ニュース

2010年にやってくる? 4Gとは何か(3/3 ページ)

3Gが本格普及に入り、次世代の規格として4Gが話題に上がり始めた。明確な定義は、利用する周波数帯も含め2007年のITU-T会合で決まるが、現時点で想定される“4Gとは何か”をノキア・リサーチセンター・ジャパン所長の話から探っていく。

前のページへ |       

もう1つの4G──ネットワークIP化

 無線通信方式とは別に、4Gのキーワードとして語られるのがネットワークのIP化だ。各社、交換機などコアネットワークの部分を中心にIP化を進めており、パケット通信のコアネットワークについてはIP化がかなり進んでいる。

 その次のステージとして「アプリケーションのレベルもIPになる」と中川氏は見る。インターネットとの親和性がメリットだ。「無線ネットワークは、アプリケーション面で有線ネットワークを追いかけている。自宅やオフィスでやっていることを無線でもやれるといい」(中川氏)。

もう1つの4G──マルチラジオ

 もう1つ、大きな意味で4Gとされるのが複数の無線環境を状況によって切り替えて使う「マルチラジオ」だ。総務省も、4Gの特徴として「ほかのメディアとシームレスに連携できること」を挙げている(2001年7月19日の記事参照)。3GPPも「WiFiと3Gの融合は議論されている」(中川氏)状況であり、まずは無線LANと携帯電話ネットワークの融合が進む可能性が高い。

advertisement

 「4Gは、2G、3G、4G、WiFi、Bluetooth、UWB、WiMAXなど、さまざまな無線方式を融合するような形で進化していくだろう」(中川氏)

 そのための技術的な課題は大きく2つある。

 1つは、複数の無線ネットワークをいかにうまく切り替えていくか。セッションを維持したままネットワークを切り替えられるMobile IP技術はもちろん、最適なネットワークを見つけて切り替えを行う端末側の仕組みも課題の1つだと、中川氏。

 2つ目はソフトウェア無線の実装だ。ソフトウェア無線は、DSPやFPGAなどプログラマブル可能なチップを使って、複数の通信方式を1つのチップで処理しようというもの。ただし「専用チップに比べると消費電力が大きくなる。具体化はまだ先ではないか」と中川氏。逆に「実現するのは基地局のほうが先」だと見る。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.