3ヵ月、1万円限定で即発行――JCB「お試しQUICPay」
JCBはauのおサイフケータイ向けに、“QUICPay版DCMX mini”ともいえるサービスを提供する。最新版のQUICPay設定アプリから申し込むと、1分程度でQUICPayを利用できるようになる。
ジェーシービーは9月7日より、従来提供していたQUICPay用アプリをバージョンアップするとともに、携帯から申し込むとすぐにQUICPayサービスを利用できるようになる「お試しQUICPay」サービスを開始する。お試しQUICPayは、利用期間を3カ月間、利用限度額を1万円に制限する代わりに、JCBカードのユーザーに対して、登録から最短1分でQUICPayを発行、利用できるというもの。
当初はau用だけの提供だが、ドコモ・ボーダフォンにも追って提供したい考え。お試しQUICPayは、最新版のQUICPay設定アプリから利用が可能。最新版のQUICPay設定アプリは、JCBのEZ FeliCa用メニューで9月7日からダウンロードできるようになるほか、8月28日に発表されたauの秋冬モデルのうち、EZ FeliCa対応機種にプリインストールされる。
お試しQUICPayとQUICPayは、ドコモが提供している「DCMX mini」と「DCMX」(4月5日の記事参照)の関係に似ている。ただしDCMX miniではクレジットカードが不要であるのに対し、お試しQUICPayではJCBカードユーザーが対象となる点が異なる。DCMX miniの与信を行うのはドコモだが、お試しQUICPayの与信を行うのはJCBであるためだ。DCMX miniの利用料は携帯電話の利用料と一括して請求されるが、お試しQUICPayの利用料は、JCBカードの利用料とまとめて請求される。
JCBがお試しQUICPayを提供することで目指しているのは、QUICPayを即時利用できるようにすることと、QUICPayモバイル(携帯電話用QUICPayアプリ)に限りオンライン入会手続きを短縮化することにある。現在、JCBカードユーザーがQUICPayを電話やPCサイトで申し込むと、QUICPayを利用し始めるまでに3週間程度かかるが、お試しQUICPayからQUICPayモバイルへの申し込みは、最短3日程度に短縮される。
7月末時点で、QUICPayユーザーは約7万人弱、加盟店数は約1万店。JCBでは、2008年までに500万人の利用者と10万店の加盟店を目指す。
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