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米Cingular、AT&T Wirelessを買収
CingularがAT&T Wireless買収に合意。GSMオペレータ2社がひとつになることで、CDMA方式でサービスするVerizonを抜き、米国第1位の通信オペレータが誕生する見込み。AT&T Wireless筆頭株主のドコモは、米国市場への足がかりを失うことになる。
米国第2位の携帯オペレータCingular Wirelessが2月17日、AT&T Wirelessの買収に合意したと発表した。買収金額は約410億ドル。これにより、Cingularは合計4600万ユーザーをかかえ、Verizon Wirelessを抜き米第1位の携帯オペレータとなる。
AT&T Wirelessの買収については、同社に16%出資し筆頭株主であるNTTドコモや、英Vodafoneなども打診していたと報じられてきた(1月27日の記事参照)。ドコモは、AT&T Wirelessに第3世代携帯電話の技術協力なども行っており、米国市場参入への足がかりとする方針だったが、CingularがAT&T Wirelessを手に入れたことで、対米戦略は一歩後退することになる。
ドコモは、「買収の取引が成立した場合には、ドコモ保有のAT&T Wireless株式が全て現金化されるなど、ドコモとAT&T Wirelessの関係に影響を与えると予想される」としている。
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