行列に並んで「iPhone」を買ってきました:Apple Store San Franciscoの6月29日(3/3 ページ)
米国時間の6月29日、ついにAppleとAT&Tから「iPhone」が発売された。全米が熱狂したiPhone発売までの様子を、Apple Store San Franciscoからリポートする。
行列が150人を超えたと思われるころ、暇を持て余したのか、行列の中の何人かが先頭から人数を集計し始めた。数に正確性はないものの、「現在159人!」といった掛け声が聞こえてくると、行列の長さのだいたいの目安がわかる。
しばらく落ち着いていた行列の伸びは、昼を境に再び活発になり、iPhone販売開始2時間前の午後4時ごろになると、行列はすでにApple Storeがあるブロックの2つ先の交差点を折り返していた。行列はゆうに300メートルを超えており、人数も400人以上に膨れ上がっている。AT&T Storeのほうも、昼過ぎの時点ですでに行列の長さが50人ほどを超えており、各店舗ごとの販売台数を考慮に入れれば、もはや並んでも購入は難しそうな状態だ。まわりには見物客も詰め掛け、いよいよお祭りの終盤が近いことがうかがえる。
午後5時半、開店30分前には、Apple Storeのスタッフが駆け回って「並んでいる皆さんはiPhoneを手に出来ますので安心してください」と次々と行列の人々に声をかけていった。どうやら行列の人数×2台以上のストックが店内にあるようだ。このタイミングで、設置されていたいすやレジャーシートは次々と撤収され、全員が立った状態でApple Storeの前に集まり始めた。カウントダウンがスタートするころには周囲が人だかりで身動きできない状態に。
いよいよ発売──iPhoneの購入は非常にスムーズ
午後6時の少し前、待ち行列と道路の向かいの歩道やビルの窓際に集まった野次馬、普通の通行人や帰宅する人でApple Store前はごった返していた。道路に通行人が大量にあふれて警察のパトカーが出動して警戒にあたる中、いよいよカウントダウンが始まった。
今回は行列の中にいたため、オープン直後の店舗の様子を撮影することはできなかったが、12時間以上の耐久レースを生き抜いてきたこともあり、いろいろな意味で貴重な経験ができた。入り口前に設けられたバリケードを抜けて店舗に入ると、2階や1階の方々からスタッフが祝福する声が聞こえてくる。「長らくお待ちいただいて、ありがとうございます。そして、おめでとう。楽しんでください」というスタッフたちの声援に、思わず嬉しさがこみ上げてくる。携帯1つ買うのにこれだけワクワクしたことは初めてかもしれない。
店舗の内装はiPhone一色になっており、これまでiPodやiPod周辺機器が置かれていたコーナーがiPhone用の特設コーナーに模様変わりしていた。店舗内には大勢のスタッフがiPhone用周辺機器を片手に徘徊しており、店舗内で行列を作っている購入希望者に次々と手渡している。レジでは会計のみのシンプルな作業にするため、このような形で受け渡しているようだ。
おかげで、当初考えていたよりもスムーズに会計は進み、前から70番ほどだったにもかかわらず、販売開始から20分以内には会計を終えて店を出ることができた。レジは通常の4つのカウンターに加え、クレジットカード用のハンディターミナルも駆使して10人単位くらいで一気に処理しているようで、次々と客をさばいていく。会計に時間がかかることを考慮した深夜までの営業だったと思うが、並んでいる人たちの会計は数時間ほど終わりそうな勢いだった。
なお既報の通り(6月28日の記事参照)、iPhoneは購入しただけですぐに使えるわけではない。この後はアクティベーションなど、各種のセットアップを行う必要がある。iPhoneのファーストインプレッションは、別稿にまとめたいと思う。
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