iPhoneユーザーだけの特典も――ドコモ新料金プランの診断を受けてみた(1/2 ページ)
事前予約が、受け付け開始から10日間で120万件を突破したというドコモの新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」。通話をする人には明確なメリットが見込める一方、パケット通信メインの利用者には恩恵が少なそうな印象もあるが、実際のところどうなのか。ドコモショップで診断を受けてみた。
今夏、NTTドコモが本気の“反転攻勢”に出た。その最大の武器は、6月1日からスタートする新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」である。
既報のとおり、ドコモの新料金プランは、国内キャリア初となる時間制限・相手先制限なし(※海外発着信/特番通話などは対象外)の完全音声定額サービス「カケホーダイ」と、家族間でパケット通信料を分け合える「パケあえる」を軸にし、そこに長期利用者や若年層を優遇する各種オプション割引を組み合わせたもの。利用料金の基本となる考え方を“個人単位”から“世帯単位”にし、積極的な長期利用者優遇の姿勢を打ち出した。
この姿勢は、多くのドコモユーザーに支持されている。
5月26日、ドコモは新料金プランの事前予約件数が25日時点で約120万件を突破したと発表。予約開始からわずか10日間での達成であり、「事前予約の伸びは想定以上。社内でも強い手応えを感じている」(ドコモ広報部)という。このペースでいけば、6月1日のサービス開始までに事前予約だけで150万件突破という、料金サービス分野ではまれに見る成功になりそうだ。
しかし、その一方で、ドコモの新料金プランは従来の料金体系から大きく考え方が変わったため、「ほんとうにお得になるのか」いまひとつピンとこない人もいるだろう。ドコモでは特設サイトやドコモショップの料金相談窓口で、新料金プランに移行した場合のシミュレーションを行っている。
そこで今回は、筆者が実際にドコモショップを訪れて、料金シミュレーションのサービスを体験。実際に新料金プランで月々の支払いがどう変わるのか、店頭でのコンサルティングを受けてきた。そのリポートをもとに、ドコモ新料金プランのお得度について考えてみたい。
過去の利用実績をもとに料金診断を実施
まず最初に白状したい。筆者はドコモ契約歴10年を超えるような、優良な長期契約者ではない。2008年の「iPhone 3G」発売とともに、家族全員でドコモからソフトバンクモバイルにMNPで移り、その後、iPhoneの取り扱いを開始したauにMNPした。そして2013年9月、ドコモが「iPhone 5s」の取り扱い開始したことで、5年ぶりに家族全員でドコモに戻ってきた。この空白期間、2台目利用としてAndroidスマートフォンをドコモで新規契約して所有していたが、いずれにせよ契約期間5年を超えるドコモ回線はない。新料金プランの基本的な考え方は「長期契約優遇」。と考えると、筆者の利用状況で“本当に安くなるのか”は、取材前の懸念点だった。
ドコモショップでの新料金プラン診断は、ドコモの顧客管理システムALADIN(アラジン/ALl Around DOCOMO INformation systems)で行われる。ドコモショップのカウンターで一通り新料金プランの説明を受けた後に、スタッフに家族契約の主回線番号を伝えて、専用端末からネットワーク暗証番号を入力。すると、ショップスタッフの使うALADIN端末に過去の利用実績や新料金プランに移行した場合のシミュレーション結果が表示されるという仕組みだ。
「家族全員分でもパケットパック10で収まりますね。これなら安くなりますよ」
今回、診断を担当してくれたドコモショップ神田店の小島美乃里さんはそう言いながら端末のキーボードを叩き、料金プラン診断結果をプリントアウトした。これは過去3カ月分の家族の請求額実績と使用したパケット量をもとに、最適な新料金プランのコースと、それによって月々の支払額がいくらになるのか、また従来プランとの差額でいくらの「お得額」になるのかをまとめたものだ。あくまで過去実績によるものだが、この診断結果書はかなり分かりやすく、“月々おおよそいくらくらい安くなるのか”が把握できる。
この利用診断書は5分もかからず出てくる上に、新料金プランでどうすればいいかは一目瞭然。その後、細かなオプション割引をチェックシートで確認するなどの作業があるのだが、診断そのものの所要時間は30分もかからないだろう。新料金プランのシミュレーションツール類はかなり整っている印象だ。
「パケあえる」活用のカギは、積極的なWi-Fi利用
新料金プランのシミュレーション結果はどうだったのか。
筆者のケースだと、家族で使っているのはiPhoneが3台にAndroidスマートフォンが2台。iPhoneは家族がそれぞれメイン端末として使っており、Androidスマートフォンもさまざまなアプリ/サービスをテストする必要があるため、すべてXiパケホーダイフラットに加入している。なお、端末はすべて割賦払いではなく一括払いで購入。月々サポートが毎月の利用料金から引かれているが、それでも通話利用が多いこともあって、月々の支払額は総額で3~5万円程度である。
このような契約内容だったが、新料金プランのシミュレーションでまず指摘されたのが、「実際のパケット利用量はそれほど多くありません」(上田さん)ということだった。
筆者は「dビデオ」や「dアニメ」、「dヒッツ」といったコンテンツサービスを積極的に使用しているし、妻もiPhoneのヘビーユーザー。子どものiPhoneは年齢によるコンテンツ利用制限をかけているとはいえ、Youtubeなど動画利用は禁止していない。かなり積極的にスマートフォンを使っているのでずいぶんとパケット利用量がかさんでいそうだが、家族全体の総利用量は毎月7Gバイト以下に収まっていた。
なぜ、思いのほかパケット通信の利用量が少ないのか。
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