Mobile:NEWS 2003年11月14日 04:04 PM 更新

2004年、iモードはマルチメディアからリアル連携へ

マスユーザーが使う携帯のマルチメディア化はそろそろ成熟してきた。2004年は、携帯のリアルな決済との連動を、普通のユーザーが実感できる年になる──。ドコモの夏野氏は、2004年のiモード動向をこのように話した。

 画面のカラー化、アプリケーション対応、カメラ搭載と進んできた携帯電話のマルチメディア化。しかし、その進化は一段落し、2004年からは“リアルとの連動”が進化の中心になるかもしれない。

 NTTドコモのiモード企画部長夏野剛氏が11月14日、パシフィコ横浜で開催された「Embedded Technology 2003」のセミナーでiモードの次なる進化について講演した。

成熟してきた携帯の“マルチメディア化”

 液晶は2.4インチ26万色、カメラは200万画素、アプリ容量は250Kバイトを超えた。果てのないような携帯のマルチメディア化だが、「マスユーザーが使う携帯のマルチメディア化はそろそろ成熟してきた。次は携帯ゲーム機並になるが、これ以上行っても、ついてこられる人は少ないかもしれない」と、夏野氏は話す。

 「503i」の10Kバイトから始まった携帯アプリケーションは、「505i」で250Kバイトに達し、「来年のFOMAでは倍以上」(夏野氏)の容量になろうとしている(9月25日の記事参照)。

 しかし、これ以上の進化はマスユーザーを引っ張るドライバーにはならないかもしれないという考えだ。「もちろんマルチメディア化も手を抜かずにやる」が、次のキラーとなる機能は別にある。

非接触ICチップが、携帯の次の進化を引っ張る

 「2004年は、携帯とリアルな決済との連動が起こってくる。(バリューチェーンの)横方向の進化を普通のユーザーが分かってもらえる年になる」(夏野氏)


 夏野氏が期待しているのは、ソニーと組んで携帯に内蔵する非接触ICチップ──FeliCaだ(10月27日の記事参照)。赤外線や2次元バーコードを使って、これまでもリアルとの連携を進めてきたiモードだが、FeliCaによって流れが加速すると見込む。

 FeliCaが赤外線などより優れる点は、大きく三つある。ひとつは使いやすさ。iアプリを立ち上げて赤外線送信……などと操作が煩雑だったが、FeliCaでは“かざすだけ”で利用できる。

 二つ目は通信のセキュリティが強固なことだ。赤外線を使って携帯を銀行のキャッシュカードにするなどの取り組みを行っているドコモだが、「FeliCaでは通信が暗号化されているので、電子マネーが使える」。

 三つ目は処理速度が速いこと。処理の完了に数十秒かかる赤外線などと違い、1秒以内に終わるため交通機関などでも利用できる。「Suica用の領域も取ってある。スピーディ」

 ドコモはプラットフォームを用意するだけで、FeliCa用にサービスを提供するのは、Edyならビットワレット、SuicaならJR東日本というように各コンテンツプロバイダとなるが、積極的な参入が期待できるだろう。携帯と連携させることで、Eコマース以外にリアルコマースでも売り上げ増につながるからだ。

 夏野氏によると、“携帯でジュースが買える”自販機、Cmodeは既に882台を設置(2002年4月の記事参照)。「1台あたり、15〜25%の売り上げ増になっている。小銭がなくても買えることや、リピータ需要が期待できるためだ」


デバイスメーカーも“コンテンツの動向”を気にする時代に

 今回は「Embedded Technology」(組み込み技術)のセミナーとあって、夏野氏は組み込み技術者に“意識改革”を迫った。

 技術とコンテンツ、そしてユーザー経験がリンクして進化していかなくてはいけない、というのは夏野氏の持論。それを踏まえて、どんな素晴らしい技術を開発しても、それが世に受け入れられなければ意味がないと説く。「市場に受け入れられることが重要。WindowsやTCP/IPを見ても(ライバルだった技術と比べて)技術的にどちらが優れているか、という議論をする人はいない」(夏野氏)

 組み込み技術者にも、携帯電話向けで成功したかったら、「技術がコンテンツにどう影響を与えるのか、全体を考えてほしい」(夏野氏)。

 iモードに採用してほしいなら、技術が優れているかどうかではなく、それによってどんなコンテンツができるのか、そしてそのコンテンツは普通のユーザーに理解して使ってもらえるものなのか、それを考えてほしいと説く。

 具体的な例としては、マンナビを挙げて批評する。普通の人は屋内で位置検索を行うが、現状のマンナビは屋内ではうまく動作しない。そのことを技術者に指摘すると「私なら外に出てから使います」という返答が来るというのだ。

 実際、デバイスメーカーの担当者も「デバイスの善し悪しではなく、それがどんなコンテンツにつながるのか、どう通信量の増大につながるのか、というアイデアを求められる」と話す。

 こと携帯電話については、良いデバイスならば採用される時代は終わった。デバイスメーカーにも、コンテンツの動向に合わせた商品開発が求められるようになってきている。



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[斎藤健二, ITmedia]

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