トヨタファイナンス、カード不要のクレジットサービス「おサイフくんQUICPay」 :トヨタファイナンス版「DCMX mini」
トヨタファイナンスは若者をターゲットに、プラスチックカードを発行せず、おサイフケータイのみで利用できるクレジットサービス「おサイフくんQUICPay」を開始する。QUICPay版「DCMX mini」ともいえる内容だ。
トヨタファイナンスは2月14日、おサイフケータイだけで利用でき、プラスチックカードを発行しないクレジットサービス「おサイフくんQUICPay」を発表した。2月18日より取り扱いを開始する。
おサイフくんQUICPayは、同社やジェーシービーなどが推進するクレジットサービス「QUICPay」(参照記事)を、Webや携帯から申し込むとすぐに利用できるというもの。年会費は無料で、1000円利用するごとに5ポイントが付く。
通常、QUICPayを利用するには、対応アプリをインストールしたおサイフケータイまたはQUICPay用カードと、QUICPayに対応したクレジットカードの両方を持っている必要があるが、おサイフくんQUICPayでは、対応アプリをおサイフケータイにインストールすれば、トヨタファイナンスのクレジットカード「TS CUBIC CARD」ユーザーでなくてもQUICPayを利用できる。
おサイフくんQUICPayの利用可能額は月10万円まで。JCBブランドの16桁番号が同時に発行され、公共料金の支払いやネットショッピングにも利用できる。このほか、希望すればETCカードを追加発行することも可能。ただしショッピングのみで、キャッシングやカードローンには使えない。
おサイフくんQUICPayの入会対象者は、20歳以上で、トヨタファイナンスのクレジットカード「TS CUBIC CARD」未加入者。おサイフケータイはau、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルの3キャリアいずれも利用できる。入会申し込みはPC用Webサイトは2月18日から、携帯電話用サイトは4月上旬頃より受け付ける。
トヨタファイナンスでは「ターゲットは若者。初年度獲得目標会員数は50万人」としている。
トヨタファイナンス版「DCMX mini」
おサイフケータイ用決済としては、QUICPayやiDなどクレジットカードにひも付ける形のポストペイ型FeliCa決済よりも、EdyやSuica、nanacoといったプリペイド型電子マネーの普及が先行している。
ポストペイ型FeliCa決済の場合、(1)ユーザーがおサイフケータイに対応アプリをインストールする(またはしてある)必要がある上、(2)対応クレジットカードを持ち、(3)カード会社にサービス利用を申請しなくてはならないというように、利用開始までに必要な作業が多いという課題がある。
ドコモではプラスチックカード(DCMX)を持っていなくても毎月1万円以内であればおサイフケータイのみでiD利用できる「DCMX mini」というサービス(参照記事)をドコモの携帯向けに提供している。「クレジット利用額は携帯電話の通話料と合算で請求」「利用できるのはドコモのおサイフケータイのみ」という違いはあるが、おサイフくんQUICPayとよく似た位置づけのサービスといえる。
JCBでも「お試しQUICPay」(参照記事)という3カ月限定、利用上限1万円のサービスを提供しているが、こちらは対象がJCBカードユーザーに限られている。
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