Qualcommチップ最新ロードマップ
au端末を中心に使われているQualcomm製MSMチップの最新ロードマップをまとめる。
クアルコムは同社が発行するニュースレターの7月号で、携帯電話向けMSMチップの最新ロードマップを公開した。
横軸は対応する通信方式、縦軸はCPU性能となる。現在、国内向け端末ではauのJava対応端末が「MSM6050」を採用。BREW2.1に対応した「A5500」シリーズの端末は「MSM6100」を搭載している。
現行の「1X WIN」端末は、このロードマップに載っていない一世代前のチップ「MSM5500」(ARM7コア)を搭載している。今後の投入が予定されている1X WIN+BREW対応端末ではARM9コアを使った「MSM6500」クラスのチップの採用が見込まれる(6月28日の記事参照)。
またW-CDMA向けの「MSM6250」は、三洋電機が3G端末向けに採用したことを発表している(2003年11月17日の記事参照)。
2CPU・ワンチップ~MSM7000シリーズ
最近のハイエンド向けの3G端末は、通信チップとアプリケーションCPUを別に搭載する、いわゆるツインCPU構成が主流になりつつある(1月28日の記事参照)。NEC/パナソニックは、FOMA端末で通信チップ+TIのOMAPプロセッサのツインCPUを基本とした(2002年3月18日の記事参照)。
Qualcommはワンチップソリューションにこだわり、2つのCPUコアを搭載しながらワンチップとした「MSM7000シリーズ」を発表している(2003年5月23日の記事参照)。ARM9コアに加えARM11コア、そしてQualcomm製の「QDSP5」を含む2個のDSP、各種ハードウェア化した動画コーデックやグラフィックスアクセラレターをワンチップに搭載した。
同社はこれを「コンバージェンス・プラットフォーム」と名付け、「個人用デジタル機器と通信端末の融合商品という新しい市場を開拓し、機器メーカーのビジネスチャンスを創造したい」としている。
また無線LAN(IEEE802.11)のベースバンドも内蔵している。“CDMA/W-CDMAを補完するのは802.11a/b/g”というのが同社の考え。「この最強コンビに比べれば、802.16(WiMAX)も802.20(TD-SCDMA)も、いかなるモードのTDDも、すべて中途半端で、競争力に欠ける」(同)
最初のMSM7000チップとなる「MSM7500」は、CDMA2000 1X EV-DO Rev.AとGSM/GPRSに対応。2005年第1四半期にサンプル出荷が予定されている。
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