2.8インチ液晶、そしてVGA液晶も製品化へ:CEATEC JAPAN 2005
2.4インチQVGAで踊り場に入った携帯向け液晶だったが、フルブラウザなどのPC的アプリケーションの搭載が進む中、さらなる大型高精細化が始まろうとしている。
CEATEC JAPAN 2005の東芝ブースでは、東芝松下ディスプレイテクノロジー製の携帯向け液晶パネルが展示されている。目をひいていたのは、より大きく高解像度になった液晶パネルだ。
「ワイドQVGA」と銘打たれたこちらのパネルは、2.8インチで240×400ピクセルの解像度を持つ。QVGA(240×320ピクセル)よりも縦方向に80ピクセル大きい。縦横比は15対9程度。説明員によると、「既に納品は始まっており、年末に向けての端末に搭載されるのではないか」という。
東芝松下製ではないが、ワイドQVGA液晶(2.6インチ)はカシオ計算機製の「W21CA」「W31CA」に搭載されており(機種別記事一覧参照)、好評だ。携帯電話は、横幅が最大でも50ミリ前後に制限されるため、縦横比が4対3のパネルの場合2.4インチサイズがほぼ限界となる。サイズを大きくするには、あとは縦に長くするしかない。NECは「N901iS」などで2.5インチ液晶を搭載しているが(機種別記事一覧参照)、こちらも縦に長くなった変型液晶だ。
ただし2.8インチの変形液晶は過渡的な製品かもしれない。「2.8インチは国内メーカーからの問い合わせがほとんど。中上位機に搭載するようだ。一方で、日本海外問わず問い合わせが多いというのは、同社も開発中のVGA解像度のパネルだ。
展示されていたのは、2.4インチのVGA(480×640ピクセル)解像度のTFT液晶パネル。従来のハイエンド携帯で一般的なQVGAに対して4倍の情報量を持ち、高精細度を示すppiは332となっている。ハイエンド向けの端末がターゲットで「半年後くらいには量産に入る」という。ちなみに東芝ブースでは、VGA液晶を積んだ試作端末を展示している(10月4日の記事参照)。
高精細になった分透過率も下がるため、明るさを確保するためにバックライトも増やしている。コントラスト比は300対1を実現した。
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