Mobile:NEWS 2003年8月29日 07:57 PM 更新

「PS2に近づいた」〜エイチアイ、携帯向け3DエンジンのVer4発表

クオリティは「PS2に近づき、ドリームキャストレベル」。各種ハードウェア3DチップとCPUに対応し、APIも世界標準であるOpenGL-ESやJSR184に準拠する。国内のデファクトを握った3Dエンジンは、海外展開をにらみ多彩な環境へ対応する。

 エイチアイは8月29日、携帯電話向け3Dポリゴンエンジンの最新版「Mascot Capsule Engine/Micro3D Edition Version4」を発表した。表現力はさらに向上し、「PS2に近づいた。ドリームキャスト程度のレベルになっている」(同社社長の川端一生氏)。

 10月末にサンプルの提供を開始し、正式版のリリースは11月末。

 最大のポイントは、さまざまなモバイル環境と国際標準規格への対応だ。各種携帯電話向けハードウェア3Dチップに対応するほか、JSR184、OpenGL-ESなど国際標準の3D APIに準拠する。

 J-フォンやドコモに標準的に採用されたデファクトスタンダードの座を生かし、端末がVer4を搭載すれば、制作側はチップやAPIを意識せずに、コンテンツが制作できる環境を提供する。従来のAPIとの互換性も備えるため、これまでのコンテンツを動作させることもできる。

各種ハードウェア3DチップとAPIを結ぶ抽象化層

 Ver4は、多彩な環境に対応したことが最大の特徴だ。同社は、これまでソフトウェアのレンダリングエンジンを使ってきたが、今回は三菱電機の「Z3D」や三信電気の「GSHARK」、ImaginationTechnologyの「PowerVR」などにも対応。

対応する3Dチップ

 また、ソフトウェアエンジンを利用する場合のCPUも自由度が増した。CPUの必要クロックは150MHz程度と、現在ハイエンド端末が採用しているCPUの1.5倍ほどの速さが必要となるが、来年の段階では適切なクロックだという。

対応するCPU

  • ARM9、ARM10、ARM11をコアとするプロセッサ
  • SH-Mobile
  • TIのOMAP
  • Motorola MX1
  • Intel XScale

 「浮動小数点演算を使わないのが(同社のソフトウェアエンジンの)強みだが、APIには(浮動小数点のサポートも)入っているので、ほかのゲームと同じように作ってもらえる」(川端氏)

 ハードウェアだけでなく、APIも多彩なバリエーションに対応した。従来のVer3 APIをはじめ、Ver4 API、そして国際標準であるOpenGL-ESやJavaの上位APIであるJSR184も利用できる。

 「複数のAPIを何でもOK、という形でサポートする。海外などの状況を見ながら選択してほしい。Ver3 APIで作ってもらえれば、国内は安心して利用できる」


Ver4では、HAL(ハードウェア抽象化層)を備え、3DチップとAPI間の差違を吸収する。APIの中でOpenGL-ESだけは少々ほかのAPIと位置づけが異なり、「ハードを直接叩くのに使う。ネイティブで動くようなCのプログラマが使う」。JSR184のほうはGSM圏での採用が見込まれる

多彩な3D表現をサポート

 ユーザーが目にする3D表現のほうは、「より表現が多彩になった」。例えばVer3では、プレイステーションと同じZソート方式を使っていたが、Ver4ではZバッファ方式を使うことでポリゴンの前後関係が狂うことがなくなっている。


Ver4は既にNokia端末などでデモが動作していた。光源色を変えるデモを見ることができた


奥行き情報の利用法をZバッファ法に変更したことで、前後関係がより正確に描画できるようになる


これまで入っていなかったテクスチャの歪み補正もサポートする


テクスチャのタイリングも可能になる。パターンを繰り替えすことで、メモリを節約しながらブロック塀などを作成できる


フォグが利用できるようになり光源の種類も増える。環境校、平行光源、点光源、スポットライトが利用でき、色も選べるようになる


無段階のアルファブレンディングが可能になる

 Ver4が必要とするROMメモリサイズは、最大で200Kバイト、最小で75Kバイト(レンダラーはハードのみ。APIはVer3 API)。ヒープとしてのRAM使用量はデータ依存だが、ロード領域含めて1Mバイトとしている。

 今後、Ver5への展開については、「2005年夏ころにはOpenGL-ESがバージョン2.5になっていく。このあたりはタイムリーに対応していきたい」(川端氏)。



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関連リンク
▼ エイチアイ

[斎藤健二, ITmedia]

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