障がい児の学習支援を目指した携帯電話の活用事例集を発行
東京大学 先端科学技術研究センターとソフトバンクモバイルは、6月から進めてきた共同プロジェクトの成果をまとめ、障がい児の学習支援を目指した携帯電話の活用事例集を作成した。
東京大学 先端科学技術研究センターの中邑賢龍教授らの研究グループとソフトバンクモバイルは、2009年6月から進めてきた「あきちゃんの魔法のポケットプロジェクト」の成果をまとめ、携帯電話の活用事例集「障がいのある子どもたちのための携帯電話を利用した学習支援マニュアル~あきちゃんの99の魔法のポケット~」を作成した。
このプロジェクトは、障がいのある子どもの自立を支援する研究や啓発活動を行う、東京大学先端科学技術研究センターとソフトバンクモバイルの共同プロジェクト。携帯電話を活用することで、障がいのある子どもたちの生活上での困難を軽減し、社会の多様な場面に今まで以上に参加できるようになることを目指している。
プロジェクトの成果としてまとめられた学習支援マニュアルには、発達障がい、知的障がい、聴覚障がいなどの障がいごとに、携帯電話の活用事例がまとめられている。携帯電話の機能とそれぞれの活用方法を分かりやすくまとめたマトリックス形式の一覧表も掲載している。
このマニュアルはセミナーやワークショップといった啓発活動の実施の際に配布するほか、「障がいのある子どもたちのための携帯電話を利用した学習支援マニュアルの公開について」のサイトからPDF形式のファイルをダウンロードできる。
今後両者は、啓発活動を通して、障がいのある子どもたちの親や教育関係者、社会福祉士を目指す学生などを対象に、携帯電話の活用事例を紹介していく予定。また、障がいのある子どもたちの学習環境の改善にとって、携帯電話は有効なツールであることが確認されたとし、携帯電話の学校への持込みに関して、障がいのある子どもたちについては、この有効性を踏まえた対応が望ましいと提言している。
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