Mobile:NEWS 2003年6月12日 08:51 PM 更新

3GPP対応のQuickTimeが目指すのは〜フランク・カサノバ二世に聞く

3GPPに準拠したQuickTimeが登場したことで身近になった、携帯電話の動画環境。どのような協力体制でサポートが進んだのか、QuickTimeは携帯電話に何をもたらすのか──米Appleのフランク・カサノバ二世に聞いた

 QuickTimeが最新バージョンで3GPP規格をサポートした(6月10日の記事参照)。Appleは、なぜ3GPPをサポートしたのか、どのような戦略の元でどんな技術が生まれてくるのか──米AppleのQuickTimeプロダクト・マーケティングディレクター、フランク・カサノバ二世に聞いた。

MPEG-4関連の話などにおいて、やや理解しにくい概念や用語が登場する。これらについては簡単に説明するのは難しいので、別記事で解説する予定だ

ZDNet:NTTドコモが初めてMPEG-4のデモを行ったのは、2002年の2月、ビバリーヒルズで行われた「QuickTime Live」でのことでした。それから今回の発表までずいぶんと時間がかかった理由は。

フランク・カサノバ二世:まったく新しい分野だからだよ。モバイル用のMPEG-4が成り立つためには、たくさんの要素が一緒になって機能しなければならない。AppleはPCでのコンテンツ制作と再生をサポートしなければならないし、携帯電話の側はデバイスでのサポートが必要になる。インフラも整備されなければならないし、パートナーによるコンテンツ制作も必要だろう。これらの1つでも欠けたら意味がなくなってしまう。

 たくさんの企業が一緒になって1つの大きなサポートをしようとしているんだから、いろいろなことが次々に出てくるのは当然だろう? 我々はライセンスも受けなければならない。ドコモは、我々が作ったコンテンツの互換性を確認するために業務を拡張しなければならない。こういったことはすべて時間がかかるが、極端に時間がかかったというわけではない。必要な時間だったんだ。

 逆に、せかされて急いで作ると、問題が出てくることも十分にあり得るんだよ。とにかく、今、動いているんだ。素晴らしいことだろう?

ZDNet:NTTドコモとの間では、どのような協力体制がとられたのですか。

 まず、彼らが端末で必要なサポートのアウトラインを決めて、我々は、彼らのスペックに基づいたソフトウェアを作ったんだ。そしてテストをして、問題が出たら戻ってフィックス、そしてまたテスト……。

 こうして、良い品質になった段階で、ソフトウェアをドコモのコンテンツ制作のネットワークに対して提供した。ここにはたくさんのトップ・プロバイダーがいて、彼らが現存のiモーションコンテンツを全て作っているんだ。

 ドコモとは非常にいい関係を築くことができた。とてもオープンで、隠し事なくプロジェクトを進めることができたよ。

ZDNet:3GPPフォーマットの中でMobile MPEG-4を選択できますが、これは記者発表会でも語られたように、スタンダードではないということなのでしょうか。

 「スーパーセット」ということになる。これは標準規格にドコモが提供したいサービスを付け加えたものだ。

ZDNet:3GPPコンポーネントのダウンロードページにVoice Age(記事参照)の名前がありますが、これはどういった関係なのでしょうか。

 Voice Ageとエリクソンとノキア。この3つがAMRコーデック(用語参照)の主要なパテント保持者だ。中でも、Voice AgeがAMRのライセンスのオーソリティなんだ。だから、彼らと一緒に動いて、配布の権利を得たということだ。これはライセンスを受けているほかの会社と同じ方法だよ。

ZDNet:別の話題について質問させてください。カメラ付きのCLIEで作成した動画ファイルでは「.mqv」という拡張子が使われていますが、あれを「.mov」に変更するとQuickTimeで再生できるようになります。ソニーとの間ではどういった協力がなされているんですか。

 彼らはQuickTimeファイルフォーマットのライセンスを受けている。拡張子は違うけどね。CLIEを買うと、箱に「ブルーQ」のロゴが入っているよ。

ZDNet:QuickTimeはこれからどこに向かうのでしょう。

 今後も、MPEGや3GPPといった「業界標準」に沿って発展していくことになる。独自規格路線を進むことはない。

 しかし標準であるMPEG-4や3GPPの中でも今後、業界の発展に従って、新しいコーデック、フォーマットが登場し、採用されていくことになる。

 QuickTimeがこういった標準に対応することで、今後もコンテンツ制作者をサポートしていきたい。

ZDNet:今後、MPEG-4において、ほかのプロファイル、例えばASP(Advanced Simple Profile)やH.264といったプロファイルやコーデック(用語参照)をサポートする予定はあるのでしょうか。

 我々にとって、H.264のほうが興味深いということだけは言えるね。何といってもクオリティが飛躍的に良くなっているから。H.264については、積極的に調査しているところで、準備ができたら、紹介するということになるだろう。



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▼ AMR【えーえむあーる】
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[姉歯 康, ITmedia]

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