“ネット機能のない3G携帯”登場、今後の行方は?――韓KTF「LG-KH1200」
韓KTFが、ネット接続機能がなく低価格なHSDPA端末「LG-KH1200」を発売した。この端末を巡ってさまざまな憶測が飛び交っていたが、LG-KH1200の登場はどのように受け止められているのだろうか。
韓国の携帯市場を騒がせていた、KTFのインターネット接続機能のない3G携帯電話(4月3日の記事参照)。その端末がついに発売され、全容が明らかになった。
今回登場した韓LG Electronics製の「LG-KH1200」は、KTFのHSDPA接続サービス「SHOW」の対応端末だが、インターネット接続機能を持たず、WebブラウジングやMMSの送受信などが行えない。とはいっても、テレビ電話やSMSの利用は可能だ。このほかにも多者通話や海外ローミング、音楽再生やBluetoothなどに対応しており、“インターネットができない”こと以外は他の3G携帯と遜色ない機能を備える。
LG-KH1200の販売が実現したのは、韓国情報通信部が「WIPIの搭載義務」を定義したKTFとKTアイコムによる合併認可条件の変更申請を承認したからだ。さらに情報通信部は、「インターネット接続機能がない携帯電話に対しては、WIPIを搭載しなくてもよい」と条件を緩和した。ただし、インターネット機能がある携帯電話については、これまでどおりWIPI搭載が義務化されている。
現在、価格比較サイトにおいてLG-KH1200は、最低価格が1ウォン(約0.13円)、最高でも4万5000ウォン(約5800円)となっている。KTFによる3G端末の補助金額は8万ウォン~30万ウォン(約1万~3万8000円/加入期間などの要件によって異なる)程度なので、実質的に無料で端末が購入できる。そうでなくても、10万ウォン(約1万3000円)を切るLG-KH1200ならば、購入費が負担になるということはほとんどないだろう。
韓国の携帯ユーザーにとっては、たとえインターネット接続ができなくても、低価格の3G携帯というのは大きな魅力のようだ。LG-KH1200はユーザー間で非常に大きな話題となっており、第2弾、第3弾端末が続きそうな勢いだ。ライバルのSK Telecomもこの流れに続くようであれば、3G携帯の低価格化が大きく進むと予想される。
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