだ。これには参った。いやはや。



関連記事
▼ ドコモのカメラ付き「504iS」&「251iS」特集
この冬、ドコモはカメラ付きiモード端末のラインアップを整備する。iアプリ+カメラ付きの「504iS」、普及型の「251iS」が次々と発表、市場に投入される。ドコモがカメラ付きに本腰を入れることで、“ケータイにカメラ”は標準仕様になってきた

▼ iショット3機種のカメラ機能を比較する
出そろったドコモのカメラ内蔵端末「251iシリーズ」。外観こそ似ているが、カメラ周りのソフトウェアはそれぞれ個性的だ。撮影から画像管理方法まで、iショット端末3機種のカメラ機能をチェックする

▼ 携帯電話のカメラはどこまで“使える”か
急速に進歩している携帯電話のカメラ機能。しかし、過渡期ゆえに端末ごとの性能差は意外に大きく、撮影シチュエーションでの得意・不得意も目立つ。カメラ内蔵端末5機種を選んで、携帯はどこまでデジカメに迫れるか、徹底比較してみた

▼ デジカメ化する携帯電話
既に「カメラが付いているだけで売れる」時代は終わった。背面液晶の大型多色化、ライト、接写、バーコード読み取り、OCR、メモリカードの搭載……。と、カメラが引き金になって搭載された機能は数多い。しかし最終的に携帯のカメラがたどり着くのは、“デジカメ化”だ

[荻窪圭, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページ | 3/3 | 最初のページ



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!