Mobile:NEWS 2003年8月28日 11:55 PM 更新

着メロとJASRACは“運命共同体”

携帯コンテンツの売り上げのうち、約40%を着メロが占める。携帯大国日本の着メロを育んだものの一つは、JASRACが面倒な権利処理が必要ないルールを作ったからだ。

 着メロだけで、著作権料は年間73億円。「着信メロディの躍進と共に、著作権料も増えてきている。まさに運命共同体」──。

 mobidec 2003の講演で、日本音楽著作権協会(JASRAC)の野方英樹課長はこう話し、コンテンツ産業とJASRACが力を合わせて著作権ビジネスを盛り上げていくべきだとアピールした。

 音楽コンテンツに関わる著作権としては、大きく次の三つがある。

  1. 著作権(作詞・作曲者の権利)
  2. 著作隣接権(レコード制作者、実演家の権利)
  3. 著作者人格権(作詞・作曲者の人格的権利)

 着メロの場合、著作権が基本となり「今の使用料規定では1曲5円」(野方氏)。場合により著作者人格権の契約も必要になる。人格権とは「例えば嫌煙家の方の曲をJTが使っては人格権にひっかかる」というものだ。

 「着うた」の場合、「著作隣接権がかかわってきまして著作権だけの処理では終わらない」。いわゆる原盤権というものだ。

 8月22日にドコモが発表したリング・バック・トーンサービス「メロディコール」については(8月22日の記事参照)、端末内に保存できない配信として許諾内容を詰めている最中。「現行の規定からストリーム方式(3.5%)を当てて許諾を出せるのではないかと考えている。別の協議団体とは話を調整中」

一括処理のまだない映像

 この着メロ、着うた、リング・バック・トーンについては、野方氏はある程度ルールもあり、やりやすいだろうと話す。問題は、音楽以外のものと組み合わせた場合だ。

 まず、映像コンテンツでは「関わってくる権利者がすごく多くなる」(野方氏)。作詞・作曲者に加え、レコード制作者や実演家、さらに脚本家から監督……と非常に多く、「一括して処理できる仕組みはまだない」のが現状だ。

 ゲームやコマーシャルなど、映像を伴うものに音楽を組み合わせて使うのも問題が多い。絵と音をシンクロさせることで、使用料が発生するという考え方だ。例えば「人を殺すような場面がある映画では、なかなか音楽が使えない」(野方氏)。

 野方氏は「海外に出た方は、日本はよくできているという印象を持ったと言われる」と話す。着メロひとつとっても、日本の著作権に関するルール作りが市場を盛り上げた。海外コンテンツ市場が注目を浴びているが、「例えば音楽であったら管理団体があるのかないのか。レパートリーはどの程度なのか。チェックしていないかと大きな壁に当たってしまう」。

 JASRACでは著作権の考え方を理解してもらうと共に、コンテンツプロバイダを運命共同体と位置づけて共に著作権ビジネスを盛り上げていく意向だ。



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関連リンク
▼ mobidec 2003

[斎藤健二, ITmedia]

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