最新のT9ダイレクト搭載~「N901iC」の文字入力を試す:効率よいメール入力を考える(3/3 ページ)
「N901iC」の“T9ダイレクト”には、新たに“T9漢字変換モード”が搭載された。読みへの変換とかな漢字変換が融合され、使い勝手が向上した。
ところで、ワード予測で候補を選ぶには、ニューロポインターを動かすか「↓」を長押しする必要がある。これは短い「↓」がT9での候補選択や、かな入力時の通常変換に割り当てられているためだ。
キーの長押しはいうに及ばず、ニューロポインターもカーソルが動き出すまでにひと呼吸あり、どう転んでも素早い操作は望めない。ここは操作方法を再検討してほしいところだ。
ワード予測をT9と組み合わせて使う場合、もう1つ大きな問題がある。かな入力では文字を入力すればワード予測候補が表示されるが、T9入力では常にT9の候補ウィンドウが表示されているため、「↓」を長押ししない限り前方一致予測の候補は表示されないのだ。
短めに入力して候補一覧を表示させたら、候補がなかった──というのでは予測入力のメリットが失われてしまう。
以上のように、ワード予測はメインで使うにはかなり物足りない。N901iCを使いこなすには、入力方式にT9を選び、ワード予測は次文節予測だけを補助的に使うことになるだろう。
キータッチはやや柔らかめ
N901iCのキーについてひとこと述べておこう。キートップはボディよりわずかに高く、カーブを描いて配置されている。両サイドは中央列よりやや上寄りにあり、左右の幅も下に行くに従ってやや狭まる。
キーの押し心地は柔らかめで、クリック音は小さい。遊びもかなりあり、中心以外を押すと斜めに沈むのが感じとれる。[5]のくぼみや判別用突起が控えめであることも手伝って、全体に指で触って位置がつかみにくいようだ。
上下左右キーはドーナツ状で押しやすく、誤って決定キーを押すことはないだろう。決定キーはニューロポインター兼用であり、かなり固い。
そのほかの入力機能
N901iCはポケベル入力をサポートしているが、そのほかの入力機能はあまり充実しているとはいいがたい。主な特徴をまとめておこう。
- 入力補助機能
T9ではかなの大文字小文字を気にする必要はないが、かな入力モードでかな小文字を入力するには大文字を入力してから大小切替キーを押す必要がある。
逆トグルは用意されているが、左側面のホームキーに割り当てられており、やや操作しづらい。アンドゥ機能は用意されていない。
- 英数カナの入力
英数カナ変換や単漢字変換は用意されていない。通常変換に単漢字候補やカナ候補、数字候補があるのでそれを使うことになる。T9の変換候補に数字列があるので、数字だけはそれなりに入力しやすい。
- 絵文字・記号の入力
絵文字や記号の入力モードはあるが、専用のキーは用意されていない。[メニュー]を押して「絵文字記号連続入力」あるいは「記号入力」「絵文字入力」を選ぶ必要がある。
- ダウンロード辞書
NECの辞書は地名や会社名など固有名詞をよく収録しているほうだが、“みんなNランド”からダウンロード辞書を追加して利用することもできる。ダウンロード辞書はエリア別の方言・スポット辞書をはじめ、時事用語、ビジネス用語、スポーツ辞書など品揃えが豊富だ。特にカタカナ語辞書はT9ユーザにとって必需品といえるだろう。
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