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熱伝導性はステンレス以上──NECが高熱伝導性バイオプラスチックを開発
NECが、金属なみの熱伝導性を持つ植物由来のバイオプラスチックを開発。2008年をめどに量産に向けた実用技術を仕上げ、電子機器のボディなどへの利用を進める。
NECは4月9日、金属なみの熱伝導性を持つ植物由来のバイオプラスチックを開発したと発表した。2008年をめどに量産に向けた実用技術を仕上げ、電子機器のボディなどへの利用を進めたい考えだ。
高熱伝導性バイオプラスチックは、薄型化/小型化が進む電子機器の素材として、高い熱伝導性を備えながら成形性に優れ、耐熱性や強度も確保した素材が必要になったことと、環境面への配慮から開発された素材。
トウモロコシなどを原料としたポリ乳酸樹脂に、NECが独自開発した結合剤を添加/混合し、樹脂中の炭素繊維を網目状にすることで高い熱伝導性と平面方向への伝熱性を確保。炭素繊維の10%添加でステンレス程度、約30%の添加でステンレスの2倍の熱拡散性を実現する。また、電子機器のボディに利用する上で必要な強度特性や成形性についても基本実証済みだという。
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素材の成分は、炭素繊維を除く90%以上が植物由来。ポリ乳酸樹脂に有害物質を添加することなく、難燃性や形状記憶性を持たせるなど、環境面にも配慮した素材となっている。
NECは、かねてから植物由来のバイオプラスチック開発に取り組んでおり、2005年には、ケースの樹脂成分の90%が植物成分の携帯電話「N701iECO」を開発した実績がある。
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