KCP+端末に思うこと:Mobile Weekly Top10
KDDIが「KCP+」プラットフォームの“産みの苦しみ”のさなかにいる。コンセプトやアイデアには非常にすばらしいものが詰まっているが、“製品”としての完成度はまだ低い。開発者のみなさんには、ぜひ頑張っていただきたいものだ。
+D Mobile Weekly Access Top10
2008年03月20日~2008年03月26日
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- ソフトバンク、「PCサイトダイレクト」値下げ――ドコモ対抗のパケット定額フル/パケット定額Bizの新規受付は終了へ
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- au初のGSM国際ローミング対応「W62S」、3月21日から順次発売
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- 「モバイルSuica」アプリ、au携帯に標準搭載へ
今週のアクセスランキングは、“昔のケータイの中身が見たい”企画の「D505i」編がトップを獲得した。編集部に死蔵されている端末をリサイクルに出す前に、もう一頑張りしてもらうのが目的で始めたこの企画だが、なかなか読者の関心も高いようだ。
2位にはドコモと富士通がソフトバンクモバイルと東芝の“かんたん携帯”こと「821T」の製造、販売等の差し止めを求める仮処分を申し立てたことに対する神尾氏のコラムが入った。この件は、開発の現場にも波紋を起こしているようだが、円満な解決を望みたいところ。
このほかドコモの新端末「NM705i」や「SH705iII」、auの新端末「W62S」などの情報もランクインした。3月も終盤になり、ドコモの春モデルはほぼ投入を完了。auの春モデルは、KCP+端末以外の機種はほぼ販売を開始しているものの、KCP+端末は「W61T」以外はまだ“近日発売”になっていないという状態だ。ソフトバンクモバイルの春モデルは、「821SC」がやや遅れているようだが、もともと4月下旬以降に発売予定のXシリーズと、ティファニーケータイをのぞいて販売が始まっている。
KCP+端末は、すでに「W56T」「W54S」「W54SA」の販売が始まっているが、これらは販売開始が当初の計画より大幅に遅れたうえ、発売後に4回のソフト更新が行われた。ソフト更新で修正された不具合の中には、“通話ができない場合がある”“テレビ電話が着信できない場合がある”“圏外から圏内に移動するとEZwebに接続できなくなることがある”といった、携帯電話の根幹の機能に関わるような事象も含まれており、トラブルの根の深さを感じさせる。こんな状態では「W61SA」や「Cyber-shotケータイ W61S」の発売を待っている人の中には、はたしてゴールデンウィーク前に入手できるのだろうか……と不安になっている人もいるだろう。
筆者はW54SAを購入して使っているが、やはりEZwebアクセス中に“プチフリーズ”(1分以上操作できず、画面が固まる)状態になったり、au oneメールガジェットでau oneメールの確認ができなかったりと、いろいろトラブルを経験している。今後もまだ何度かケータイアップデートが行われるのだろうな、という気もする。
au oneガジェットやマルチプレイウィンドウなど、新たなコンセプトやアイデアは未来を感じさせてくれる。待受画面から直接Google検索ができる点や、EZwebにアクセスするタスクを複数立ち上げて、MULTIキーで切り替えながら使う、といった“本当の意味でのマルチタスク”が可能な点などは称賛に値する。しかしユーザーは今、KCP+プラットフォームに対して不信感を抱いてしまっている。
新しいプラットフォームを作るのが簡単ではないことは十分理解しているつもりだ。とはいえ、ユーザーが満足できないクオリティの製品を発売してしまうのはいただけない。KDDI、そして端末メーカーの方々には、完成度が高く、快適な使い勝手のKCP+端末を、1日も早く発売できるよう頑張ってほしいものだ。
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