大幅増益のKDDI〜CDMAに特化し商品力向上PDCの巻き取りも終わり、CDMA1xに特化した2003年上半期のKDDIは減収ながら、前年同期比3.5倍の大幅な増益。上期の純増シェアトップを取ったことに加え、インセンティブ費用を下げられたことが利益増に結びついた。
KDDIは10月30日、2003年度上期(4-9月期)の決算を発表した。売上高は1兆3865億円(前年同期比0.5%減)だったが、契約者数の伸びが大きかった上、販売奨励金(インセンティブ)額を減らすことに成功し、利益は1482億円(同249.3%増)と大幅に増えた。 携帯電話事業は、上期純増数でドコモを抜き1526万契約に達するする(10月7日の記事参照)など好調で、売り上げを伸ばしたが、固定通信部門は不調だった。ツーカー事業とDDIポケット事業は契約者数の減少から減収となったが、共に利益を出しており、採算性は向上した。
ドコモがインセンティブ費用の増加により減益となったのに対し(10月30日の記事参照)、KDDIはインセンティブ費用を下げて増益と対照的だ。 「コミッション(インセンティブ費用)を下げたということは実売価格が上がっているということ。にもかかわらず(端末が)売れた。サービスや商品に対してユーザーが値頃感を持っているのだろう。コミッションを抑えながらトップシェア、増収にできた」とKDDIの小野寺正社長は話した。 ただし、「PDCを積極的に巻き取ったため、去年は大きく費用がかかった(2月28日の記事参照)。そのせいで(今期が)大きな増収に見えている」とも述べた。 インセンティブ費用は、下期も1台あたり3万7000円という現在の数字を維持していく意向だ。「もう少し下げていきたいが、市場で商品力がどこまで出るかがカギ」(小野寺氏)
10月22日に発表した、定額制データ通信「1x WIN」は下期移行の切り札となる(10月22日の記事参照)。月額4200円の定額プランを用意しており、「(1x WINの)データARPUは4200円に限りなく近づくと想定している」(小野寺氏)。 2GHz帯を利用したEV-DOサービスを10月末から始めるが(10月24日の記事参照)、こちらでもPC利用時の料金定額は考えていない。DDIポケットのAirH"との切り分けをしっかりと行うほか、「800MHz帯が足りなくなるのも近い。800MHzと2GHzのデュアルも考えなくてはいけない」とした。
ソニーとドコモが発表した、携帯内蔵ICチップ(FeliCa)については(10月27日の記事参照)、「完全にオープンなものなので、使ってほしい、という話をもらっている。技術的な検討は進めているが、使われ方を含めて様子を見る必要がある」と慎重な意向を表した。
10月10日からスタートした光ファイバーを使ったマンション向け総合サービス「KDDI光プラス」(10月8日の記事参照)の法人展開については、「小さな法人ならマンションと同じ仕組みで使ってもらえるが、大法人についても検討は進めている。IPセントレックスをどうするかなど、全体像を作らないと使ってもらえない」と話した。
関連記事 EV-DOは4200円定額制〜11月28日全国一斉開始 “ケータイ版ADSL”──。KDDIは高速データ通信サービス「CDMA 1x WIN」を発表。通信方式「EV-DO」を使い、下り最大2.4Mbpsの通信速度を月額4200円の定額で提供する。定額制を生かしたテレビ型のコンテンツ「EZチャンネル」もスタートする。 KDDI、2GHz帯でもEV-DOサービス開始 800MHz帯での音声サービスに続き、2GHz帯でも商用サービスが始まる。PCでのデータ通信専用で、パケット通信料は0.1円/パケット。ただし2004年3月末までは実質使い放題のキャンペーン期間となる。 KDDIが放つFTTH放送サービス、その全貌 KDDIは10月10日から、FTTHとSTBを組み合わせた新サービス「KDDI光プラス」を開始すると発表した。FTTHベースのIP電話、ネット接続、テレビ向け映像配信など、総合通信サービスを提供する。 関連リンク KDDI KDDI ニュースリリース [斎藤健二, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
最新スペック搭載ゲームパソコン
FEED BACK |