デザイン良のスマートウォッチ、ASUS ZenWatchレビュー:SIM通
ZenFone 5で格安スマホ界隈を賑わせているASUSのスマートウォッチ「ASUS ZenWatch」。その使い勝手を検証しました。
今年3月、スマートウォッチを始めとするウェアラブルデバイス向けのOS、『Android Wear』がGoogleからリリースされました。それ以前もPebbleやGalaxy Gearなどのスマートウォッチが存在していましたが、Android Wearによりプラットフォームが共通化されたことにより、多くのメーカーがスマートウォッチに参入するようになりました。
21日に発売された「ASUS ZenWatch(WI500Q)」をZenFone 5で格安スマホ界隈を賑わせているASUSさんよりお借りしたので、試してみました。
デザイン
無骨なデザインの多かったスマートウォッチですが、最近のモデルはデザイン性にも力を入れています。ZenWatchもその例に漏れません。本体部分はシルバーとゴールドのツートンカラー、本革製のベルトはブラウンで、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。ベルトは一般的な22mm幅のものと交換可能。時計の盤面は18種類ものパターンが用意されており、中にはスマホのアプリ経由で色をカスタマイズできるものもあります。
本体は若干縦長で、縦51mmx 横39.9mm。画面はほんの少し湾曲しており、厚さは最薄部7.6mm、最厚部で9.4mmとなっています。この湾曲のおかげで高級感がアップしていると思います。重さは本体が50g、ベルトが25g。100gを超える腕時計も普通にありますので、75gは特に重くは感じませんでした。
スペック
主な仕様は以下の通り。
CPU | Qualcomm Snapdragon 400 1.2GHz |
---|---|
OS | Android Wear (version 4.4W2) |
RAM | 512MB |
ストレージ | 4GB |
ディスプレイ | AMOLED 1.63インチ |
解像度 | 320 x 320 (278 ppi) |
センサー | 9軸モーションセンサー/心拍計/電子コンパス |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 |
音声入力 | マイクロフォン内蔵 |
バッテリー容量 | 1.4Wh |
防塵防滴 | IP55準拠 |
Samsung Gear LiveやモトローラのMoto 360、LGのG Watch Rなどと大差ありません。コストを考えると、現時点では差別化しにくい部分なのだと思われます。
デフォルトでは「常時画面オン」の状態ですので、スリープに入ると画面が消えるスマートフォンとは異なり、スリープ時であっても時刻が表示されています。バッテリー持続時間は使い方と画面の輝度設定(環境光センサーはないので自動調節はない)によりますが、筆者のケース(輝度設定5段階中3)では1日使っても十分に余裕がありました。
充電はUSBケーブル経由ですが、本体にUSB端子はなく、同梱のクレードルを介します。
クレードルの側面に一般的なマイクロUSBの口があるので、USBケーブルを差し込み、ZenWatchをクレードルにセットします。クレードルにはめるのは少しだけ力が要りますが、不意に外れて朝起きたらバッテリーがない、という状況を招くよりは良さそうです。
機能面
実は現在発売されているAndroid Wear対応スマートウォッチは、機能的な差はあまりありません。搭載しているセンサーの数(心拍計、GPSの有無など)などの差はありますが、デザイン以外で差別化しにくいのが現状です。
Android Wearと聞いてもまだピンとこない方が多いと思いますので、ここではAndroid Wearに共通の機能を挙げてみたいと思います。
- スマートフォンを親機とし、親機から送信された通知を表示する
- 受信した通知に対し、ある程度のアクションを起こすことができる
- 詳細を表示する(メールの全文表示など)
- 返信する(主に音声で入力)
- アプリに固有のコマンドを実行する(Facebookの「いいね」など)
- 親機側で対応するアプリを起動する など
- スマートウォッチにインストールされているアプリを実行する
- コンパス
- 心拍計
- タイマー など
- 音声コマンドで検索や操作を実行する
- Google検索
- メモやリマインダーの作成
- メールの作成、送信 など
- スマートフォンと連動したアプリの操作
- ナビゲーション
- 音楽プレイヤーのコントロール
- スマホ本体のカメラを操作(スマートウォッチの画面がファインダーになる) など
多くの機能は、親機とBluetoothで繋がっていないと利用できません。音声認識もスマホ経由で処理されます。
親機から受信した情報はカードのように表示され、上下のスワイプで各情報を切り替え、左右のスワイプで情報に対して可能なアクションが現れます。
そのもようを動画にしてみました。
この様に、上下左右のスワイプと、タップ、音声コマンドを使って操作します。
なお、スピーカーは搭載していませんので、着信時に応答/拒否の操作をスマートウォッチから行うことはできますが、通話はスマートフォン本体、あるいはBluetoothヘッドセットなどで行うことになります。
ZenWatchは心拍計を搭載しており、心拍数および「リラックス度」も計ることができます。シルバーのベゼル部分がセンサーになっており、ここに指を二本あてることで計測します。
計測完了までは15~20秒程度かかります。計測結果はログが残り、ASUS製のWellness For ZenWatchアプリで管理できます。
また、ユニークなところとしては、「スマートフォンのロック解除時のパスコードをZenWatch接続中は不要にする」機能があります。
ZenWatchを鍵と見立て、ZenWatchが接続されている(=Bluetooth圏内にある)場合は、画面スワイプだけでロックが解除されます。ZenWatchの接続が確認できない場合は右の画面のように、パスコードの入力が求められます。
発想は良いのですが、ZenWatchから10m程度離れていてもロック解除できてしまうため、同居人にも見られたくないような場合は使用しない方が良さそうです(笑)
試用してみて
一週間ほど試用してみましたが、着け心地も良く、デザインが素晴らしいのですっかり気に入ってしまいました。また、スマートフォン本体のバイブだと、バッグに入れていたりで気付かないことがありますが、さすがに腕時計の震動は逃すことがありません。タイマーもセットできるので電車の乗り過ごし防止にも使えそうです。
難点としては、スマートフォンも同様に、昼間の晴天下だと見づらいことでしょうか。環境光センサーがあれば周囲の明るさに応じてバックライトの強弱が可能になるので、そこは次のモデルに期待したいところです。
また、これはスマートウォッチ全般の課題ですが、「声で操作する」というのは場所を選びます。腕時計に向かって「近くのコンビニまでナビして」と言う前に、周囲に人がいないか確認する自分がいます(笑)。ユーザーが増えてくれたら慣れるのでしょうか。
更に、これはGoogle側の問題になると思いますが、音声コマンドがかなりシビアです。心拍数を計りたいとき、上の動画のようにスワイプで操作しても良いのですが、声の方がラクです。ただ、この場合「心拍数を表示」と言わないとダメで、「心拍数を計りたい」とか「心拍数を計測」「心拍数を見る」でも受け付けてくれないのです(普通のGoogle検索になる)。
同様に、「近くのコンビニまでナビして」も、「最寄りの○○」だと受け付けません。この辺り、日本語音声コマンドのチューニングが進むと良いなと感じました。
ZenWatchを始め、現在発売されているモデルはまさに「第一世代」です。不満点もありますが、情報がより「近く」なる未来感は実感できます。今後Android Wear対応アプリも続々登場することでしょう。ASUS直販価格は32,184円(税込)。価格以上の高級感はあると思いますし、何より周囲の目を惹くこと請け合いです。少しでも気になったあなた、時代を先乗りしてみませんか?
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