5分で分かる先週のモバイル事情:4月26日~5月9日
ソフトバンクが2008年3月期の決算で、創業以来最大の売上、利益を更新。プラダ ジャパンとドコモは、LG電子製の「PRADA Phone by LG」を発売すると発表した。5月9日にはTCAが2008年4月末の携帯電話・PHSの契約数を発表。ツーカーの終了でKDDIが純減となった。
ソフトバンクの決算、創業以来最大の売上、利益を更新
5月8日、ソフトバンクが2008年3月期の決算を発表。売上高は2兆7761億6800万円で、前年同期比で9.1%増加。営業利益は3242億8700万円で前年同期比19.6%増、経常利益は2586億1400万円で前年同期比68.6%増という大幅な伸びを記録した。
売上高、営業利益、経常利益は、ソフトバンクの創業以来最大を更新する大幅な増加を達成。移動体通信事業が年間を通して好調に推移した点が、業績の向上に貢献した。
決算会見に登壇したソフトバンクの孫正義社長は、中China Mobile、英Vodafoneと設立した携帯向けプラットフォーム開発のための合弁会社「ジョイント・イノベーション・ラボ」のビジョンを説明。新たなプラットフォームの導入により“3社連合でコンテンツやアプリの配信、課金をクロスさせ、携帯のインターネットマシン化を加速する”ことを目指すという。
ここでいうプラットフォームは、auの「KCP+」やソフトバンクモバイルの「POP-i」(Portable Open Platform Initiative)のような端末の機能を定義するプラットフォームにとどまらず、課金やコンテンツ配信、セキュリティ、位置情報の提供など、キャリアが提供するサービスを含む幅広いものを指す。そしてそれは、Windows MobileやSymbian、Linux、Androidといった携帯電話向けのあらゆるOS上にかぶせることができ、プラットフォーム上で稼働する共通のコンテンツを共通のマナーで課金できるようなイメージだ。
新たなプラットフォームを導入する狙いの1つは、“コンテンツの配信規模の拡大と効率化”。各キャリアの契約数は中China Mobileが約3億9000万、英Vodafoneが約2億5000万、(出資比率から算出)ソフトバンクモバイルが約1900万で、合わせると約7億という規模になる。ソフトウェアやコンテンツ、ハードウェアを開発する企業から見れば、ソフトバンクモバイル単独の1900万ユーザーに向けて開発するよりは、7億ユーザーに向けて開発したほうがうまみがあることから、3社連合のプラットフォームを構築することで、効率の良いコンテンツ配信を目指す。
なお、各通信キャリアの2008年3月期決算は、ドコモが減収増益、KDDIが増収増益となっている。
関連キーワード
ソフトバンク | 決算 | ソフトバンクモバイル | ジョイント・イノベーション・ラボ | POP-i | 孫正義
ツーカー終了でKDDIが純減――2008年4月末の携帯電話・PHS契約数
5月9日、電気通信事業者協会(TCA)が5月9日、2008年4月末時点での携帯電話・PHS契約数を発表した。総計は1億758万9900で、ツーカーのサービス終了やウィルコムの純減が影響して25万100件の減少となった。
携帯電話の契約数は、1億298万7200件。各キャリア別では、NTTドコモが9万6000件、auが11万5400、ソフトバンクモバイルが19万2900、イー・モバイルが9万2400の純増。各社とも契約数を伸ばしたが、3月31日をもってサービスを終了したツーカーの契約数、23万4100件がマイナスとなることから、KDDIの合計契約数は11万8700の純減となっている。
関連キーワード
電気通信事業者協会(TCA) | TU-KA | au | イー・モバイル | NTTドコモ | ソフトバンクモバイル | ウィルコム
プラダケータイが日本上陸――6月にドコモから
LG電子は5月8日、ファッションブランド「PRADA」とのコラボレーション端末「PRADA Phone by LG」(LG電子製)を日本市場に投入すると発表した。6月にNTTドコモから、PRADA Phone by LG(L852i)の名称で発売する。
PRADA Phone by LGは、ワイドQVGA(400×240ピクセル)表示の3インチタッチパネルをメインディスプレイとして搭載したHSDPA端末。ボタン状のダイヤルキーは備えず、画面に直接触れて各種機能を操作する。iモードやiモーション(MPEG4/H.263動画の再生)のほか、FOMAハイスピード向けの動画配信サービスのMusic&Videoチャネルに対応。200万画素カメラやミュージックプレーヤー、ドキュメントビューワーも装備するなど、機能面も充実した端末に仕上がった。なお、おサイフケータイやワンセグには非対応となる。
発表会に登場したLG電子ジャパンの代表取締役 リ・ギュホン氏は、PRADA Phone by LGについて「LG電子の最新のテクノロジと世界のファッショントレンドをリードするPRADAのデザインセンスがコラボレートし、ほかのデザインケータイとは一線を画した究極のスタイルアイコンとしての地位を確立している」と説明。LG電子 マーケティング戦略担当バイスプレジデントのチャン・マ氏は、日本版の開発について「日本市場は世界でもっとも洗練された市場の1つで、ユーザーからの要求が高く、常に高品質な端末が求められる。その要求に応えるためには、すでに展開している製品にちょっと手を加えて販売するのではなく、日本のお客さまにふさわしい端末を出す必要があると考えた」と話している。
関連記事
ツーカー終了でKDDIが純減、イー・モバイルは50万契約を突破──4月契約数
電気通信事業者協会(TCA)発表によると、2008年4月末の携帯電話・PHS契約数は総計1億758万9900件。今月はKDDIの契約数から、3月31日でサービスを終了したツーカーの契約数23万4100件がマイナスされるため、KDDIのみ大幅な純減となっている。ソフトバンク、2008年3月期決算を発表──創業以来最大の売上、利益を更新
ソフトバンクは5月8日、2008年3月期の決算を発表した。2007年に買収したソフトバンクモバイルの業績が通期で寄与することもあり、売上高、営業利益、経常利益は創業以来最大を更新し、増収増益となった。日本第3位のキャリアでは終わらない――“海援隊”ソフトバンクモバイルが世界を目指す
ソフトバンクの孫正義社長が、中China Mobile、英Vodafoneと設立した携帯向けプラットフォーム開発のための合弁会社「ジョイント・イノベーション・ラボ」のビジョンを説明。少額課金やセキュリティを実現するプラットフォームを世界7億のユーザーに向けて展開し、世界でトップのモバイルカンパニーを目指すとした。“白いイヌ”に勝てるか――ソフトバンクモバイルのテレビCMに“白いネコ”
ソフトバンクモバイルの新しいテレビCMに、“白いネコ”が登場。6月3日からオンエアされる。日本のユーザーが満足できる端末に──「PRADA Phone by LG」が目指したもの
プラダ ジャパンとLG電子が5月8日、「PRADA Phone by LG(L852i)」の発表会を開催。このモデルの開発にかけた思いや、日本市場に投入するのに約1年の歳月を要した理由などを説明した。LGの「プラダケータイ」日本上陸――ドコモが6月に発売
LG電子は、PRADAとコラボレートしたタッチパネル端末「PRADA Phone by LG」を日本に投入すると発表した。ドコモから6月に、PRADA Phone by LG(L852i)として発売される。動画で見る「PRADA Phone by LG」
“PRADA”の世界観を携帯で表現すると、このような端末ができあがる──。PRADA Phone by LGはどんなデザインか、操作性はどうか。動画で見ていこう。写真で解説する「PRADA Phone by LG」
“プラダケータイ”が日本でも発売。3インチの全面フルタッチスクリーンと洗練されたデザインが特徴の「PRADA Phone by LG」は、その世界観をまったく崩さず、国内携帯ユーザーのニーズをうまく取り入れた、いい意味で“ドコモ仕様”に沿った端末に仕上がっていた。- フェムトセル、9月の規制緩和を待って商用化へ――ソフトバンクモバイルCTOの宮川氏
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.