256Kから512K、1Mbpsも~新生DDIポケットの高速化計画(2/2 ページ)
DDIポケットからウィルコムへ――。DDIポケットは10月14日、新体制および2005年の社名変更を発表すると共に、今後のサービススケジュールを明かした。
いずれのサービスについても、開始時期や料金などの詳細は明かされなかった。ただし料金は「3Gよりは安い」という。
ここまでくると「1Mbpsサービスも提供できるのではないか」(2003年10月8日の記事参照)と感じるが、理論的には実現可能なようだ。
「やり方は2つある。2カ所の基地局から同時にチャネルを取るようにして、チャネル数を16に増やす方法と、1チャネルあたりのビットレートを上げる方法だ」(喜久川氏)
次世代基地局の1チャネルあたりのビットレートは、あくまで“32/64Kbps以上”であって、どれくらいになるかは未定。
新ネットワークの移行スケジュールは、2005年3月から東京都そのほかで基地局を更改・高度化。2006年3月から、政令指定都市で同様の更改・高度化を行う。並行して高度化基地局の新設、エリア拡大も進め、2006年3月までにカバー率を99%に高める。
音声PHSも拡大
音声端末も、今後の展開が明かされた。新生DDIポケットでは、「AirH" PHONE」などのブラウザフォンと「安心だフォン」などの音声特化系端末の、2種類を軸として端末が提供される。
AirH" PHONEでも、データ通信サービス同様に128Kbps化+データ圧縮サービスで“体感1Mbps化”を図るほか、「PC的機能をさらに充実させる」(同社)。一方安心だフォンでは低価格化、万人向けの使い勝手を追求するという。
同社は、3G携帯のようにコンテンツなどの上位レイヤを充実させるというよりは「PHSの強み」にこだわりたい考え。喜久川氏のコメントを聞く限り、それはやはり「定額制」ということになるようだ。
「Opera搭載端末がひさびさにヒットしたが、理論的には3Gでも同様のことはもちろん可能。ただしHTMLコンテンツの表示は、トラフィックがcHTMLの数倍から数十倍かかる。このネットワーク負荷を考えると、定額サービスは難しく、実際に(KDDIのサービスでも)定額になっていない(10月6日の記事参照)」(同氏)
外資系のプレッシャーはあるか?
DDIポケットは従来、3GにフォーカスするKDDIの中にあっては“ノンコア部門”にならざるを得なかった。KDDIの株主比率が下がり、独自路線で発展を目指せるようになったため、今回のように契約者にとっては楽しみな内容を発表できるようになったという。
ただし不安もある。新たに筆頭株主になったCarlyleグループは、外資系の投資会社。欧米流の、成果を求めるドライな経営が要求される側面もある。ボーダフォンのように、外資系企業が日本の通信事業者を買収していまひとつ成果が上がっていない例もある。生え抜き主体の経営陣が、イニシアチブをとって事業を進められるのかが課題だ。
これに対し喜久川氏は、「ボーダフォンとの最大の違いは、Vodafoneが通信事業者であり、日本のボーダフォンが“日本支社”と位置付けられたこと。こちらはそんなことはない(ので戦略上の縛りが少ない)。『カーライルなんとか』という社名になるわけでもない」とコメント。
「売上が伸び、利益が伸びるなら執行陣が尊重される。この、売上を伸ばして利益を伸ばすというのは、企業として当たり前のこと。(株主の)京セラからも同じことを言われるだろう」
事業が順調な限り、思うような事業推進が可能だとの見方を示した。
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