寝てる間にやってくる「EZチャンネル」って面白い?(1/2)「ケータイ版ADSL」といううたい文句で登場したのがauの高速データ通信サービス「CDMA 1x WIN」。対応端末「W11H」でウワサの「EZチャンネル」を体験してみた。正直なところあまり期待していなかったのだが、実際、番組を見てみると……。
テレビCMでもおなじみのブロードバンドケータイ(10月22日の記事参照)。「4200円でパケット通信し放題」という「EZフラット」(10月22日の記事参照)は、私の心に激しく揺さぶりをかけている。 普段はFOMAを使っているが(連載記事参照)、iモードコンテンツやゲームを楽しむたびに画面上部に出るデータ通信中のアイコンを見ては「これってパケット代がかかるんだよなぁ」「今月は結構使ったからそろそろセーブしなくちゃ」などと、ある種の不安を感じながら使っていたからだ。それに、高速通信を生かして作られたという「EZチャンネル」(10月22日の記事参照)もなにやら面白そう。 そうこうしてるうちに、どうしてもEZチャンネルを試したくなり、日立の携帯端末「W11H」を編集部にねだって貸してもらった。 実はEZチャンネルを見たいというのには、少々イジワルな気持ちがあったことも否めない。「いくら定額制と言ったって、それに見合う内容じゃなければ、それがしの料金を払ってまで見たいとは思わないんじゃない?」。大きな期待とちょっとだけイジワルな気持ちとが入り混じる中、ブロードバンドケータイ端末を受け取ったのだった。 EZチャンネルで提供しているコンテンツは現在約20プログラム。「チャンネル」というだけあって、テレビ番組のように配信する曜日が決まっている。一台の端末には最大三つの番組を登録でき、配信日の真夜中から明け方にかけて自動的にコンテンツを配信してくれる。今までの携帯電話のコンテンツのようにアクセスして取りに行くのではなく、勝手にやってくるプッシュ型のサービスというのも、EZチャンネルのウリだ。
登録できる枠は目一杯使おうと番組を3つ登録し、端末を充電器にセットして眠りにつく。もう気分はサンタを待つ子供状態でワクワクだ。朝起きたら真っ先に「もう番組は来てるかな?」とケータイを覗いてみる。しかし! 画面上には「コンテンツの取得に失敗しました」という非情な文字が。ちゃんとアンテナマークが3本立っている場所に置いておいたのに、次の日も同じ結果(そうなった場合、コンテンツは手動で取得することになる)。「朝になっても番組が届いてない、嘘つき!」と憤慨していたが、その後別の部屋に移動させ、床上1メートルほどの場所に置いたところサクッと解決した。 “朝起きたらすぐに見たい!”と、枕元に置いて寝たのが敗因だったのだろうか?──というのは冗談で、たまたま受信時に電波をうまく拾えなかったため、受け取れなかったようだ。ちなみにWINのエリア外でもEZチャンネルは受け取れるので、「まだWINのエリア外だから」という心配は無用だ。
気になる番組の内容だが、映画情報、着うたランキング、クイズなどのオリジナルと、実際放映されているテレビ番組や雑誌のダイジェスト、ニュースの配信など、別のメディア用のコンテンツをEZチャンネル向けに再構成したものがある。 どちらかといえば「楽しむ」方に主眼を置いた趣味やエンタテインメント系のコンテンツが多い。動画やアニメーションと音声を多用した番組が圧倒的に多く、すべての内容を閲覧した場合の番組時間は数分〜十数分といったところ。動画は画面の3分の1程度のサイズに抑えられており、動きはとてもなめらか。音声付きの番組再生中にはボタンを使って音声のボリュームを上げ下げすることも可能だ。なおニュースやコミックは、別途ビューワのダウンロードが必要になる(無料)。 携帯用の番組だけあって、携帯電話で見やすいようにさまざまな工夫がこらされている。例えば映画情報番組「CinemaXpress *BB*」は、オススメの映画を紹介するムービーの下に内容をテロップで表示、耳と目の両方から情報を得られるようになっている。これは画面が小さいデメリットをカバーするためだろう。また、「ニュースチャンネル」(新聞記事を写真とテキストで配信する番組)で使用するビューワ「電子書籍ビューア」は、「しおりをはさむ」「しおりへ移動」「目次へ移動」「文字サイズ」「縦横表示」「行間隔」「ルビ表示の有無」などをメニューから細かく設定でき、とても使いやすい。漫画を配信する「コミックステーション」で使うビューワ「Comic Surfing」も、ボタンを押せばセリフが拡大されるという配慮がなされていた。 登録した番組は、次回配信時に新しいコンテンツへと上書きされる。手もちの番組内容を保存したい場合、著作権保護されていない番組だけが「EZボタン」-「EZチャンネル」-「登録番組一覧」から番組を選択-「サブメニュー」の「データ移動」を選択──という手順で保存できる。
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