「A5504T」、Bluetoothの実用性(3/3 ページ)
auの春モデル「A5504T」の目玉機能は、やはりBluetooth。現行ラインアップでは唯一の対応機で、ハンズフリープロファイルへの対応は国内向け携帯電話としては初となる。ケーブルレスでのハンズフリー通話が可能だ。
送信する静止画は端末のサムネイル表示から選択でき、内蔵メモリ/miniSDカードのいずれからも選べる。メガピクセルの静止画も2~3秒で送信でき、一呼吸置いてプリンタが印刷を開始するという感じだ。PIXUS 80iではL版の用紙でちょうどフチなし印刷になり、使ってみるとなかなか便利だ。
フルワイヤレスインターネット接続も実現
次に試したのは、ダイヤルアップネットワークプロファイルによるインターネット接続。ほとんどのBluetooth対応PCやPDAが対応しており、パケット通信によるインターネット接続(PacketOne)が行える。
利用時には、まずA5504TのBluetoothメニューからダイヤルアップ接続を選択し、待ち受け状態にする。そのあと、PCやPDAからBluetooth利用をリクエストしてダイヤルアップネットワーク接続を実行する。
ただし、例外的な使い方もできた。ダイヤルアップの待ち受けに切り換えなくても、ヘッドセット待ち受け状態にしておけば、データ通信が行えるのだ。もちろんヘッドセット接続中は無理だが、この方法ならダイヤルアップ接続もA5504Tを取り出すことなく行える。
しかしヘッドセットと切り換えて使っていると、ダイヤルアップ接続の認証がうまくいかないことがあった。あくまで例外的な使い方なので、こんな使い方もできるという参考程度にとどめてほしい。
PacketOneは料金的に、ヘビーなインターネット利用には向かないが、メールの送受信やテキストベースのインターネット接続であれば便利に使える。最近はPDAのBluetooth対応も進んでおり、メール送受信やテキストベースのブラウザ利用など、手軽なインターネット接続手段を探しているユーザーには魅力的だろう。
予想以上に便利なBluetooth対応
ほかにもBluetooth機能を使えば、ワイヤレスでのアドレス帳転送が可能。アドレス帳はvCard形式で転送され、PCやPDA側のPIMソフトでの取り込みも容易だ。フリガナが含まれない(vCardの仕様)点は少々不便だが、携帯電話に登録した個人情報をPCにも登録する場合には便利に使えそうだ。
A5504TのBluetooth機能は、必要な人には必要、不要な人には不要という両極の機能にとられがちだ。ただし、運転中の携帯電話のハンズフリー利用が義務づけられた(2003年12月の記事参照)ことを考えると、ハンズフリープロファイルをサポートした意味は大きい。車での移動が多い場合、ワイヤーがなく電話機の置き場所も限定されないのは想像以上に快適。積極的に使おうという気にさせてくれる。
難点として挙げられるのは、ヘッドセットと他のBluetooth通信機能の併用だ。A5504Tはヘッドセットの常時待ち受け中でも、待ち受けを一時中断(待ち受け設定は解除されない)してイメージの転送、ダイヤルアップ接続が行えるようになっている。これらの利用を終えると再びヘッドセットの待ち受け状態に戻るが、ヘッドセットとの自動で再接続されず、ヘッドセット側から再度接続要求する必要がある。これは常時ヘッドセットを利用する場合には、少々不便な部分だ。Bluetoothの仕様の問題でA5504Tに罪はないが、自動でヘッドセットが再接続すれば、もっと快適に使えるだろう。
もっとも、KDDIはBluetoothヘッドセットの販売を予定しておらず、ハンズフリープロファイルはほぼ「G-BOOK」専用だ。auからより便利なヘッドセットの登場などは期待しないほうがいい。
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