ビデオ性能4倍、3D性能40倍~OMAP2はスマートフォンを変える?
新しいOMAP2プロセッサは、ARM9コアに代わりARM11コアを採用。最大6Mピクセルのカメラに対応し、VGA解像度でのフルモーションビデオのエンコード/デコードが行える。最初のチップは今年後半リリース予定。
Texas Instruments(TI)は2月24日、3GSM World Congressで、ビデオ性能を4倍、3D性能を40倍に向上させたOMAPプロセッサの新アーキテクチャ、OMAP 2を発表した。2.5Gおよび3Gの携帯電話で3Dゲーム、4メガピクセルの静止画、動画、TV再生などが可能となる。この新アーキテクチャに対応したOMAP2410とOMAP2420は今年後半リリース予定。
OMAP 2対応プロセッサでは最大6Mピクセルのデジタルカメラに対応、DVD品質のビデオの再生や、インタラクティブゲーム機としての機能を搭載可能だ。さらに、3Dエフェクト付きハイファイ品質の音楽、デジタルTV放送受信、高速無線LAN接続、VGA以上の解像度に対応した液晶駆動といった機能も持つ。
TIが投入するOMAP 2対応デバイスのOMAP2410およびOMAP2420は、ARM11マイクロアーキテクチャを利用したアプリケーションプロセッサで、90ナノメートル技術を使ったTI製品としては二世代目に当たる。OMAP2410の2D/3Dグラフィックアクセラレータは200万ポリゴン/秒の性能を持ち、カメラインタフェースを内蔵、高度なDMAコントローラも搭載している。OMAP2420は、OMAP2410の基本機能に加え、4Mピクセルまでのデジタルカメラ撮影機能、CIFからVGA解像度までのフルモーションビデオをエンコード/デコードできるほか、外部テレビへの出力も可能だ。
この新世代プロセッサは単に高性能なだけではない。OMAP 2のバッテリー持続時間を延ばすためのパワーマネジメント機能を備えるべく、電力管理補助チップのTML92230を開発し、多くの電源管理デバイスを不要とし、コストと基盤スペースを節約できる。
OMAP 2向けの開発環境としては、MPEG-4、MP3、H.263、H.264、WMV、OpenGL ES用のモジュールを用意しており、Symbian OS、Windows Mobile、Linux、Nucleus、Palm OSなどの携帯電話用OSをすべてサポートするという。
OMAP 2対応チップ2製品とTML92230コンパニオンチップは2004年前半にサンプル出荷予定。
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