第3回 独特なフォルムで登場したau初のスライドWIN──「W22H」:昔のケータイの中身が見たい(2/2 ページ)
2004年10月に、au初のスライドケータイとして投入されたのが日立製作所製の「W22H」だ。当時圧倒的なインパクトがあった、丸みを帯びた独特の形状は、中を開けて見たくなる衝動を抑えられない。
注意
- 携帯電話を改造して使用すると、電波法違反となります。
- 本企画で使用した端末は、分解後はリサイクルに出しています。
W22Hのボディは、スライドヒンジを固定するネジを含めかなり多数のネジで止められている。まずはバッテリーカバーの内側にある2本のネジと、裏面のシールで目隠しされたネジ2本を外し、裏側のカバーを外す。ここを止めるネジはトルクスネジ(T-5)。するとバッテリーを装着するための平らなスペースと、miniSDスロットがあらわになる。メイン基板はプラスチックのツメで止まっているだけなので、ツメを少し開いてやると簡単に外れた。さらに下ケースと金属製のヒンジを固定する4本のネジを外すと下ケースと上ケースが分離する。内部のネジは一般的なプラスネジだ。
下ケースを完全に取り外した後、カメラユニットの下とヒンジの下端にある黒いプラスネジを4本外すとディスプレイ面のカバーが外れる。しかしこの状態ではまだスライドヒンジはしっかり固定されている。簡単に見つかった2本のネジを外しても、びくともしない。さて、どこが止まっているのかとあやしそうなところをチェックしていくと、WINロゴの付いた薄いカバーを発見した。これをめくってみると、その下にレールを固定する4本のプラスネジが出てきた
下ケースと4本のネジで、上ケースと6本のネジで固定されていたスライドヒンジ。さすがに動作の要の部分だけあって厳重に固定されていた。スライドアシスト機構は2本のバネで構成。バネは2巻きだ。ある位置まで力を加えて押してやると、あとはバネの力で反対側へと勝手に進んでくれる。
ヒンジを外すと、ヒンジと一緒に固定されていたディスプレイ周りのシャシーが外せ、上ケースの裏側と液晶パネル、基板が分離できるようになる。
最後にメイン基板を見てみよう。裏側は先ほども見えたように、バッテリーを搭載するスペースとなっており、大きなパーツはminiSDのスロットくらいだ。表側はシールドされたQualcommのMSM6500チップセットのRF部分とダイヤルキーのスイッチがある。ダイヤルキー部分を外すと、MSM6500チップセットの心臓部、MSM6500と思しき大きなチップが現れる。
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