清く正しく楽しく“笑顔が撮れる”カメラ、顔認識AFやスマイルシャッターも実用レベル──「N906i」:荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(5/5 ページ)
ドコモの906iシリーズは、どれも“ほぼ全部入りのハイエンド”が特徴。中でもNEC製の「N906i」は520万画素+顔認識AF+スマイルシャッターなど、カメラ機能で一歩進んだ機能を盛り込んだ。今回は、N906iの顔認識AFやスマイルシャッターの“実用度”を軸に、そのハイエンドケータイカメラの実力をチェックしていく。
シンプルで使いやすいインタフェース
改めてN906iのカメラ仕様を確認しよう。撮像素子は520万画素のCMOSセンサーで、レンズの明るさはF2.8固定。画角は標準的でさほど広角ではない。
カメラは縦向き/横向きを認識し、横向きで構えると、操作メニューも横向きで表示される。ファインダーは中央にAF枠がある。顔検出機能が働くと(オートモードで自動的に働くのもうれしい)、検出した顔の上に四角い枠が表示される。
画面の下に設定メニュー項目が表示され、撮影モード、画像サイズ、画質、撮影シーン、明るさ(さらにモードによってはホワイトバランスも)といったよく使う撮影設定項目を素早く切り替えられる。ダイヤルキーのショートカットで機能を直接呼び出せるのが便利だ。さらに細かい設定も「機能」メニューから呼び出せる。
また、撮影前に「位置情報付加」を実行すると、写真にGPSによる位置情報も自動的に付加してくれる。1回この操作を行うと、フォトモードを終了するまで有効となる。
ディスプレイを裏返して横向きで構える“デジカメスタイル”にすると、[プッシュトーク]キーがメニューボタンとなり、縦向きスタイル時とほぼ同様にメニューの詳細操作が行える。ちなみに標準で“デジカメスタイル”にするとワンセグが起動するが、設定で「フォトモード起動」に変更できる。
デジカメスタイル時は本体右側面のカメラキーで撮影するが、半押しによるAFロックはない。AFロックする場合はディスプレイの側面にある[AFロック]キーで操作する。
ちなみに、先ほどの人物作例にはGPSによる位置情報(ジオタグ)を付加した。ジオタグ対応の画像ビューワソフトなどで、撮影した場所もしっかり管理できる。
最大サイズ(5M/FINE)撮影時は、手ブレ補正有効時でシャッターを切ってから保存可能になるまでが約4秒、手ブレ補正がオフだと3秒ほど。さらに保存に8秒ほどかかる。これはもうすこし速くなってくれるとうれしい。
サクサクと撮りたい場合は画像サイズを2Mほどにし、画質を1段階落とすと少し幸せになるかな。無理に毎回、最大サイズの5Mモードで撮る必要はなく、画質かサクサク感かをシーンによって使い分けるとよいだろう。ちなみに5Mモード/FINEで撮った写真は1枚1Mバイト以上のサイズになる。
続いて再生機能もチェックする。
写真をサムネイル表示すると、下にメールなどのアイコンが表示される。GPS位置情報を付加した写真はここに赤い旗のアイコンも付く。N906iのGPS位置情報機能が便利なのは、再生時に位置情報から撮影場所の地図も表示できるところだ。どこで撮ったかを本体だけで地図で気軽に簡単にチェックできる。
一方、残念なのはサムネイル表示のUIが横向き表示に対応していないこと。このほか、microSDからの読み込みをもう少し速くしてほしいと思った。
清く正しく高性能なカメラ
というわけで、N906iのカメラは清く正しく楽しく高性能だった。何しろ520万画素で、縦向き/横向き判別もサポートし、顔検出AFやスマイルシャッターも実用レベルだったのである。
さらに写りはかなりよい。これ以上画質を上げるとなると、どうしても光学系のクオリティを上げる必要がある(つまり、5Mの絵をきちんと出せるレンズではない気がする、ということ)。そうするとレンズが大きく重くなり、コストやサイズにも大きく影響が出る。というか、ケータイカメラもこう考えなければならない域にまで達した。
カメラ性能を重視したい人やケータイでよく写真を撮る人、特に“笑顔”をびしっと撮りたい場合にいいケータイである。
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