5分で分かる先週のモバイル事情:3月15日~3月21日
ドコモがらくらくホンの最新モデルを発表。発表会でドコモは、ソフトバンクの「かんたん携帯 821T」がらくらくホンシリーズに酷似していることを理由に製造・販売等の差し止めを求める仮処分命令の申し立てを行ったことも明らかにした。
ドコモ、らくらくホンの最新モデル「らくらくホン プレミアム」を発表
NTTドコモが、らくらくホンの最新モデル「らくらくホン プレミアム」を発表した。同端末は、ユーザーの“もっといろいろな機能を使いたい”という声に答えたハイエンドモデルで、ワンセグやおサイフケータイ、海外で使える国際ローミング機能を装備。これらの機能を簡単な操作で使えるようにした。
文字入力が苦手な人でもメールによるコミュニケーションを楽しめるよう、音声入力でメールを作成する機能も用意。原デザイン研究所長の原研哉氏が端末のデザインを監修するなど、機能だけでなく見た目や持ったときの質感にもこだわった。
発表会では合わせて、従来モデルのバリューコース対応モデル「らくらくホンIVS」「らくらくホン ベーシックS」も披露された。
らくらくホンシリーズに酷似――ドコモが「かんたん携帯 821T」の製造・販売の差し止め求める
NTTドコモと富士通は、らくらくホンシリーズ新モデル発表会の席上で、東芝が開発し、ソフトバンクモバイルが販売している“かんたん携帯”「821T」の製造、販売等の差し止めを求める仮処分命令の申し立てを東京地方裁判所に行ったことを明らかにした。
ドコモによると、かんたん携帯 821Tのディスプレイ下部に設けられた3つのショートカットキーや十字キーの形などが「らくらくホンが顔として特徴づけているハードウェアに酷似している」ことから、富士通とドコモとで検討の上、ソフトバンクモバイルと東芝に事前に警告を行ったという。しかし、両社からは、(ドコモと富士通が)満足できる回答が得られず、3月8日には821Tが発売されたため、製造、販売等の差し止めを求める仮処分命令の申し立てに踏み切った。
申し立ての根拠についてNTTドコモ 執行役員 プロダクト&サービス本部 プロダクト部長の永田清人氏は、特許権や意匠権など、登録された権利に基づく請求ではなく、「ボタンの並びや十字キーの形など、既存のもの(らくらくホンシリーズ)に類似している製品を出すことに対する申し立て」(永田氏)だと説明。「今回の不正競争防止法でやっているのは、“与えるイメージ”の話。(かんたん携帯 821Tとらくらくホンは)ボタンや色がまったく同じというわけではないが、予備知識を持たない人に端末を見せたときに、“何と判断するか”ということ」(同)とした。
ソフトバンクモバイルは、この申し立てに対し「申立書の内容を見たうえで、メーカーである東芝と協議し反論していきます」とコメントしている。
2007年の携帯販売台数、過去最高を記録
ガートナー ジャパンが、2007年の日本における携帯電話の販売台数が、5230万台に達したと発表した。
カメラ付き携帯電話端末によって買い換え需要が大きく伸張した2003年を上回り、日本の携帯電話産業史上で最も高い数値だという。2007年には音楽再生機能や高画質な大画面ディスプレイ、ワンセグ放送受信機能、高画素カメラによって既存ユーザーの買い換えが促進され、第1四半期から第3四半期にかけて販売台数は対前年同期で2桁の成長率を記録した。
ベンダー別では、シャープが第2位ベンダーのほぼ倍のシェアを確保して、2年連続で首位を獲得。同社はAQUOSのブランド力を背景に、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル向けのすべての市場で、好調な販売を維持している。パナソニック モバイルコミュニケーションズは、第1四半期から第3四半期まで第2位を維持し、2007年通年でも2年連続で第2位となった。第3位は富士通で、年間を通じて急激に市場シェアを伸ばした。
ソフトバンク、ドコモ対抗のパケット定額フル/パケット定額Bizの新規受付を終了
ソフトバンクモバイルが、XシリーズなどスマートフォンでPC向けWebサイトにアクセスできる「PCサイトダイレクト」利用時の「パケットし放題」上限額を値下げすると発表した。2008年4月利用分より、従来の1万290円から9800円へ値下げする。手続きなどは必要なく、パケットし放題に加入している場合は自動的に改定後の料金が適用される。
また、ブループラン専用の「パケット定額フル」と「パケット定額Biz」の申し込みを3月31日に終了すると発表。4月以降にブループランを契約してフルブラウザを定額利用したい場合は、“パケットし放題”を選択することになる。
ソフトバンクモバイル広報はパケット定額フルとパケット定額Bizを終了する理由について「サービスの加入状況などを踏まえ、フルブラウザ向け定額サービスをシンプルな料金体系にするため」としている。
アナログテレビ停波後の周波数帯割り当てをにらんで――MediaFLOのイベント開催
Qualcommが3月19日、同社が開発した携帯電話向け放送プラットフォーム「MediaFLO」の最新動向を発信するイベント「MediaFLO Conference 2008」を開催した。
イベントには、FLO Forumの社長を務めるカミール・グライスキ氏やメディアフロージャパン企画の増田和彦社長、モバイルメディア企画の石原弘取締役らが登場し、MediaFLOを取り巻く業界の動向や、導入に向けた日本での取り組みについて説明した。
会場では関連各社が対応端末などのデモンストレーションを行い、タッチパネルを装備したLG電子の「Voyager」や、PC、スマートフォンに差して利用するUSB対応モデルなどが披露された。
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