ケータイを50インチの大画面で──ドコモの「プロジェクターケータイ」:CEATEC JAPAN 2008
ドコモはCEATEC JAPAN 2008でコンセプトモデル「プロジェクターケータイ」を公開。本体にLEDを光源にしたプロジェクターを内蔵し、壁などに携帯の映像を投影して複数人で共有できるスタイルなどを提案する。
NTTドコモはCEATEC JAPAN 2008で、携帯にプロジェクターを内蔵したコンセプトモデル「プロジェクターケータイ」を公開した。
プロジェクターケータイは、端末の裏面にLEDを光源とするプロジェクター機能を内蔵し、上面に備える直径1センチほどのレンズを通して携帯の画面を壁などに投影できる機能を備える。
主な利用シーンに、別途キーボードなどのインプットデバイスとともに使う“ドキュメント編集”や携帯に保存したプレゼンテーションデータを投影して使う“プレゼンテーション”といったビジネス用途から、多人数で“テレビや映像コンテンツの視聴”、複数人数で“対戦ゲーム”、撮影した“写真や動画の再生”といったことが想定され、非常にリッチになってきている昨今の携帯コンテンツを携帯の小さい画面に限定せず、より幅広い範囲で使用できるように──という考えで開発された。
デモ端末はシャープのSH903iと思われる端末をベースに、本体裏面にプロジェクターを上げ底方式で搭載。上面にレンズがあり、携帯の画面がこのレンズを通して投影される仕組みだ。暗室の中で行われたデモではハーフVGA(320×480ピクセル)のプロジェクター内液晶を通して、約1.5メートル先に約30インチの画面を表示。かなり明るいLEDを光源としているとし、投影距離により最大40~50インチほどまで大きく投影できるという。
商品化までの当面の課題は、バッテリー消費量とより具体的な利用シーンの提案にある。現状、906iシリーズとほぼ同等のバッテリーを用いると想定すると、連続投影時間は30分ほど。これを、せめて2時間の映画を充電なしで投影できるほどになればという。
なお、デモで投影された映像はそれほどきれいとは思えないものだった。このほかプレゼンテーションなどの用途も想定されるが、PCで作成するプレゼンデータは現在、確実にハーフVGA以上の解像度のディスプレイで行われる。ビジネス用途を想定するなら、PC+よくあるビジネス用プロジェクターに近いクオリティで表示できないと、それにとって代われるものにはなりえない。ユーザーニーズの考察はやはり必須といえる。
ただ、コンセプトモックで示す「Cinema Type」や「Game Type」などは“これに特化する”ならばなかなか魅力的なものに見える。50インチとまで言わずとも、2人か3人程度で共有して見えるほどのサイズで投影し、Cinema Typeは外付けスピーカーとともにBluetoothなどを用いたワイヤレスリモコンを、Game TypeはBluetoothなどのワイヤレスコントローラを用いて映像やゲームを楽しめるコンセプトだ。
「P905i/P906i」など、AV-OUT端子経由で映像コンテンツやゲームの画面をテレビなどの外部ディスプレイに出力できる端末があるが、必要なときだけ接続するというスタイルも可能であれば、携帯性を大きく損ねずにすむ。このほか「ベッドで携帯、画面を天井に投影して寝ながら」といった楽しみ方もありそうだ。
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