Mobile:NEWS 2003年11月25日 00:15 AM 更新

2004年のモバイル市場、注目はEコマース

モバイル・コンテンツ・フォーラム総会のパネルディスカッションで、テーマとしてあがったのは「リアルとの連携」「モバイルEコマース」「定額制パケット通信」など。各キャリアや業界関係者はこれらをどう見ているのだろう。

 モバイル・コンテンツ・フォーラム総会記念セミナーのパネルディスカッションは、コーディネーターを努めるケイ・ラボラトリー、真田哲弥社長のユニークな問いかけで始まった。「今後、どのキャリアが伸びると思いますか?」。会場に集まったコンテンツプロバイダがどのキャリアに期待しているかを探ろうという意図だ。

 ボーダフォンは、パネラーが出席していなかったせいか、拍手はまばら。注目なのはドコモとauだ。結果は僅差でauが多くの拍手を集めて勝利。フラット定額制や高速データ通信サービスなどを打ち出しているauに軍配が上がった。


左からコーディネーターのケイ・ラボラトリー、真田哲弥社長。パネラーとして参加したのは(左から)NTTドコモiモードビジネス部の山口善輝コンテンツ担当部長、KDDIソリューション事業本部コンテンツ開発部の竹之内剛氏、大和総研の長谷部潤シニアアナリスト、野村證券企画調査部次長の許斐潤氏

2004年、リアルとの連携が本格化

 真田氏が最初に挙げたのは「非接触ICによってモバイルビジネスはどう変わるのか」というテーマ。NTTドコモが非接触IC(10月27日の記事参照)や赤外線(4月8日の記事参照)、QRコード(6月11日の記事参照)を使ったリアルとの連携を強く謳っているが、こうした流れがモバイルビジネスにどう影響するのかを問うものだ。

 リアルとの連携を推し進める立場であるNTTドコモのiモードビジネス部、山口善輝コンテンツ担当部長は、携帯電話ならではの優位性を出すためには「アプリを基軸に考えたい」と話す。FeliCaはドコモがプラットフォームとして提供するものであって、それを生かすも殺すも企業やサービスプロバイダがどんな機能のアプリを出すかにかかってくるからだ。そうなると「コンテンツプロバイダはこれまでのアプリ開発のノウハウを生かせる」(山口氏)ことになり、現在1200億といわれるコンテンツ市場の「それ以上が見えてくる」という考えだ。

 一方のKDDIも、「すべての外部インタフェースをBREWで(制御する)、ということで進めている」(KDDIソリューション事業本部コンテンツ開発部の竹之内剛氏)という。ただし赤外線など端末へのリアル連携用外部インタフェースを搭載するのは「来年、徐々に」というスタンス。これは「リアルとの連携は(KDDIとして)まだ早い」と考えていることと端末開発コストとの兼ね合いによるものだ。

Eコマースの可能性

 ディスカッションに参加した面々の共通した意見として挙げられたのは、来年の携帯電話市場で大きなトピックになるのが“モバイルEコマース”という点だ。

 大和総研の長谷部氏は、非接触ICがきっかけで企業のモバイル活用が広がり、コンテンツプロバイダに対してサイト構築依頼が増えると予測。またフリーダイヤルのパケット通信版ともいえる、サイト運営側がパケット代を負担するようなケースが入ってくると企業マーケットを中心に出てくると見ている。

 野村證券の許斐氏も、他メディアやリアルとの連動をきっかけに、コマースだけではなくシステム開発一式を含んだ形で市場が成長するのではないかという見方を示した。

 KDDIの竹之内氏は「プレミアムEZ回収代行サービス」(7月3日の記事参照)が伸びているという実績からEコマースの成長に期待する。日用雑貨だけでなく女性向けの洋服が売れており、利用するユーザーも「地方で売っていなくて買えないから──というのではなく、首都圏ユーザーにも利用者が多い」など普通のショッピングとして根づきつつあるという。「携帯電話で決済というのは、ユーザー側の安心感もあり、携帯電話を落とした場合でも支障がない。回収代行ではだめかというと、そういうわけではない」。

 ドコモは非接触ICの導入が、キャリアに頼らない課金回収手段として使える点がサイト運営側のメリットになるという。「ドコモでは一般サイトでの課金回収代行はしていないが、そういうところでもお金を回収しやすくなる。これが流行りだすとビジネススキームもいいほうに変わってくる」。

パケット料金定額制をどう見るか

 「パンドラの箱を開けた」といわれるほど業界へのインパクトが強かったauのパケット定額プラン「EZフラット」(10月22日の記事参照)もディスカッションのテーマに挙がった。

 大和総研の長谷部潤シニアアナリストは、auが定額制導入の目玉コンテンツとして用意する「EZチャンネル」のビジネスモデルについて「パケ代定額で無料のチャンネルもある。定額制にしてどこからお金を得るのか」という疑問を投げかけた。

 竹之内氏は、無料のEZチャンネルについては、プロモーションや通販を取り入れるなどチャンネルの中で別のビジネスを開拓することで収益につなげたい考え。またこれまでのパケ割利用者が、「無料分を使いきってさらにパケットを使う傾向がある」ことから(定額にすることで)コンテンツプロバイダのコンテンツ投入が加速することを期待。「(コンテンツの利用が増えれば)うちは回収の手数料も増える」。

 ドコモは「フラットにするとビジネスモデルが作りにくい。ブロードバンドも儲かっているという話は聞かない」(山口氏)と完全定額制の導入には否定的。フラットに近いプランを考える方向であるというに留めた。

 野村證券企画調査部次長の許斐潤氏は、定額制やパケットの高速化で、コンテンツプロバイダ側のコンテンツ製作コストや開発負担が増えることを危惧する。「それを回収するためには、加入者が増えなければならない。当面は厳しいかもしれない」。



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▼ モバイル・コンテンツ・フォーラム

[後藤祥子, ITmedia]

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