Mobile:NEWS 2003年11月18日 11:46 PM 更新

Flexスタイル、携帯電話としての使い勝手は〜「P505iS」(3/3)


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使えるボイスレコーダーとようやく登場するPC連携ソフト

 P505iSで追加された新機能の1つがボイスレコーダー。miniSDメモリカードに音声データを保存でき、64MバイトのminiSDメモリカードには長時間モードで8時間以上、標準モードでも4時間以上の録音が可能だ。付属のminiSDメモリカードは16Mバイトなので64Mバイトの場合の4分の1だが、それでも長時間モードなら2時間以上録音できる。

新機能のボイスレコーダー。録音開始後にビューアスタイルにすることも可能。会議などでは、このほうが違和感がなさそうだ

 標準/長時間の2つの録音モードを備え、口述/会議とマイク感度も設定できる。試してみたところ、長時間モードでも会話の録音には十分使える品質だ。録音を開始してからビューアスタイルにしておけるので、通話スタイルのままで使うよりは目立たずにすむ。録音品質にもさほど影響は与えないようだ。


2つの録音モードとマイク感度の設定が可能。マイク感度は口述用が50センチ、会議用が1メートルほどの距離を想定している。インタビューやちょっとした会議程度なら十分使える

 なお音声着信やメール受信があると録音は終了し、そこまでの録音が自動保存される。残念ながらボイスレコーダー利用時に自動で着信拒否するといった機能はないため、録音を優先する場合にはセルフモードに事前に切り替える必要がある。「録音中はセルフモードに切り替わる」といった設定や、ボイスレコーダーの画面からセルフモードのオン/オフができると便利だろう。本格的に使えるだけに惜しい。
セルフモードは[メニュー]-[サポートメニュー]の2ページ目にあり、さっと設定/設定解除できる階層にはない。ボイスレコーダーとして本格的に使うなら、プライベートメニューなどに登録しておこう

 P505iSではスピーカーを利用した再生が可能で、早送りや巻き戻し、任意部分でのファイル分割もできる。最小限の機能だが、携帯電話の付加機能と思えば無理もない。

 もっとも再生はPCでもサポートする。SD VOICE仕様に準拠しているので、Panasonic製のICレコーダやSDマルチカメラと共通の「Voice Studio」が使える(パナセンスにて2800円で販売されている)。これは同じくボイスレコーダー機能を備えたPHS「KX-HV200/50/210」(2002年7月25日の記事参照)用に提供されていた「SD Voice Editor」の最新バージョンだ。

 「Voice Studio」は、任意部分へのインデックス打ち込みや任意部分の繰り返し再生、可変則再生、声だけが聞きやすくなるように特定帯域をカットできるなど高度な機能を利用できる。携帯電話である以上、バッテリー消費量との兼ね合いもあるが、この再生ソフトと組み合わせれば、ボイスレコーダーとしてもかなり本格的に使えるはずだ。


これはKX-HV200/50/210ユーザー向けに無償提供されている「Voice Editor 3」。画面デザインもほぼ同じで、対応コーデックが拡大されたのが異なる部分。ちなみにVoice Editor3でもP505iSの標準モードで録音したものは再生可能できたが、長時間モードはノイズとしてしか再生できなかった

 またPCとの連携という点ではようやく動画もサポートされる。「SD-MovieStage 2.5」が11月28日に提供開始され、P505iSで撮影した動画の再生や編集が可能になる。ほかにも同社のDVDビデオレコーダーやSDマルチカメラで録画された動画をP505iS向けに再変換したり、AVI/WMVフォーマットの動画変換も可能になる。

 ボイスレコーダーや静止画/動画の本格利用では必須となるminiSDメモリカードの扱いは、P505iと変わっていない。差し込むたびに情報更新作業が必要で、これはどうにもうっとうしい。次機種ではぜひ情報更新作業をバックグランドで行うといった改善を望みたい。

新スタイルはデジカメ機能のため。実は基本に忠実な折りたたみケータイ

 ユニークなFlexスタイルに注目が集まりがちなP505iSだが、基本的には従来の折りたたみ型に、デジタルカメラ的な使い勝手が付加されたものだ。そのため使い心地は折りたたみ型とほとんど変わらない。液晶を表に出し、180度スライドさせると通話スタイルになる「SO505i」(6月4日の記事参照)やauの「A5305K」(5月7日の記事参照)とは基本思想が異なる。

 もっともFlexスタイルだけに「もったいない」と思える部分も多い。通話スタイルでのiモードやメール閲覧中、ビューアスタイルにすると待ち受け画面に戻ってしまう仕様なのだが、せっかく角側面にスライドキーがあるのだから、このまま閲覧できるようにしてほしかった。少なくとも側面のキーだけで上下、決定、戻るといった操作は可能なのだから、操作性もさほど悪くならないはず。次機種、おそらくはFOMAでの進化に期待したい。

 とはいえ、P505iSの魅力がFlexスタイルにあることも事実。ヒンジ部分の動きはなめらかで強度面の不安も感じないし、デジカメスタイルは確かに使いやすい。デザインやギミックで購買欲をそそられる人も多いだろうが、実は普通の使い勝手が生きる端末だ。



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[坪山博貴, ITmedia]

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