ところで、ワード予測で候補を選ぶには、ニューロポインターを動かすか「↓」を長押しする必要がある。これは短い「↓」がT9での候補選択や、かな入力時の通常変換に割り当てられているためだ。
キーの長押しはいうに及ばず、ニューロポインターもカーソルが動き出すまでにひと呼吸あり、どう転んでも素早い操作は望めない。ここは操作方法を再検討してほしいところだ。
ワード予測をT9と組み合わせて使う場合、もう1つ大きな問題がある。かな入力では文字を入力すればワード予測候補が表示されるが、T9入力では常にT9の候補ウィンドウが表示されているため、「↓」を長押ししない限り前方一致予測の候補は表示されないのだ。
短めに入力して候補一覧を表示させたら、候補がなかった──というのでは予測入力のメリットが失われてしまう。
以上のように、ワード予測はメインで使うにはかなり物足りない。N901iCを使いこなすには、入力方式にT9を選び、ワード予測は次文節予測だけを補助的に使うことになるだろう。
N901iCのキーについてひとこと述べておこう。キートップはボディよりわずかに高く、カーブを描いて配置されている。両サイドは中央列よりやや上寄りにあり、左右の幅も下に行くに従ってやや狭まる。
キーの押し心地は柔らかめで、クリック音は小さい。遊びもかなりあり、中心以外を押すと斜めに沈むのが感じとれる。[5]のくぼみや判別用突起が控えめであることも手伝って、全体に指で触って位置がつかみにくいようだ。
上下左右キーはドーナツ状で押しやすく、誤って決定キーを押すことはないだろう。決定キーはニューロポインター兼用であり、かなり固い。
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