AAC【えーえーしー】
マルチメディアコンテンツが数々のデジタル圧縮技術によって成り立っているのはご存じの通り。中でも、デジタル音楽配信を支えている圧縮技術の1つが、このAACだ。
AAC(Advanced Audio Coding)は、MPEG-2、およびMPEG-4に採用されている音声圧縮方式。MPEG-1に採用されているMP3とほぼ同じ音質ながら、圧縮効率を1.4倍ほど高めているのが特徴。開発から10年以上が経過したというMP3が2チャンネルであるのに対し、AACでは最大48チャンネルを利用できる。
MPEG-2 AACはISO/IEC 13818-7として標準化されており、日本ではBSデジタル放送の5.1チャンネルサラウンドに用いられている規格として知られている。一方のMPEG-4 AACは、MPEG-2 AACの符号化効率をさらに向上させたもので、帯域の限られるインターネットストリーミングなどに適した規格とされている。
3G携帯の動画向け形式として開発された3GPPと3GPP2は、MPEG-4を基本としたもので音声コーデックにAACとAMRを用いている。ちなみにCDMA2000で利用される3GPP2では、このほかにQCELPも採用されている。
NTTドコモのFOMA F2102V/N2102V以降のiモーションでは、音声コーデックにMPEG-4 AACを採用しているほか、auも1X WINの着うた向けとして利用している。また、アップルコンピュータはQuickTime 6、およびiTunes 4でMPEG-4 AACをサポート。また同社の人気製品である音楽プレーヤー「iPod」にも同技術が使われている。
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